62話
少しづつサブタイ考えて付け足していきたいと思います。
ミナリスの故郷の街に帰ってきた。
「お、ミナリスちゃんじゃないか。親御さんは残念だったね」
「うん」
門番のおじさんが話しかけてきた。
街といっても実際は村みたいなもので、人数は少ない。
そのせいもあって、ミナリスは街の人と仲良くなっている。前はよくお使いとかに行くと、おまけしてもらったりもした。
「魔物に襲われるなんて」
「ん?」
「大変だったね」
ミナリスは首を傾げた。
ミナリスの親は、目の前で殺されたのだ。魔物ではなく人に。
「ちが……」
『ミナリス話を合わせろ』
言い返そうとして、ドュルジから止められた。
(なんで?)
『お前の親は、人に殺された。それも、明らかに裏の人間によって。なら、根回しもされているだろう。街の人間には、森に行った時運よく魔物に殺されたとな』
(だから、言っちゃいけないの?)
『そうだ。それに、お前が生きているとすれば、また狙ってくるはずだ』
(分かった!)
「ミナリスちゃんどうかした?」
「ううん!なんでもない!」
急に無言になったミナリスに、心配そうな声をかける。
ドュルジは念話を使ってミナリスと話しているため、声に出さずとも会話ができる。
なんでもない、と元気よく答え、中に入る。
街に入り、しばらくすると、親のことで慰めの言葉をかけられた。
それに、ミナリスは話を合わせながら、私は大丈夫!といった返事をしていく。
そして自分の家についた。
中に入ると、そこには両親の死体はなく、血がベットリと付き固まった跡だけが残っていた。
「……お母さん…………」
『…………』
強くなったとしても、まだ10の少女だ。心細いのだろう。
ドュルジは慰めの言葉が思い浮かばず、無言になる。
部屋の中は、荒らさせており、ぐちゃぐちゃになっていた。家を外から見れば、綺麗な状態だったので、中で何が起こったのかは、中に入らなければ分からない。
「よし!行こ!」
頬をパチンッと叩き気合を入れる。
そして早くも、夜になる。
ドュルジから、襲撃があるなら夜だろう、と言われ、昼の間に寝ていたミナリスは今、路地裏にいる。
人目につく場所より、ここの方がいいと言われたからだ。
すると、3つの気配が近づいてくるのを感じた。
「本当にいる……」
「まさかあの兄弟がやられるとはな」
「ああ、信じられん。どんな相手でも、あの2人の前には無力だった」
3人がミナリスを目にした時、信じられない、といった顔をした。
それだけ、兄弟の力は認められていたと言うことだろう。
「報告では、火の魔法を使うとあるが、注意しろ」
『了解』
一度退けられたと知り、慎重になっている。
少女が裏の人間を殺した、それも死体すら残さずに、となると不気味が先立ち身長になるのも頷ける。
『ミナリス、注意しろ。あの武器には毒が塗ってある』
言われ、よく視ると確かに、武器に紫の滴が滴っている。
この暗闇の中ならば、普通は気づかなかっただろう。
しかし、ミナリスは、悪魔との契約により、魔眼までも、得ていた。
その能力は、今のところ視力の強化など些細なものだが、それはよく使い方を分かっていないからだ。今のところは、魔眼に頼って欲しくないため、ドュルジが教えていない、と言うのもある。
しかし徐々に使い方を知りつつある。
魔力常時使用していると、自然と目にも強化していることになる。その時、とても遠くまで見流ことができ、もっと遠くを見ようと思い大量に魔力を使い強化した時があった。
その時ミナリスは、魔力を使えば使う程、強くなることが分かっており、しかも、どれだけ使っても枯渇したことがないため自分がどれだけ危ないことをしているのかもわかっていなかった。
だが、その時大量に流しすぎて、目が破裂しそうな激痛が起こった。それのおかげなのかせいなのか、魔眼が開眼した。
『来るぞ』
ドュルジの警告で、後ろに飛ぶ。
今までミナリスがいた場所にナイフが5本刺さっている。
「あれを避けるか」
「やはり普通の少女ではないな」
そのままで、踵を返しミナリスは闇に紛れる。
だが、襲撃者は暗視のスキルでも持っているのか、しっかりとミナリスを追っている。
それでも、本気で走ればミナリスが圧倒的だろう。Aランクの魔物など高ランクの魔物を大量に狩っていたから、レベルは上で、ステータスも上だからだ。
角を曲がり、屋根上へ飛ぶ。
標的を見失った襲撃者が、辺りを見渡し探す。
ミナリスは、石の槍を投げる。襲撃者の1人に当たり、頭から股にかけて突き刺さり絶命する。
次に、瘴気を纏わり付かせた手で、殴る。
当たった瞬間、その場所から、毒にかかったように黒ずみ、ボロボロに皮膚が剥がれた。
「ぎゃあああ!?たす……」
あまりの激痛に叫び声を上げるが、すぐに全身に回りぼろぼろと、肉片が落ちて絶命した。
最後の1人が、それを見、逃走を図るが既に、ミナリスが先回りをしていた。
「ひっ」
短く悲鳴を上げ首を落とされ死んだ。
「ふぅ終わった」
『死体を焼け』
「分かった」
全ての死体を黒炎で焼く。
「次はどうしたらいい?」
何度も言うが、ミナリスは10歳の少女だ。10万の魂を集めるのに、会った人間片っ端から殺していては、いずれ討伐隊を送られることになるだろう。
そのため、行動指針をドュルジに決めてもらいその通りに動くことによって、ミナリスに足りない経験を補う。
『とにかく隣の街に行け』
「どうして?」
『この街の人には、情報操作がされている。聞き込みするにしても、ダメだろう。それに、さっきの奴らは全員殺してしまったからな』
「そっかー。なら仕方ないね」
この街の人間を殺すことに対しては、ミナリスはなんとも思ってない。
やはりあの経験がミナリスの人格を大きく変えてしまったのだろう。
ドュルジは悪魔のため人の魂を見ることが出来る。
眼を通して視ると、汚れなき白だったミナリスの魂は、所々黒い光が視えている。
「なら、もう行くの?」
『ああ、街の人間にも、どこに行ったか分からない方がいいだろう』
「うん……バイバイ、みんな」
最後に別れの一言を言いその場から去る。
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