84話 親の仇
もうすぐ、ミナリスの復讐終わりです!
手を振り帰っていくクリスティを見送り、見えなくなったところでドュルジが口を開く。
『焦ったぞ』
「ドュルジは嫌いなの?」
『いや、そういうわけではないが……」
「なんか、凄い人だったね。綺麗だったし」
『我が何人いたとしても、勝てん』
「そうなの?」
『ああ、別次元の強さだからな。それより、いつ、決行するのだ?』
「お姉さんにも言われたから、もう、今日行こうと思うの!」
『我の力を使えば簡単だからな』
クリスティにボコボコにされたとはいえ、ドュルジの力はこの世界では最強だろう。
「取り敢えずは、夜に行こう!」
『場所は覚えているのか?』
「うん!それは大丈夫!」
貴族街の区域は一度見たが、肝心の時に忘れていたら意味がない。
「よし!それまで、食べ歩くぞぉ!」
『……まだ食うのか?』
「当たり前じゃん!」
クリスティと話しているときも、ミナリスは色々と注文し食べていた。かなりの量を。
それなのに、まだ食べようとしている。
「ようし!まずはあれから!」
『…………程々、にしろよ』
sideワァルモーゼ公爵
我は、オランダ・ドルー・ワァルモーゼだ。
我が屋敷に訪ねてきたものがいる。その相手をするため、客室に案内し、話を聞いているところだ。
だが、その内容は、我が思っていたのと全く違った。
「さて、聞かせてもらおうか」
「は、はい。あの者に暗殺者を差し向けました」
「ああ、それは聞いた。それで、結果はどうなった?まさか、失敗なんて言わないだろうな?」
「そ、それが……」
「失敗したのか?」
「違うのです!まさかあんな化け物がいるなんて聞いてませんでした!」
「言い訳は……化け物?なんだそれは。確かに、奴は十三使徒だったが、力を奪ったはずだぞ?」
「違うんです!奴と女の方はきちんと殺しました!」
「じゃあ何が問題なんだ?」
あの裏切り者は、女攫って逃げたが二人まとめて殺したという。ならば何も問題ないと思うが、凄く脂汗を垂らしながら、言い悩んでいる。
「それがーそのー」
「ちゃんと言わんか!」
「は、はい!娘にやられました!!!」
「は?娘だと?」
「そうです!」
確かに、いてもおかしくはない、が、娘というならば、子供だろう。
我が送った暗殺者は、どれも一級だ。依頼も失敗したことのないプロだ。それが、ただのガキに負けた、だと?
「いい加減にしろ!娘?そいつは何歳だ!」
「10歳との報告があります!」
「やはりガキではないか!我の暗部の者が負けたとでもいうのか!?」
「そうです!」
開き直ったのか、もはや言い訳もせずに、はっきりと答える。
「お前はどう思う。ザキよ」
「はっ」
我の護衛である、ザーキストンが一歩前に出て答える。
「その者は嘘は言っていないと思われます」
ぱあっと我に報告していた者が、顔を輝かせる。
ザキが言っているのならば、そうなのだろう。
「ただ、公爵の暗部が負けるというのは、にわかに信じられませんね」
「その通りだ!」
「本当です!」
必死に言っているが、我は信じることが出来ない。
なぜなら、Aランク者も数名。なんでもありならばSランクにも匹敵する者もいたのだ。こやつの話が全て本当なら、Sランクを軽く殺せることになる。
「ただ、私の方にも何も報告がないことを考えると、全滅させられた、と考えるのが自然です」
「っ……まあいい。お前なら、そいつに勝てるか?」
「はい。私なら確実に殺れます」
「そうか。よし、お前はもう帰っていいぞ」
「はい!」
さっさと荷物をまとめ、部屋から出ていこうとするが、扉を開けようとした時慌てて、メイドの一人が入ってきた。
「大変です!侵入者です!」
「は?侵入者?我の屋敷に?」
「敵は何人だ?」
我は一瞬ぽかんとしてしまった。
何を言われたのか分からなかった。
我は公爵だ。この帝国で、最大権力を持っている者の一人である。
つまり、恨みを買うことはたくさんあるが、堂々と襲撃する者などいるはずがない。
ザーキストンは冷静に我を守るために動く。
「それが、一人なんです!」
「なに?どこの誰が攻めてきた?」
「い、いえ、、ただの子供なんです!ただ、恐ろしく強くて、すでに兵の半分は向かいましたが、全滅です!」
「そうか。お前はなぜ無傷でここにこれた?」
「え?それは慌てて逃げたんです!」
それだけ聞くと、ザーキストンは剣を抜きメイドを殺す。
「何をしている!?」
「ひっーーー!?」
いきなりメイドを殺したことに、我は驚き、こやつは悲鳴を上げ縮こまった。
人の死を間近で見たことがないのか、恐怖に漏らしている。おい、我の家ぞ。
「こいつは言動がおかしいのです。敵の仲間なのか、操られているのか分かりませんが」
「何を言っている?」
ゴソゴソと、メイドの懐を弄る。
今まで、一緒にいたが、こういう趣味だったのか?引くわぁ。
と思っていたら、何やら、ナイフが出てきた。
「多分ですが操られて、公爵を殺せ、とでも命令されていたのかと」
「お、おい大丈夫なのか?」
「はい、一応はこいつだけかと」
他にも操られている奴もいるかもしれないからな。注意するには越したことないだろう。
その時、屋根が吹き飛び夜空が見えた。
「は?」
ザーキストンは険しく吹き飛んだ屋根を睨んでいる。
というか、なんで屋根が吹き飛んでいるの?え?これも襲撃者の力?やばくない?
すると、空に人が現れ、我の前に、トンっと飛び降りる。
「こんばんわ!ワァルモーゼ公爵様。あなたを殺しに来ました!」
ニコッと可愛らしい笑顔でとんでもないことを言った。
「ぶ、無礼だぞ!我をだれと心得る!!」
「公爵のことを知りながら来たと、言ってますが」
我が、テンパって言うが、ザーキストンが冷静に言う。
「う、うむ知っておるぞ!」
「何?私を笑わせたいの?すぐ殺すよ?」
圧倒的な殺気が降り注ぎ、恐怖に震える。
今すぐにでも跪いて、許しを請いたい気分だ。自分の意思と反して徐々に足が曲がりだした。公爵の我が殺気だけで、屈しそうになっている。
ザーキストンは、大丈夫…………じゃなさそうだ。すっごく汗かいている。
「公爵、逃げてください。こいつはまずいです。報告通り化け物のようです」
「逃げろって言ったって、無理だろ」
「自分が時間稼ぎしますので、その間に」
「もう、話し合い終わった?取り敢えず、逃げれないように、不浄世界!」
そう言った後、空気が淀んで呼吸がしにくくなった。
「パパとママの仇もうすぐ取れるからね」
目に殺意を宿らせ、全身から黒い何かを迸らせる。
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