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超越神の世界旅行  作者: sena
第8章 外来宇宙編
205/266

202話 妖刀・不知火

 

 金色の光に包まれた長刀がレイン目掛けて振り切られる。


「ッ!これはっ」


 避けようとしたが直後、()()()()()()()()()()()()()()()()


「不知火……至極・斬」


 レインは自分の身を抑え付けている力を強引に振りほどき、蒼炎に包まれた不知火で向かい来る斬撃を斬りつける。


「何ッ!?」


 この驚愕の声はワシュイドのものだ。

 僅かな抵抗の末、金色の斬撃は金色の燐光を残し、斬り裂かれた。


「ば、馬鹿なッ!」

「たかだか概念を纏わせたくらいで効くわけがないだろうが」


 レインは呆れたように言う。

 金色の光は切断の概念を纏わせたからだ。ワシュイドは、切っ先から一メートルの刀身の効果を刃全体に纏わせた斬撃を放った。つまり、切っ先だけでなく、刃全体に切断の概念が付与されているようなものだ。


 しかし、()()()()()()()


「その概念など飽くほど見た」


 レインの配下である一人、『剣帝』アストレアの攻撃は、一撃一撃が切断の概念が付与されている。それが普通、当たり前だからだ。


「それより、その力の方が興味深い。それは『力』そのものだな?」

「……ッ!?」

「純粋なる力を操る能力か。ククク、ほんっとに面白い」


 レインの動きを一瞬とは言え止めたのは、ワシュイドの権能だった。

 今までワシュイドは魂装の力しか使っていなかった。普通は、魂装と権能は似たような力を持っている者が多い。


 グーレルがいい例だろう。

 グーレルの権能は『大海』。そして魂装の属性は水。水を操る力だ。片方が水、片方が炎なら一対一の割合かもしれないが、もし両方が同じ能力なら相乗効果を及ぼす。二倍どころか三倍、四倍、またはそれ以上にさえなるだろう。


 ワシュイドがなぜ魂装の能力だけしか使っていなかったのかは分からないが、レインの興味はかなり引けた。幸か不幸かはさておき。


「珍しい、実に珍しいな。力そのものを操るか……ふむ、先の斬撃も俺の動きを止めたのは確実に当てる為、斬撃にも載せていたな」


『力』を載せることでより強力なものとなった。

 普通なら今の攻撃で終わっていただろう。しかし、レインは普通とは程遠い。


 ワシュイドは攻撃を防がれ、焦り交じりに睨み付ける。


「くっ!まさか、我の力が通じんとはッ」

「いやなに、中々いいぞ?四十点、と言った所だ。もちろん百点満点中な?」


 そこまで言った時、背後から殺気を感じ、不知火を持っている腕だけ後ろへ持っていく。


「ォォッ、ラァァアアアッ!!!」


 水を足場に駆け上がってきたグーレルの拳を不知火の刀身で受け止める。

 その時、ピシッと言う音がレインの耳へと届いた。


「ん?おおっ、刀身にヒビが……」


 拳を受け止めている剣先の辺りからピシピシッと亀裂が入り出している。

 このままいけばすぐにでも砕けてしまうだろう。

 さすがこれ以上はやられるわけにいかず、レインは不知火を手首の返しで振り払う。


「あがぁっ!?」


 グーレルの指を三本程斬り飛ばした。

 すぐに下がり、距離を取る。


「あらら、不知火にヒビを入れるとは、まぁこのくらいならすぐに……」


 淡く蒼い光を放ったかと思うと、刀身のヒビはすぐに消えてしまった。


「行くぞ」


 レインは一言、自分にしか聞こえない程の声で言うと、未だに戸惑いから立ち直っていないワシュイドへ突撃する。


「グッ!なぜ、効いていないッ!?」


 レインの接近にギリギリで気付き、長刀で受け止めるが、その顔には焦りが浮かび、声を荒げ疑問を口に出す。普段ならこうも取り乱すなんてことはあり得ない。しかし、レインの力をグーレルから聞いていたとは言え、体感するのはこれが初めてだ。まさか、概念攻撃すら通用しないなど予想外もいいところだ。


「いちいち取り乱すな。『蒼炎の爆焔槍』」

「ぐぅぅ」


 レインの背後に蒼炎の九つの槍が現れ、斬り合っているワシュイドへ襲い掛かる。

 だが、斬り合っていても、長刀の中心へ吸い込まれる。


「ふむ。かなりの魔力を込めたが、制限がないのか?……なら、不知火……燃えよ」

「魔法は効かないッ!」

「そのようだな」


 不知火が蒼い炎を纏うが、刃が触れ合った瞬間、徐々に吸収されている。


「まぁ、それなら常に生み出し続けるだけだがな……」

「ッ!くっ……!グーレルッ!」

「おう!!」


 更に炎の勢いを増した不知火の蒼炎を吸収しきれなくなっていた。いや、正確には、吸収しているが、それよりも生み出す炎が多い。どうやら、吸収できる魔力には際限がないのかもしれないが、一度に吸収出来る量は決まっているのだろう。


 徐々に押され始めたワシュイドへ、グーレルが加勢に行く。


「ワシュイドッ!しゃがめッ!!!」


 しゃがめ、と言われても、ワシュイドもレインも空中戦を行っている。

 しかもワシュイドは飛行していない。魔力で足場を作り、その上を移動している。

 足場を消し、重力に従い落ちる。


 ワシュイドの頭を掠めるようにして、水の蛇が襲い掛かる。

 大口を開け、レインを丸呑みしようとしている。


「おお、こんな技まで……即席か?」


 水蛇の口を魔力を纏った五指で掴み、止める。

 そしてそのまま握り潰す。

 だが、パシャンッと弾けると、大量の水がレインへと降りかかる。それを、手で払うようにして吹き飛ばし、水を突き破り、弾丸のように飛んできたグーレルの蹴りを不知火で受け流し、すれ違い様に数度斬りつける。


「そいっ」

「ぐぁあっ!」


 グーレルと入れ替わるようにやってきたワシュイドの斬撃を躱し、懐へ入り掌打を腹へ突き刺す。

 吹き飛ぼうとするワシュイドの胸ぐらを掴み、上段から不知火を振り下ろす。

 だが、いつの間にか戻していた長刀で受け止めようとする。が、あまりの力に地面へ叩きつけられる。

 上空百メートルから叩きつけられれば常人なら死ぬが、ワシュイドは神だ。ダメージは喰らうが死ぬほどではない。


「がはっ!?」


 しかし、落ちる途中で何枚かの水の膜が現れ、落下速度を軽減したようだが意味はなかったようだ。


「がぁ……っ、なんて力だ……よもや『力』で押し切られるとはっ」


 ワシュイドの能力は『力』そのものだ。

『力』を腕に刀に纏い、受けようとしたが、それごと押し切られたのだ。


「よっと……『力』はただ強化するだけではないぞ?」

「……何?」

「まぁ、言っても分からないからな。自分で確かめていくしかないだ……っと」

「クソがァ!!!」


 弾丸のような速度で上空から下降してくるグーレルの拳を左手で受け止める。

 ズシンッと芯に響く衝撃を感じ、地面がヒビ割れ、大きく凹む。


「俺に触れた……何だと!?」


 前と同じようにレインの手を吹き飛ばそうとしたが、一切干渉出来なかった。


「くふふっ、その干渉はお前の魔力が俺の魔力を超えればの話だ」

「なぜだッ!前は出来ただろう!?」

「そんなの、わざとに決まっているだろう?まさか、自分の力が俺を超えたとでも思っていたのか?」


 レインの手を覆っている膨大な魔力。

 その表面には干渉しているが、それ以上全く進めない。薄皮一枚斬っただけのようなもの。


(クソがッ!なんだこのふざけた魔力量はッ!!!)


 レインへ攻撃を通すために、グーレルは常に大量の魔力を使い続けていた。

 籠手に魔力を水へ変換し、纏わせ、殴りつける。そんな脳筋のような攻撃だが、理には適っている。ワシュイドのように特殊な武器を持っているならば別だが、グーレルの魂装は良くも悪くも防具だ。

 莫大な魔力を進化し手に入れたとは言え、無尽蔵ではない。この戦いが始まってからすでに、六割程使っている。


 残りの魔力残量を確認しながら、魔力を練る。

 レインを相手に、温存なんてもってのほか。しかし、無駄に使ってもまともなダメージを与えることは出来ない。


(水よりも殴った方がダメージはあったはず……なら、死ぬまで殴り続けるしかないッ)


 拳を構え、チラリとワシュイドへ視線を向ける。

 そこには、起き上がろうと腕に力を入れているが、長刀を杖になんとか起き上がっているワシュイドがいた。

 幸いなのは、レインの意識はグーレルに向いていることだろうか。


「お前には魔法が効くんだよな。不知火……轟炎舞槍」


 レインは不知火を前に突き出し、舞うようにターンする。

 不知火の刃に蒼い炎が揺らめき上がり、蒼の軌跡を生む。その軌跡から激しく燃え上がる蒼炎の槍が現れる。


「行け」

「その程度ッ!ハッ!」


 籠手を水が纏い、蒼炎の槍を殴り飛ばそうとする。

 しかし、


「先の槍より威力は高いぞ?」


 蒼炎の爆焔槍はワシュイドの長刀に吸収され、効果を発揮しなかったが、グーレルは魔法を吸収することなど出来ない。

 炎槍がグーレルの拳に触れた瞬間、炎が弾ける。


「ぐっ!」


 即座に水で防御したが、次々と爆発する炎槍に吹き飛ばされる。

 だが、その前に右に飛んでいた。触れた時、受けれるタイプの攻撃ではないと分かったからだ。

 しかし、レインは避けたグーレルへと接近しており、不知火を振るう。

 左袈裟からの薙ぎ払い。そのまま連続で急所を突く。


「があああああああああああっ!!!」


 雄叫びを上げながら連撃を捌こうとするが、最初の二撃だけしかまともに捌けず、残りの突きは被弾した。しかし、ギリギリで体を捻りどうにか急所だけは避ける。

 右肩の肉を抉り取られ、首を斬られ、右耳が突き刺された。


「不知火……双獅子炎」


 振り上げた不知火から炎の獅子の(アギト)が現れ、グーレルを食い千切ろうと左右から噛み付く。

 グーレルは、両腕を広げるようにして籠手に噛み付かせる。水でコーティングし、熱を通さないようにするが、獅子の牙は全てを噛み砕く。少しずつ籠手に牙が食い込みだす。それを無理矢理魔力で強化することで耐え、その隙にレインを蹴り上げる。しかしそれは左手で容易く受け止められた。


「不知火……煌、む?」


 再度魔法を使おうとしたが、咄嗟に頭を下げる。すると、さっきまでレインの頭があった場所に刀が伸びていた。その刃はグーレルへ当たる前に止められており、そのままレインを真っ二つにするかのように振り下ろす。

 前にはグーレル、後ろにはワシュイド。攻撃をしたままで左右にも避けることが出来ない。


「『断壁の蒼炎盾』」


 蒼炎の花弁のような盾がレインの頭の上に現れ、ワシュイドの長刀を受け止める……ことが出来るはずもなく、僅かな抵抗の(のち)さっくりと切り裂かれる。しかし、一瞬だけでも時間が稼げれば充分だった。

 切断の効果があるのは切っ先のみだ。ならば、前に行けば避けることは容易い。しかしそこにはグーレルがいる。そのため、炎盾を出している隙にグーレルを蹴り飛ばし、場所を確保していた。


 レインの背中を掠るように刃が通り過ぎ地面に当たる寸前、刃が反転し下段からの斬り払いがレインを襲う。


「よっと」

「なっ……!」


 バク転の要領でワシュイドの方へ飛び、空中で斬り上がってくる長刀の腹を不知火で斬りつける。

 いくら切断の概念だとしても、効果があるのは刃だけだ。刀の腹には効果はない。

 飛んだレインはワシュイドへ肩車をするように飛び乗る。


「ほいっ、終わ……ん?」

「はああああっ!!!」


 不知火を逆手に持ち、頭から突き刺そうとするが、透明な何かに阻まれ、頭に触れる寸前で止まる。斬り払われ、横に弾かれていた長刀がいつの間にか手元に戻っており、肩に乗っているレインへ斬りつけられる。


(ん?なんか短くなってないか……?)


 レインは自分の考えが正しかったと思いながら、肩から飛び降り、背を蹴りつけ距離を取る。


「なるほどな。切断に吸収に不壊に……伸縮か。これで、四つだな」


 レインが感じていた違和感。

 長刀だ。それも刃渡り五メートルの。振り回すのも相当な技術がいる。それに、どれだけ技術があったとしても、自分の頭上を攻撃するのは難しい。普通なら刀に振り回されてしまうだろうが、ワシュイドは完璧に制御していた。それでも、手元に戻すのがいくら何でも速すぎると感じていた。


 思いっきり振り切ったのに、その瞬間すぐ振るえる態勢になっていたのだ。

 だが、刀身が伸縮していたのなら、それも可能だろう。


「……」

「死角で上手く隠していたようだが、今回は間近で見たからな。一つの能力だけでも魔剣クラスなのに、それが今のところ四つ。多分五つあるんだろう?……本当、ビックリ刀だな」

「シッ!」


 感心しているレインへ、ワシュイドを飛び越えるようにやってきたグーレルが蹴りを放つ。それを左にステップを踏み避ける。そこへ追撃するように、回し蹴りが放たれる。不知火の柄で受け止め、斬りつけようとしたところへ、ワシュイドがグーレルの脇を掠るように突きを放つ。半歩下がることでそれを避け、伸びてくる刃を弾く。


 すると、レインの視界からグーレルが消えた。しゃがむようにして姿勢を低くし、レインの左へ回り込む。その隙をつくかのようにワシュイドの連続の突きが放たれる。いや、正確には突きではない。捻るようにして長刀を持っている。今は長刀と呼べないだろう。刃渡り十センチ程の刃しかないからだ。しかし、それを見た瞬間、レインは顔を右に傾ける。すると、レインの顔があった場所に何かが通る。


「ほぉ、凄いな。その()()()()。ゼロコンマ以下の速度か……」


 感心するように言う。

 ワシュイドが構えている刃はさっさから変わっていない。十センチのままだ。

 しかし、伸びる寸前、僅かにブレる。それが伸びている証拠だ。


「オラッ!」


 レインの背後に回っていたグーレルがレインへ足払いを仕掛け、レインはそれを片足を上げることで防御する。だが、受けられるのを見越していたかのように、上体を倒したグーレルは両手を地面へ付き、跳ね上がる。両足がレインの背へ突き刺さろうとするが、レインは上へ飛び回避する。


 レインが避けたことでレインの前にいたワシュイドへ蹴りつけることになった。しかし、長刀に戻したワシュイドは、刀身を横にするようにしてグーレルの蹴りを受け止める。そのまま上に弾き、グーレルはレインを追撃する。


「はっ」

「がっ!?」


 レインは空中で回転し、飛んでくるグーレルの頭へ踵落としを喰らわせる。それを両腕でガードするが、地面へ叩き落される。


「さて……試練は難しくないといけないからな。そろそろ、本気でやるぞ」

「は……?」

「なんだと?」


 グーレルは驚愕の声を上げ、ワシュイドは怪訝な表情をする。

 今までが本気ではなかったと言っているのだ。信じられないのも無理はない。


「不知火……終炎ノ太刀」


 シュウゥゥゥゥッと刀身から音が聞こえるが、燃えだす気配は一切ない。刀身から炎の代わりに細い煙が立ち昇る。

 今の不知火をよく見れば、刀身の周囲の空間が歪んで見えるだろう。炎を纏ってはいないが、刀身に莫大な熱量を全て封じ込めている。


「なっ……!?」


 ワシュイドは視線を外したつもりはない。

 それなのに、レインの姿を見失った。一切の揺らぎも、音も気配もなく、立っていた地面すら砕けていない。

 ワシュイドは背後に気配を感じ、振り返る。


「……ただ、速いだけッ!?」


 何の攻撃もされていない。そう感じたため、今度こそ目を凝らして見ようと長刀を構える。しかし、刀の()()に驚き目を向けると、根本から先がなかった。それを認識した瞬間、襲い来る魂装を破壊されたことで起こる精神的ダメージ。


「ガアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!?」

「ワシュイドッ!?」


 グーレルも同じく一切視線を外したつもりはなかった。しかし、レインの姿を見失った。レインを再度瞳に捉えた時にはワシュイドが絶叫を上げながら崩れ落ちているところだった。

 咄嗟に駆け寄ろうとしたが、次の瞬間レインが眼前にいた。不知火を伸ばした状態で。


「グゥゥゥゥゥゥッ!!!」


 何とか裏拳で不知火の側面を殴りつけ逸らす。

 しかし、触れた瞬間、腕の感覚がなくなった。一切の衝撃も何もなく、ただ腕が消えた。


「な、何ぃッ!?」


 駆け寄るのをやめ、連続でバク転し下がる。

 だが、目を上げた瞬間には、またレインが目の前におり、不知火を伸ばしていた。


「ガッハッ!?」


 一瞬、不知火の刀身の周囲が更にブレたかと思うと、グーレルの腹に拳程の穴が開いていた。


「な、何が……起こったッ!?」


 膝から崩れ落ちるように地面へ倒れ込む。


「終炎ノ太刀……炎とそれにより起こる熱を全て刀身に封じたもの。触れる物全てがただ()()()()()()。音もしない。衝撃も感じない。ただ消し飛ぶ。って、そろそろ意識が曖昧か?ククク、あまりに楽しくて終炎ノ太刀まで使ってしまった。まぁ、いいや。意識があるうちに伝えとくぞ。戻ったら(おう)に伝えろ。『次はお前が来い』と」

「ぁ……ぁぁ、ぁ……」

「おーい、聞こえてるか?こりゃ、聞こえとらんな。しょうがない、直接頭に入れ込むか……うむ。それが確実だな」


 レインは焦点のあっていない目でレインを見上げているグーレルの頭に手を翳す。


「よし、これでいいっと……って、急所は外したとはいえ、致命傷だからな。一応治して……後は戻して終わり」


 グーレルをワシュイドの所へ引っ張っていき、重ねる。

 レインが指を鳴らすと、グーレルたちを中心に魔法陣が現れる。陣が光ると、グーレルたちの姿はなかった。


「いやぁ、よく育っていたな。この感じだと、後数回やり合えば、結構いい線いくかな?それより、これどうしよ」


 レインは嬉しそうに顔を綻ばせると、困ったような表情をし、不知火へ視線を落とす。


「取り敢えず……ほい」


 レインは地面に不知火を突き刺す。

 その瞬間、突き刺した場所を中心とした半径数十キロの地面が消し飛んだ。視界一面に抉り取られたような地面が映る。

 もちろん、レインの立っている場所も消えたため落下するが、その前に飛行することで空中に留まる。


「これでいいか……」


 不知火は刀身に封じていた膨大な熱を放出したことで、終炎ノ太刀が納まる。


「あ、あー、やっぱり……」


 はぁ、とため息を吐き、不知火が突き刺さっていた場所を見ると、そこの空間が()()()()()


「うん。この空間ごと消せば何の問題もない。うん」


 ひとりでに納得し、レインの姿が消える





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