50話
50話まで行けました!
自分はすごく飽き性なのでネタが無くなったり、疲れたりしたら放置すると思っってたんですが、思ってたより多くの人に見てもらえていたので楽しくなって続けることが出来ています!
これからもよろしくお願いします!
『人族を攻め滅ぼす時が来た!!!』
全軍に届くようにと魔法を使って号令をかける。
魔族にとって待ちに待ったこの時。
この場に集まった全魔族が殺意を募らせ始まるのを今か今かと待っている。
中には、嬉しさのあまり咆哮をあげている魔族すらいる。
『全軍!……進めぇ!!!!!!』
開始の合図を聞いた魔族が雄叫びを上げ突撃する。
★★★★★
side魔族領近辺の街
ある兵士が声を荒げ上司がいる天幕へと入っていった。
「報告!魔王軍集まり終わります!」
その報告を聞いた男は、兵の一部を預かる師団長の1人だ。
顔には緊張を張り詰めらせ、思い詰めた表情をしていた。
「……ついに来てしまった…………それで、敵の数はどのくらいだ?」
「約7万の軍勢です!」
話している兵士もあまりの人数に顔が引き攣っている。
今までは、数千の兵が攻めてくるくらいだったが、ついに本気で攻めにきたと言うことだ。
「7、万か…………私たちはどのくらいだ?」
師団長はもちろん把握している。それでも聞かずにはいられなかった。
「こちらは、なんとか、1万です。… …援軍は間に合うでしょうか?」
兵士は不安そうに尋ねてくる。
「…………分からん。少なくとも、この街は終わるだろう」
「そんな…………」
近隣の町から、魔族に動きがあることが分かったため、急いでかき集め、なんとか1万の兵が集まった。
敵の数からすればあまりにも少ない。
数にして7倍の差がある。絶望的な戦いになることを師団長は、いや、敵の軍勢を見たものは心が折れ、戦う気力も無くなってきている。
それでも逃げ出さないのは、昔魔族に攻められた時など、家族や親しい人を殺された者がいるからだ。
それ以外にも、自分たちの街を守るために戦うと言う人もいる。
「では行こうか」
師団長は、覚悟を決め座っていた椅子から立ち上がる。
気合を入れ直し、絶望とも思われる戦いに挑んだ。
★★★★★
sideシェルベラー王国
玉座に座りながら、王は息を吐く。
「それで、街はどうなった?」
「はい、全部で4つの街が滅ぼされ占領されました」
「そうか」
報告を聞いた王は、額に手を当てため息を吐く。
「やはり、援助して貰うしか……」
「王よ!それでは、我が国が……!」
「そうですぞ!ガルシア伯のおっしゃる通りですぞ!」
ガルシア伯と言われる人物が、王に意見を言う。
しかしこのことは、ここに集められた貴族が思っていることであった。
「しかし、それでは、死を待つだけではないか……!」
王の血を吐くような声に一同が黙る。
それも、皆が分かっている。
だが、助けを求めた場合盛大な借りを作ることになる。
しかし、求めなければ、この国はかなりの確立で滅ぶだろう。
属国があればいいのだが、シェルベラー王国は、小国だ。そんなものはない。
それに、大国に助けを求めたとしても、助けて貰える保証もない。
生半可な人数では、助けにならない。報告では、7万の兵と聞いている。幹部級が見られていないのは幸いだが、指揮官は確認されている。
もし、援軍を送っている間に自国が攻められでもしたら、そのことを考えると、援軍が来る可能性は低いだろう。
「だが、どうしたら……」
王が悩んでいると、1人の貴族が声を発した。
その青年といっても差し支えない年齢の貴族に皆の視線が集める。
「私は、求めるべきだと思います!」
「しかし、それでは……」
「分かっています!しかし!国が滅びれば意味がないのです!存続のためにも、民のためにも!我々は、勝たなければならないのです!」
「うぅむ」
全員が分かっていることだ。
だが、見栄、プライドが邪魔で素直に言い出すことができない。
かかっているのは自分の命だけじゃなく、国にいる何十万もの民の命がかかっていると言うのに。
「……分かった。そうしよう。……して、どこに求める?」
悩んだ末、援助を求めることを決断した。
貴族も、言葉では王を責めるような発言をしているが、心の中では「よかった」と思っているのが、声の端々から分かる。
「隣国のブランド王国を頼るのはどうでしょうか?」
「ブランド王国か……その理由は?」
「勇者召喚がされたのをご存知でしょうか?」
「もちろんだ」
「それに、この国が滅びれば、次に狙われるのは、ブランド王国が狙われる可能性が高いと思われます」
その意見に、納得の表情の王に貴族たち。
確かに、自国にも被害が出る可能性があれば、早めに対処するため、可能性はある。
自領を戦場にしないためにも。
「あい分かった。ではそうするとしよう」
「では、それまでは、なんとか持たせねばなりませんな」
「それなら、我が騎士団も出しましょうぞ!」
「我が軍もです!」
次々と、私兵を持っている貴族が参加を申し出る。
これは国のことを思っての行動ではあるが、利益を求めてのことでもあった。
この戦で、目立った功績を挙げれば、陞爵もありえる。自分の爵が上がることを想像したのか、男爵や子爵の貴族は口角が上がっている。
それから何時ごろまで、耐えればいいのか。
自分は何何を、いや自分が、と競い合っている。
もう先程の討論のことは頭にないのか、いかに自分が利益を得るかを考え出している。
そのことに、王はうんざりとした表情が出るのを隠しながら黙って聞いていた。
☆☆☆☆☆お願いします!!!
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