33話
興が乗ったのでもう1話!
そのうち本編でも書くと思いますがこの作品は、リアルな感じで書いていきます。
例えば、ゲームである序盤の時に、終盤で戦うような敵を攻撃した時、ダメージ表記が1だったりすることありますよね?それって1くらってるんじゃなくて全くのノーダメですって感じだと思うんですけど、そんな感じで、書いていくのでそこのところよろしくお願いします。
詳しくは、本編で書くつもりなので!なるべく早めに………
迷宮前に行くとそこには、光輝くんたちが集まっていた。
「待った?」
「いや、俺たちもさっき来たとこ」
いや、恋人か!ってツッコミを入れそうになった。
男同士でとかうえぇものだ。
顔がイケメンなだけに余計腹立つ。
「太樹どうかしたのか?」
「なんもないよ」
むすっとしていたみたいだ。気をつけなければ。
「準備できてるみたいだし、早速行こっか」
光輝くんが先頭で進んでいく。今回は、迷宮で何泊かするつもりだ。さすがに70層までぶっとうしては行けない。どこかで休むつもりだ。
樹海と言われるだけあって、木が多い。獣系の魔物が出てくるだろうなと思っていると、早速現れた。
「魔物だ!」
誰かが声を上げると、そいつは姿を見せた。
気に片手でぶら下がっている猿の魔物。
「クレイジーモンキーだ!」
「1匹だけじゃないぞ周りにも注意しろ!」
警戒する声が聞こえる。
クレイジーモンキーってSランクの魔物だけどそんなに警戒する必要あるかな?
そういえば、光輝くんのステータス見たことなかったな。見てみるか。
=============================
【名前】一之瀬光輝
【種族】人族 【性別】男 【年齢】16歳
【称号】勇者、聖剣の担い手
【Level】79
【HP】125.000/125.000
【MP】150.000/150.000
【STR】130.000
【VIT】120.000
【DEX】125.000
【AGI】130.000
【INT】125.000
【ユニークスキル】
[聖剣召喚][聖鎧][神聖剣][異世界言語][一発逆転][限界突破]
【スキル】
[剣術Lv.6][体術Lv.6][身体強化Lv.6][光属性強化Lv.7][魔力操作Lv.5][無詠唱][物理耐性Lv.7][魔法耐性Lv.7][毒耐性Lv.4][鑑定Lv.7][隠蔽Lv.7][気配察知Lv.6][魔力感知Lv.7][性技Lv.4]
【魔法】
[光魔法][神聖魔法Lv.7][火魔法Lv.1][水魔法Lv.2]
=============================
(え………………………………弱くない?)
見て思ったことがそれである。
確かに、レベル79で団長さんのステータスを超している。勇者の称号がどれだけ破格かわかるだろう。でも、13万前後しかない。しかも、レベルが79というのにもびっくりだ。別れてから何をしていたのだろうか?
いや、これがこの世界では強いのだろう。僕たちがおかしいだけかもしれない。
当たり前だけど、命はひとつだ。ゲームみたく死んだらセーブポイントで復活とかやり直しの効かない現実だ。だから、冒険者という命をベットしてやる職業があるけど、もちろん自分の出来る依頼を受ける。死ぬかもしれない、勝てるかもしれない、そんな依頼は受けないのだ。ゲームじゃないから適正レベルがあったとして、ギリギリでは受けない。当たり前だ。死ぬかもしれないのに、よほどのアホか戦闘狂しかやらないだろう。
何が言いたいかって言うと、この世界には、パワーレベリングと言う概念がない。簡単にレベルも上がらないし、次のレベルアップまでの必要経験値も分からない状況で、効率なんて考えることすらないだろう。
でもそのことが分かっているからパワーレベリングができるかと言うとそうではない。もう一度言うけど、ここは現実で命はひとつしかない。
しかも、ゲームと違う点は、スタミナが無限にあるわけでも、食欲、睡眠欲などの生きるのに必要なことをしなくてもいいわけでもない。つまり、ずっと戦い続けられるわけじゃないってことだ。
疲れれば休憩するし、怪我をしてもHPだけが減るわけじゃない。腕を切られればなくなるし、血も減って貧血になる。HPを回復したとしても、切られた腕が生えてくるわけでもないし、流した血が戻るわけでもない。別の魔法、スキルが必要になる。
っと、すごく脱線したけど、僕たちほど迷宮に篭ってはいないってことだろう。しかも、性技のスキルを手に入れているってことは、やることやってたんだろうね、きっと。
「じゃあ、光輝くんたちに任せていいかな?」
「おう!後ろに下がっててくれ!」
こちらを見ずにお猿さんを警戒したまま言ってくる。
言われた通りに後ろに下がる。すると、健たちが寄ってきて小声で話しかけてきた。
「太樹太樹。あのさ」
健の後を継ぐように信介が言う。
「光輝さんたち弱くないですか?」
全くその通りです。
「弱いって言うか、戦闘自体をあまりせずにマージンとりまくってたと思う。僕たちはほぼ毎日敵からもあまり隠れずに戦っていたでしょ?」
コクコクと頷いている。
その間に、クレイジーモンキー……言いにくいからお猿さんって言うけど、お猿さんが器用に片手でクルクルと回りながら、空いている手で何かを投げている。
それを、聖剣で弾く光輝くん。
「高難易度の迷宮行ってましたしね」
「そうだね。それに、パワーレベリングもできる時はやってたから、2ヶ月くらいで100を超えているんだけど……これも僕の予想でしかないけど、光輝くんたちはそんなことしてないと思うんだ。迷宮でも、レベリングとか考えずにどんどん奥に行ってボスだけ倒して帰っている……と思う」
「なるほど」
「私たちは、かなり命懸けでしたから」
朱莉が苦笑しながら言う。
それに対して僕たちも笑う。
その時は、お猿さんの仲間が4匹増えて5匹になっていた。
光輝くんの「クソッ」「これでもくらえ!」って声が聞こえてきた。なんか小っ恥ずかしい技名言いながら聖剣から光の刃を出している。
「俺なんて腕が潰れたんですけど……」
「私はお腹グッサリとクマの爪が刺さりました」
「俺は、ずっと吹っ飛ばされてたぞ!」
『それは、健が勝手に突っ込むから』
大怪我のことを言い合っていたら健も言ってきたためみんなでつっこむ。
土手っ腹に穴空いたり、足折れたり、腕ひしゃげたり、普通の高校生が味わうことではない。
その時、光輝くんの取り巻きその1が後ろから狙われ吹っ飛ぶ。
光輝くんチームは、6人だけど、5人は女子だ。ほんと爆発すればいいのに。
「て言うかさ、サルに苦戦する勇者って」
「言うな言うな。あれだよあれ……」
珍しく健がフォローしようとしているけど、言葉が出てこず、あれあれ言っている。
「お猿さんの土俵だし、連携する魔物ってめんどくさいからしょうがないんじゃない?」
「そうそう!それが言いたかったんだよ!」
光輝くんの後ろに固まっているため、僕たちが戦えないと思ったのか、1匹がこっちに向かってくる。
朱莉が魔法で瞬殺した。レベル的には同じくらいだけどステータスが全然違うため余裕で対処できる。
「さくらは右から援護してくれ!」
「美波はあいつを!」
てな感じで指示は出してるけど、木と木を飛びながら移動しているため魔法を避けられたりしている。そのため、木を攻撃して倒しているからその衝撃で土煙がすごい。
20分程だろうか、やっと全部倒せた。傷はかすり傷程度だけど、しょっぱなからこれで大丈夫なのか心配になるレベルだ。
「太樹!どうだった?」
「うん。良かったと思うよ」
普通に言えたことを褒めてほしいくらいだ。
その証拠に、避難組は苦笑いだ。
「俺たちは迷宮に挑んでレベルを上げたんだ。今じゃ79にもなって、シルブリットさんにも成長が素晴らしいって言われるほどだからな!」
ごめん、知ってるし、僕たちからすればそれほどでもないんだ。生返事しかできないけど、本人は喜んでるみたいだしいっか。
「じゃあ、この調子で行こうか!」
何がこの調子か分からないけど、進むことには賛成だ。
まだ1層の最初の方だから。
それから、僕たちも参加して倒していくことになり、僕だけじゃなくて僕のパーティー全員が強くなっていることに詰め寄られ、説明を求められたりしたけど、その日に、35層に着くことができた。