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超越神の世界旅行  作者: sena
第4章 復讐者編
66/266

63話

 

 少女の魂は黒く染まって行く。







「ぎゃあ!」

「くそっ!なんなんだよ、お前!」

「この、化け物が!」


 黒い剣が空を走り、男たちの首を刈る。

 黒い鎌が首を刈り取る。

 黒い刀が数度振られ、屈強な体がバラバラになる。


 合計、148人の人を殺した少女。ミナリスは、黒刀についた血を払い、鞘に納める。


「ドュルジ!このかたなって言うのすごく斬れやすい!」

『……我が使っていた武器だ。その、黒鎌も黒剣も瘴気を凝縮したものだ。そして、瘴気の扱いに慣れていけば徐々に使える武器も増えていく』

「へぇ〜、それも、ドュルジの能力?」

『そうだ』


 契約時に得た力の使い方は分かるが、もちろん全部が分かるわけではない。そして、すぐに使えるものでもない。

 だが、ミナリスは、ドュルジの想像を遥かに超えて使いこなしていた。

 物覚えがいい、そんなレベルの話ではなかった。元々、魔眼も魔力が大量にあれば得ることが出来るわけでもないし、ただの人間が瘴気を扱えるわけがなかった。

 瘴気を言うのは、人間が触れるだけで、狂っていますようなもので、それを武器にするなんてことあり得るわけがなかった。悪魔と契約し、その力を使えるとしても。

 その瘴気の塊とも言うべき武器を次々を使いながら、敵を倒していく。


「今どのくらい?」


 ミナリスが聞いているのは、どのくらい魂を集めたのか、だ。


『9万8318だ』

「やっぱり遠いね」


 数字だけ見ると、とても少なく感じるが、その実1682人もの人間(魔物を含む)を殺していることになる。

 次の街に行くまでの道中、現れた盗賊を殺し、その中で手加減することも覚え、アジトを聞き出し、ついさっきアジトに乗り込んで、皆殺しにしていたところだった。


 ドュルジからすれば、日に日に強く、残虐になっていくミナリスを危ぶんでいた。

 もう既に、4分の1が黒く染まっていた。


『ミナリス。体に違和感などないか?』

「違和感?特にないよ!」

『そうか……』

「あっ!」

『どうした?』

「前に比べて、反応とかが良くなったんだ〜。これって、私が強くなっているってことかな?」

『…………』


 それを聞き、眼を凝らす。

 すると、ミナリスが悪魔に変質しかけているのが分かった。


『っ』


(まさか、我の力を引き出し過ぎたのか?いや、そんなことで悪魔になどなれん。……やはり瘴気のせいか……肉体ではなく魂レベルで変質し出している。このままいけばそう遠くないうちに……)


「……ジ!ドュルジってば!」

『ん?どうした?』

「もう!さっきから読んでいるのに無視するなんて!」

『少し考え事をしていた。……それで、どうかしたのか?』

「もうすぐルシンティアに着くよ!」

『ルシンティア?ああ、今向かっている街の名か』

「そうだよ!すごく大きんだ!」

『ほう。どのくらいだ?』

「うんっとね、とっても!」

『それでは分からん』


 大きいと言われても、どれだけ大きいのかは分からない。

 だが、ミナリスの感じからして、故郷の町よりは圧倒的に大きいことは分かる。

 それに、ドュルジはあることが気になり、それどころではない。


「とにかく、いっぱいいっぱい人がいるの!これでたくさん殺せるね!」


 にぱっと笑い、可愛らしい笑顔を浮かべる。頬に返り血をつけながら。


「今度は強い人がいるといいなぁ〜」

『……』


 この歳にも関わらず若干戦闘狂になりかけている。

 それを、眺めながらドュルジは思う。


(ああ、親とはこう言う気持ちなのか)


 と。











 sideレイン


「ぷっ、ククク。悪魔が本気で入れ込んじゃいけんだろうが」

「そう言われながらも顔は笑っていますよ」

「面白いからな」


 レインは、ミナリスとドュルジの会話を聴きながら笑う。

 悪魔とは原来、人を誘惑し陥れる存在だ。それが、人間の少女に入れ込み、親の気持ちのようなものを感じるなど面白くないはずがない。


「しっかし、あの少女素晴らしい逸材だな」

「そうですね。このままいけば、()()になるのは時間の問題ですね」

「ああ、それに、もしかすれば半悪魔にもなりそうだ。やはり、魔力がほぼ無限というのは、大きなアドバンテージだな」

「瘴気までも使いこなそうとしていますし。ですが、これは()()()()()()()になるのでは?」


 レインは以前この2人には手を出さないと言っていた。

 しかし、セバスの物言いからすれば、レインが何かしらした、と言っているようなものだ。


「何を言っているんだ?何もしていないではないか」

「…………」

「神の御心ってやつだ」

「左様で」


 実際に、レインは何もしていない。

 ただ、レインが面白そうだと思ったことが、その想いを汲むため()()()()()()だけだ。

 普通では扱うことが出来ない瘴気を扱えるようになったり、急激に魂が変質したり、そう言ったことが()()()()起こっているだけだ。


「さてさて、ミナリスはどこまで行けるかな?」











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