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超越神の世界旅行  作者: sena
第4章 復讐者編
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83話 力関係

 

「それで、どうしてここ(帝都)にいるの?」

『ミナリスの復讐相手がここにいるので』

「へぇ、なるほどね。それで、ミナリスちゃんは、犯人の目星はついたのかな?」

「う、うん」

「そんなに硬くならなくていいのに」


 あはは、と笑いながら言うクリスティだが、いきなり攻撃され死にかけた手前気を抜けというのは酷なものだろう。


「それで、お姉さんはドュルジの知合いですか?」

「妾か?まぁ知り合いっていえば知合いかな……」

「ドュルジとどっちが強いですか?」

「プ、ププ……なに?ドルから何も聞いてないの?」

『まさか、この世界にいるとは思っていなくて……はっ!』


 ドュルジは何かに気づいた。


『まさか、()()()()もここに?』

「そうなんだよ!妾は構ってほしいのに、最近はアシュリーばっかり!」

『…………』


 ぐちぐちぐちぐちと文句を言っているクリスティになんとも言えないドュルジは気休めの言葉すらかけることが出来ない。なぜなら、暴力を振るわれるからだ。


「ぐすっ、なんで、妾がこんな目に」

「お姉さん大丈夫?」

「おお、分かってくれるかミナリスよ」


 ついには泣き出したクリスティにミナリスが声をかける。


『それで、なぜ雷帝のあなたがここにいるのです?』

「ああ、それね、偶々だよ。主が帝国には使徒を名乗る者どもがいるって話だから見てみようかと思って、だったんだけど、たいして強くなかったからそろそろ帰ろうとしていたの。そしたら、あなたたちに会ったってわけ」

『なるほど』

「それにしても、驚いたよ。まさか、ドルが人間に手助けしているとはね」

『それは、』

「ドュルジは私を助けてくれてるの!」

「そうかそうか」


 カラカラと笑い声をあげる。とにかく機嫌が戻ってドュルジは安心した。

 怒りの矛先が向かえば、今度こそ死にかけるだけじゃ済まなくなりそうだからだ。


「復讐まであと少しなんだ!偶々、あの時ドュルジが契約をしてくれたから」


 目をキラキラとさせて、喜んでいる。だが、クリスティの次の言葉に笑みが消える。


「まさか、本当に偶然ドュルジ程の悪魔が人間如きを手助けしたとでも?」

「え……?」

『…………』


 クリスティの目が鋭く光る。


「え?違うのドュルジ……?」

『…………』

「その力を得たことも偶然だと?そんなことあるわけないじゃない」

「なん……」

「ただの人間が、()()()とはいえ、()()()を使い続けて大丈夫なはずないじゃない」

『やはり、か』

「どういうこと、なの?」

「ミナリス、少し話をしよう。神と悪魔は力が強すぎるために、人間界に干渉することを()()()()()()()。まぁ、なぜそうなのかはミナリスが知ることではないが……それで、強ければ強い程その効力は高くなる。そこで問題よ。ドュルジは高位悪魔。元善神だったからね。そのドュルジが、なぜ都合よくあなたの声を聴けて、何の準備もなしに契約を結べたと思う?」

「そ、れは…………私の願いが届いたからじゃ……」

「願えば届く、なんてことになれば、どこの世界も悪魔契約者で溢れ返っているでしょ」

「た、確かに」

『あの方が裏で糸を?』

「なわけないじゃない。今の主は未来を読む力も、創造の力も何もかもを封印しておられるの。その状態でも、全く敵わないけど。それに、他の世界に干渉することもかなり制限しておられる、もちろん神界にも魔界にも、ね」

『そういうことですか』

「え、どういうこと?というか、なんでお姉さんはドュルジの声が聞こえるの?」


 今更な質問をする。

 クリスティが、「え?」みたいな顔をしたが、クスクスと笑って説明する。


「念話っていうのはね、簡単に言えば魔力でパスを繋いで会話しているの。つまりね、ミナリスとドルの間に繋がっている魔力のパスに割り込めば、会話も聞けるし会話も出来るの」

「え、他の人にも聞かれたりしてたの?」

「確かに、そういうこともあるかもしれないけど、ドルがやっているから大丈夫よ。神に割り込めるのは同等以上の力を持っていないと出来ないことだから」

「よかった」


 もしかしたら、念話で話していた内容を聞かれていたかもしれないと思い、戸惑ったが聞かれることはないと知り、ほっとした。


「それで、話を戻すね。主は()()()だけ。面白くなるように」

『確かに、願えば必ずそうなりますが、想うだけなら五分ですから』

「そういうこと、そして、それをミナリスは勝ち取った。だから、()()()()()ことも起こったということね」

「えーとあまりよく分からないんだけど」

『簡単に言えば、我とミナリスの契約はあの方がお膳立てしていたってことになる』

「あの方って?」

「それは、()()主なのよ!」


 妾を凄く強調して言う。若干興奮しているのか、頬が赤くなっている。


『それ、大丈夫なのですか?』

「言ったら殺そうわよ?」

『い、いえ』

「そう、強くてかっこよくて美しくて、とにかく素晴らしいの!」

「お姉さんも綺麗だよ?」

「分かってるじゃないの!なのに、あの小娘が!」

『…………』


 また、嫉妬の炎を燃やしているのか、ハンカチでも噛みそうな勢いだ。クリスティの周りがバチバチと放電している。


「ふぅ、あの子は特別だけど、少しは妾に構ってくれてもいいじゃない」

「その人のこと好きなの?」

『ミナリス!?』


 クリスティの主、レインのことをその人呼ばわりしたことに、ドュルジは驚愕の声を上げる。

 急いで謝らせようとするが、それより早くクリスティが口を開いた。


「そうなのよ!とっても愛してるの!」


 頬を染め恋する乙女のように語る。


(乙女という年齢でもないだろうに)

「あ?なんか言った?」

『い、いえ、何も言ってないです』


 クリスティが手に雷撃を纏わせながらニッコリ笑いながら言う。笑っているのに物凄いプレッシャーを感じたドュルジは冷や汗を滝のように流す。霊体のため、汗など流れないのに次から次に流れ出す。現界に体がないことにクリスティの隣にいないことに心の底から感謝するのだった。顔を見られていたならば、引き攣って恐怖に震えているところが見えるだろう。


 ドュルジの返事を聞いたら、手を下ろし雷を鎮める。


「それで、これからどうするの?」

「復讐相手がとってもえらい貴族だから、どうしたらいいのか分からなくて……」

「そんなの、ドルの力があるからちゃっちゃとやることやればいいじゃない。何迷ってるの?」

「え……そんな簡単に」

「あのねー。ドルの力はねこの世界程度消滅させることが出来るの。それを、一部とはいえ使えるあなたに勝てる()()なんているわけじゃないでしょう」

「そうなの?」

『ああ、我の力は絶大だからな!』

「でも、お姉さんに一撃でやられたじゃん」

『うぐっ、帝の名を与えられている方々とは、力の格が違うからだ』

「でも、ドルってまた強くなった?前までなら消えてるレベルの攻撃だったんだけど」

『そんな攻撃しないでもらえます!?』

「ドュルジ……」


 口調が今までと全く違うことに、戸惑うより憐みを感じる。ここまでこれば、ドュルジとクリスティの力関係が分かったからだ。


『ごほんっ。と、とにかく、ミナリスお前の力に勝てるものはいない。代償の魂も後少しだ』

「あ、忘れてた。そうだよ、魂集め忘れてた!」

『おい』

「ふふふ、話も終わったし、妾はもう帰る」

「さようなら!お姉さん、またね!」


 クリスティの周りに張っていた結界を解き、席を立つ。


「またね、か。()()()()()()()()()()()()()











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