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超越神の世界旅行  作者: sena
第2章 勇者編
33/266

30話

 目の前にいる、最強種の一角の竜。

 成長した竜は災害とも言われている。


「今寝ているから、最大の攻撃を喰らわそう。……僕がやればすぐ倒せるけど、どうする?」

「バカ言うじゃねえよ!ドラゴンだぜ?ドラゴン!異世界に来たら殺ってみたいやつの一人だぜ!」

「私は、怖いですけど、経験を積みたいのでやりたいです。…………でも、もしもの時はお願いしますね?」


 調子のいいことを言っているが、助けるのは当たり前だし、やらせてみよう。

 全員が、できる最大の攻撃をするために魔力を高めだした。

 近くで爆発したように膨れ上がる魔力に竜が目を覚まそうとしているが遅い。


 信介は、持っているユニークスキル『急所突き』をドラゴンの首裏に放つ。


 唯亜は、大剣に風の魔力を纏わせ、緑色の風が渦巻いている。翼目掛けて振り下ろす。


 朱莉は、炎の槍を5本出し、それを一つに纏める。大きさは変わっていないが、圧倒的な魔力を内包しているその槍を、胴目掛けて飛ばす。


 轟音が鳴り響いた。それと同時に、氷の竜の絶叫も。


「確実に効いている!そのまま攻め……みんな防御しろ!」


 悲鳴を上げていた、竜が口に魔力を溜めているのを確認し、防御するように言った。

 溜め終わり、氷のブレスを放つ。

 ドラゴンと言えば、その圧倒的な肉体能力から来る攻撃。確かに強力だろう。しかし、1番はブレスだろう。ドラゴンの持つ圧倒的な魔力から放たれるブレス。

 今回は氷属性まで付いているため、傷を負えばそこが凍り、時間が経てば傷口が壊死するだろう。


 健は僕の影に隠れ(頭いいな、こいつ)、信介は避け、唯亜は朱莉が魔法で守った。

 僕は、魔力の膜を張っているため害はない。


「撃ち終わった今がチャンスだ!」


 僕の指示によりもう一回攻撃が再開される。


「行くぞ!ドラゴン!!!」


 健がニヤケながら、突撃していく。






 あれから、30分ほど経ち激闘の末に倒した。僕はほとんど参加していない。


「お疲れ様」

「あろがとー!……すごい疲れたぁ〜」


 ぐったりと座り込んでいる。息も絶え絶えで、今にも倒れそうなくらいだ。


「どう?ドラゴンスレイヤーになった気分は?」

「そうだよな!俺たちドラゴンスレイヤーだよな!」

「私たちだけで、倒せた……!」


 目を輝かせながら喜び合っている。

 団長さんも竜殺しの称号あったけど、スキルも手に入れていた。なのに、健たちは称号だけしか手に入れていない。


(なんでだろう?一人で倒したからとか?確率?それとも、上位竜じゃないとダメとか?)


 ふと疑問に思った。

 それに僕には、竜殺しの称号はない。それもそうか、防御はしたけど参加していないから。


(今度一人で倒してみよう)


 案外、称号を羨ましく思っていた。


「じゃあ、帰りは僕がやるね」

「頼むわ、もう魔力残ってねぇ」


 ステータスを見る限り、体力も魔力もほとんど残ってない。


「転移で帰れないのかな?」

「ああ〜確かに。クリアしたしそんなのあるかもしれないね」


 ちょっと探してくる、と言い一人で探しにいく。

 ドラゴンがいた裏に回り込むと、一面氷でできている壁の中に、鉄でできているところがあった。近くによると、扉になっており中を覗く。


 そこには、お宝があった。剣に魔道具?の他にも、巻物(スクロール)など。


あいつ(フロストドラゴン)が溜め込んでたのかな?)


 でもそんなに大きな巨体が通れるような入口にはなっていない。

 異世界名物の『人化』のスキルも持っていなかったし。

 ダンジョンマスター的な存在がいた?まだ迷宮に関して全く分かっていない。なぜか、僕の鑑定でも迷宮を見ても大した情報がない。


「どれ持っていおうかな……って一人で選んじゃダメだよね。みんなを呼んでこないと」


 みんなを呼びに行き戻ってくる。


「うわぁ〜〜すげぇ〜」

「お宝いっぱいだ!」


 男子は、剣などの武具に、女子は、指輪はブレスレットなどの魔道具に興味津々のようだ。

 国から貰った剣も一級品だけど、聖剣魔剣には一歩も二歩も及ばない。ここには、どれも、超一級品ばかりがある。


「僕は今回貰わないよ。みんなで選んで」

「いいのか?」

「もちろん、だって後ろで見ていただけだからね」

「それは、そうだけど。私たちが危なかったら助けてくれてたし……」


 唯亜が意見を言ってくるけど、僕としては、今回本当に何もしていないし、剣自体いらない。そのことを告げると渋々引き下がってくれた。


「魔剣の類があったら貰えるかな?」

「分かった!そのためにも、SSSの迷宮?だっけ?頑張らないとね!」


 チラッと確認したけど、ここに魔剣はなかった。

 やっぱり呪いとかあるのかな?すごく楽しみにしている。厨二病のアニメを見ると恥ずかしいけど、なんでか惹かれてしまうってことがあって、でも直視して見ると恥ずかしいみたいなこともあった。

 そのため自分がアニメの世界みたいなところに来れたことにワクワクしている。


「っと、そろそろ帰ろうか。そっちの方に転移陣があったから」

「やっぱりあるよな!ボスまで倒した人の特権って感じかな?」

「ここには、ダンジョンコアのようなやつないのかな?」

「ダンジョンコアってなんですか?」

「朱莉は、アニメとか見る?」

「多少は……」


 恥ずかしそうに言ってくる。

 女子では、恥ずかしいことなのかな?


ここ(ダンジョン)の動力源のようなもの?かな。創作では、よく球体みたいな形をしてて宙に浮かんでる……んだけどそれっぽいのは見当たらないね」

「そうなんですか……もしかしてここが最下層じゃないってこともありますか?」


 なるほど。でも、最下層じゃないところにこんな宝置いておくかな?逆に、ここで帰ってもらうために置いてるとか?


「宝を持ち帰らせて、これで終わってますよ!ってアピールしてるんじゃあ」


 今考えていたことを、信介も考えていた。


「ってことは、この先にダンマスいるんのか!」

「それは分からないけど……今日のところは帰ろう」

「えぇーーーー行きたい!」

「だめ。魔力ないでしょ」


 ぶーぶーと文句を言ってくるけど無視する。

 そして転移陣のところあで引っ張り中に入れる。

 一瞬で視界が切り替わり、外の風景が目に入る。


 僕たちは、迷宮を1日で攻略したけど普通は、何日間かに分けて進んで行くものらしい。簡易テントなど用意したり、いろいろ迷宮用の準備があると後で知った。


「疲れた〜あそこ行こうぜ!」


 この都市で一番高級な店に行こうと健が言ってくる。他のみんなもそれを聞いてよだれを垂らしそうになっている。

 確かに、一度食べれば病みつきになる味だ。さすが高級店だけあって美味しい。


「いいけど、換金からね。冒険者ギルドが先」


 冒険者ギルドで、魔物の素材の換金ができる。冒険者に属さなくても買取はできる。ただ、少し報酬が減るみたいだ。そのため、この都市に来てから僕たちも登録した。


 なんか試験があって、一気にランク上げができるみたいで、僕たちはAランクになった。

 と、言うのも、この都市にいるの最高ランクの冒険者がAランクしかいなくて、らしい。

 それでも、異例の昇格みたいだ。勇者だと言うことも伝えたら、国から話が来ていたらしく、試験をすぐすることになった。


 信介がランクのプレートを翳しながらこれ見よがしに見ていたため、変な連中に絡まれたりもした。テンプレはやっぱりあった。


 健がすぐボコボコにしていたけど。

 そんなことはさておき、受付に来た。一人でだ。他のみんなは、すぐさま席について一息ついている。


(僕が行けと…………さいですか)


「あの、買い取りをお願いします」

「あ、勇者様。迷宮の魔物ですか」

「はい。……結構ありますけど、裏に行ったほうがいいですかね?」

「そうですね。では、裏までお願いします。……それで、どのあたりまで行かれました?」


 ワクワクした表情で聞いてきた。隠す必要もないため答えた。


「25まで全部攻略して来ました」

「ぜ、全階層ぉおおおお!?」


 受付のお姉さんの大声で、ギルド内にいた冒険者がいっせいにこっちを向く。その顔には、信じられないと思っていることが丸わかりだ。


「え、えと、すみません」

「大丈夫ですよ。あと、勇者だと言うことも伝えてもらって大丈夫です」

「ありがとうございます!……じゃなくて!てことは、フロストドラゴンを倒したと?」

「はい」

「…………」


 唖然としているが、早くご飯を食べたいから早くして欲しい。


「早くしてもらえません?」

「す、すみません!では、こちらに」


 案内された先の倉庫で、アイテムポーチに入っていた魔物を出す。

 ドサッ!ドサッ!ドサッ!ドサドサドサ!!


 出てきた魔物を見て再び唖然としている。


「一応これだけにしときますね」

「……他にもあると?」

「自分が持っているものは全部ですね。まだ仲間のポーチに入ってるので」

「それはまた今度でお願いします!」


 涙目で懇願してくる。

 別にお金はこれだけでも十分に貰えるから問題ない。


「査定に時間がかかるので、明日また来てもらえますか?」

「いいですよ。では、これで」


 急いで解体士を呼びに行った。「部屋から出るときに、今日は寝れねぇぞ!!!」って声が聞こえてくる。

 頑張って解体士の人たち。


「おーいみんな。終わったよ」

「お疲れ様」

「あれ、報酬はどうしたんです?」

「なんかね量が多いから明日に報酬を渡すって」

「ええぇ、じゃあこれは?」


 アイテムポーチをぷらぷらさせながら信介が言ってくる。


「それはまた今度。お腹減ってるから早く食べに行こ?」





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