優和の孤独
優和の孤独の原因は正人とは違っていた。
優和は愛が大きすぎたのだ。
そしてその愛が大きければ大きいほど、求める愛も大きくなった。
優和は決して愛されていないわけではなかった。
しかし優和は愛を感じることができず、いつも孤独を感じていた。
それは優和自身の愛が大きすぎて、いくら愛されていても、気持ちが満たされることがなかったからだ。
優和の愛は重すぎた。
そしてみんな引いていった。
そうして優和は愛するたびに、人のことが信用できなくなっていった。
優和の愛は、恋人だけではなく、誰にでも向けられた。
親にも友達にも愛情を向け、その叶わなかった愛は憎しみに代わった。
優和は、その愛情が大きいため、叶わなかった場合の憎しみは大きかった。
高校時代で明美と優和が一緒にいられなくなった理由もそうだった。
優和にとって、明美の何気ない言葉すべてが許せなかった。
それは優和が明美のことを本当に友達として愛してしまっていたからだった。
優和はいつも思っていた。
本当に?
軽はずみに出てくる愛の言葉ほど許せないものはなかった。
明美「ずっと一緒にいよう」
簡単に言うな。
明美のこの言葉は、優和にとって特別な言葉だった。
この言葉は以前優和自身が使った言葉だった。
それは大好きな飼い犬に向けられた。
でも優和はその大好きな飼い犬が病気になっていることに気付けなかったのである。
優和は自分を呪った。
そしてその言葉はその時の優和の気持ちを思い出させる特別な言葉になっていたのである。
優和は明美が友達として優和のことを好きでいてくれていることを知っていた。
ある意味、優和の重すぎる愛に追いつけるくらい明美の愛情は大きかった。
しかし優和からしてみれば、明美は無神経すぎるところがあった。
もう少し、慎重に言葉を使ってほしかった。
明美に対する不満はただそれだけだった。
それだけだったのである。
明美に対する愛が憎しみに代わるのは簡単だった。
次の日、明美は風邪で学校を休んでいた。
その時、ある友達から明美が優和の悪口を言っていたことを聞いたのだ。
明美に対する愛情が大きかった分、その憎しみは大きかった。
それは明美にとっては過ぎた話だった。
高校1年の時に話した優和の印象についての話だったのだから。
しかもそれは明美が親友だけにこっそり話した悪口というより相談だった。
明美は当時のクラスの雰囲気が怖かったのである。
でも明美は隙が甘すぎた。
その場に居合わせた人が、偶然その話を聞いていたのだった。
そしてその話が回り回って相談ではなく悪口となって優和の耳にも入ってしまった。
優和は当然今までのように許せなかった。
そしていつも通り明美をいじめるつもりでいた。
しかしそれはできなかった。
なぜなら優和に明美の悪口を話したその友達が、本当にいじめたかったのは明美ではなく優和だったのだから。
それはクラスの女子の陰謀だった。
クラスで人気があった男子が優和のことが好きだった。
それが羨ましかったのだった。
いじめの指揮をうまくとれる人がいなかったため、いじめとまではいかなかったが、優和はクラスで無視される存在になった。
明美も優和が明美をいじめようとしたという事実を知っていたため、優和のことを助ける義理はないと思っていた。
そうして優和は高校を1人で過ごすことになったのであった。




