69話 ゴブリン
「よっし!行くぞーーーーー!」
今ミナリスは、ゴブリンの群れに囲まれていた。
いや、囲まれていたという表現はおかしいかもしれない。
なぜなら、ミナリスは自分からゴブリンの群れに突っ込んでいったからだ。
魔力を常備使用し、強化しているということは、常に身体能力が上がっているということになる。
ミナリスを囲んでいるゴブリン約200匹。しかし、その誰もがミナリスの影をみることすら出来ずに死んでいく。
その上昇したステータスは、100万を超えている。ただのゴブリン如きに攻撃を当てることも、姿を捉えることも、どれだけいたとしても出来るわけがない。
なぜ、こんなにも雑魚の敵をミナリスが倒しているのかというと、帝都に向かっている途中に、ゴブリンの巣を見つけたからに他ならない。
つまり、暇つぶしだ。隠していないミナリスの魔力を感じ、ただの魔物はミナリスから逃げていくため、魔物に逢えていなかった。それに、盗賊もなぜかいなく暇な時間を過ごしていた時に、見つけた巣だったために、わざわざ突撃していった、というわけだ。
「でも、これだけ多いと、めんどくさいなぁ。しかも、ここ洞窟だから魔法使得ないしなー」
ゴブリンの巣は、洞窟の中にあった。ということは、ミナリスも洞窟の中に入らないといけないが、50匹程殺したところで、1匹1匹仕留めるのがめんどくさくなり始めていた。高威力の技を使えないことで、ストレスを感じ始め、何かないか考えていた。
「うーん……剣使っても、魔法使っても洞窟壊れちゃうなー」
『ならば、魔力で押し潰したらどうだ?』
「え?」
1人で考えていると、ドュルジが口を開いた。
「どうやって?」
『魔力を解放するだけだ。魔力を充て、威圧するだけで、この魔力量の差ならばそれだけで殺せる』
「ほへぇ……」
普段体の中で回している魔力を外に出す。
その瞬間に、空間が震えだし、ミナリスが立っている地面から蜘蛛の巣状にヒビが割れ、洞窟が揺れ出した。
『ミナリス、少し抑えろ。折角崩さないよう、魔圧を使っているのに、それじゃ意味がないぞ』
「わっわっ、抑える、抑えるっと」
『お前の魔力は、人外だということをきちんと理解しろ』
「分かってるよ!ただ、ちょっとミスっただけだもん!」
意地になって反論するが、ミナリス自身がよく分かっている。
初めて純粋に魔力を解放することをやったため、力みすぎていた。思った以上に出してしまい、思わず生き埋めになるところだった。
『しかし、見てみろ。きちんと全滅しているぞ』
「あっほんとだ!」
重力魔法を使ったわけでもないのに、押しつぶされたかのようにゴブリンたちがペシャンコになっている。ミナリスの前に立っていたゴブリンは全滅した。
『しかし、おかしいな』
「何がおかしいの?」
『これだけのゴブリンが一か所に集まっているならば、エンペラーかキングがいるはずだ。もっと奥まで行ってみろ』
「エンペラーとキングって?」
『ゴブリンの上位種だ』
「そんなのいるんだぁ」
『キングはSランク、エンペラーは推定SSランク以上だな』
「ならそんなに強くないね」
『そうだな。お前ならば余裕だろう。それで、どうする?』
「行ってみる!」
道は奥へと続いている。
そのまま、奥へ奥へと進んでいくと、ポツポツとゴブリンが歩いている。
そいつらを隠れながら暗殺するように殺していくと、ついに最奥と思われる場所についた。
「ここかな?」
『そうだろうな。見張りにジェネラルがいる。ならば、エンペラーだな』
「分かった!なら、まずは……」
ミナリスは呟き、黒炎を放つ。
断末魔すら上げれず3体のゴブリン・ジェネラルは燃え尽きた。
「よし、これで大丈夫だね」
重そうな鉄の扉をゆっくり開いていく。
中を見ると、玉座と思わしき椅子に座っている2mはあるゴブリンがいた。
「ナンデニンゲンガイル?」
玉座?に座っているエンペラーとその横にジェネラル5体、ゴブリンの上位種が10体がいる。
そして、エンペラーは片言ながら喋れるようだ。
ミナリスが現れたが、さして警戒していないのかただただ疑問に思っているようだ。
「君がエンペラー?」
「ソウダ、シツモンニコタエロ。ナゼニンゲンガココニイル?ゴブリンドモハドウシタ?」
「全部殺してきたよ?」
「ナニ?」
知性があるため話し合いになっているが、もともとミナリスは話し合いに来たのではない。魔圧を用いて、ジェネラル未満のゴブリンを押しつぶす。
とてつもない魔力に動揺したように、言う。
「オ、オマエナニモノダ!?」
ここまできて、やっとジェネラルが王を守るために、前に出る。
しかし、もう遅い。
ミナリスは、一息でジェネラルの元まで行き、黒刀を出し、一閃。
5体のジェネラルの首が飛び、その巨体がドスンッと音を立て崩れ落ちる。
だが、エンペラーは驚愕するもすぐに横に立てかけてある、巨大な大剣を手に取り立ち上がる。
刀身は2mもあり、とても分厚く、斬るのではなく押し潰し千切るような感じで使うような武器だ。
「コロシテヤル!!!」
地面を蹴って、ミナリス目掛け突撃する。
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