200話 拷問のお時間です
二百話達成!!!
いつの間に!?って、感じですね。
引き続きお願いします!
襲撃してきた十神将三人を無力化し牢へ放り込んでから、レインは再び湯に体を浸した。
その後、アシュリーが襲おうとしたところでエレインも入ってきて、それから色々あった。
望まずして露天風呂と化した浴場の天井を見ながら、憂鬱とした気持ちで直したり、二人の美女から与えられる快楽に身を任せたり、まぁ、色々だ。
そして、風呂から上がったレインは体を火照らせながら、十神将を閉じ込めている牢へと赴いていた。
風呂で火照った体に、冷たい冷気が心地いい。
「さて、お前たちに聞きたいことがある」
「……」
「……」
「……」
どうやら、三人共喋る気は全くないらしい。
口を噤み、レインを睨みつけている。
そこでふとレインは違和感を感じた。
「……ん?ああ、喋れなくしてたな」
セバスは三人の動きを封じると共に、騒がないように喋ることも封じていた。そしてそれは、ここに閉じ込めてからも続いていた。
それをレインは解除する。
途端に騒ぎだす三人。
「ここはどこだ!?」
「早く解放して!」
「私にこんなことしてただで済むと思ってるわけ!?」
レインは指を鳴らし、再度黙らせる。
「はぁ、マジうぜぇ。なんだってこんな小物があいつと同じなんだ?甚だ疑問だ。それに、大体分かったからな」
レインは『神の祝福』を耐えることが条件や素材について考えていた。
十神将と言う最高の素材なら耐えれるかと思っていたが、援軍に来た十神将が絶えることが出来ていないことから十神将なら全員が受けることが出来ると言うのは否定出来る。
だが、レインは全く見当がつかないと言うわけでもなかった。
「おそらく、神界を喰ったことが関係してるんだろうな。それなら、グーレルと一緒にいたキリファとか言う奴も資格はあったのか……いや、待てよ?キリファを殺されたから怒りで耐えた、と言うこともあるわけで……ううん、難しいな。こいつらは外れだろうし」
顎に手をやり、一人で考えていたレインは、三人に目を向け、ため息を吐く。
「俺の見立てでは、こいつらはただ力を与えられただけの子供だな。使い方がなっとらん」
レインはグーレルと戦っている途中に気付いていた。
確かに強力な権能だった。『大海』と言う権能は。だが、それだけだ。細かな調整、威力をただ最大で振りまくだけの攻撃。今まではそれだけでよかったのだろう。
なりそこない、と呼ばれる神獣のような存在は、知性がない。
つまり、獣と一緒だ。戦術も戦略も戦いの運び方も全く考えることのない獣。なら、ただ高威力の攻撃を放てばそれだけで勝てるだろう(もちろん全てがそうとは言わない)。
そこでレインが思っていたこと、対人戦の経験が全然ないのではないか、と言うこと。
獣を相手にしていたのならそれも仕方ないと言えるが……レインの望む展開ではなかった。
「ただ能力が強いだけ。魂装に合わせて武術も多少は齧っているみたいだが……なるほどな。だからこんなにチグハグだったのか」
言葉に出したことで、考えが纏まってきた。
「まぁいいや。それで……聞かれたことだけに答えろ」
殺気を込めて睨みつける。と、同時に喋れるようにする。
殺気を放つのは、無駄なことを喋らせないためだ。
「ひぃ……」
レインの思惑通りに歯の根が合わず、ガチガチと音を鳴らし、体が震えている。
そして一人はジョロジョロとお漏らしもしている。
それが男でなかっただけマシか。
「それで聞きたいこと……それは、十神将って後何人?」
「ぇ……?」
予想外の質問だったのだろう。
「十神将って言うくらいなら、後三人か?」
「っ……」
コクコクと何回も頭を縦に振る。
「お前たちを含めると六人。ふむ、力は同じくらいか。あいつだけが、特別なのかどうかは知らんが試してみる価値もないな。さて、質問はもういいや。これからは俺の遊びに付き合って貰うぞ」
「……ぁ、遊び?」
「ああ、戦っても対して面白くなさそうだからな。久々にやるとするか」
ぺろっと唇を舐める。
それを見た三人が短く悲鳴を上げ、顔を盛大に引き攣らせる。
レインがこれからやろうとしていること、それは、拷問だ。
と言っても、情報を引き出すために行うものではなく、ただ遊びでやるだけ。
「場所作りから始めるか」
レインたちは鉄格子を挟んで会話していた。
十神将の三人は手錠と足枷が嵌められており、それ以外は何もしていない。鎖で繋いでいるわけでも、体を固定しているわけでもない。だが、体の自由だけは奪っている。それは手錠と足枷の効果だ。
レインが指を鳴らすと、場所が一転する。
鉄格子は消え、コンクリートに固められた薄暗い牢屋内が一変し、広い部屋が現れた。
部屋は牢屋内を広くし、少し明るくした感じだ。
一番変わっているのは、三人が椅子に座らせられている点だろう。
「ーーーッ!?」
「ーーーッッ!!」
「ーーーーッ!?」
いきなりのことに、戸惑うが声は出せない。
そして、逃げようと体を動かすがピクリとも動けない。
両手は肘掛けの部分に鎖で固定されており、足も鎖で巻かれている。
「ほい、プスッと」
「ーーーーーーッッ!?!?」
レインの手の中にいつの間にかピックが握られていた。
それをプスッと男の指の一つ、爪の上から刺す。
「あ、喋っていいぞ」
「ぁぁぁぁあああああ!?」
「おお、いい悲鳴。才能あるぞ。それで、名前はなんだ?」
「ぎゃぁぁああああッ!?」
「聞いてるだろ?答えろ」
「うぎゃあああああああ!?」
叫んでいるだけで一向に答えない男に続いて中指の爪の上から突き刺す。
「だ、だー……す……!」
「あ?なんだって?」
「だ、だーれす!ダーレス!!」
「了解了解、ご褒美だ」
そしてダーレスの右手の甲へ突き刺し、グリグリと動かす。
普通ならこの程度の攻撃でこれだけ悲鳴を上げることはない。
そこは神なだけはある。しかし、レインがしているのはただの攻撃ではない。肉体と精神に直接ダメージを与えている。
そんなレインの所業を見て、残りの二人がガクガクブルブルと震えている。
「ふふふ、まだ始まったばかりだぞ?お前たちの身体色々調べさせてもらおうか」
「ウガアアアアアアアアッッッ!?」
それから一時間。
ダーレスはただただ痛みを味わい続けた。
レインは精神が壊れようとも回復させたりはしていない。
そんな拷問を受け続けたダーレスの体は、心臓は抉り取られ、腹は切り裂かれ、腕と足、更には背骨までザックリと切り裂かれ、中が見えている。
さすが神と言うだけあり、失血死はしないらしい。
「ぁ……ぁえ?……ああ、あ」
精神が壊れ、視点は定まらず「……あああ」と呟くだけとなっている。
そこにいるのは、ただ生きているだけ。死んではないだけ。そんな存在だった。いや、精神が壊れているなら死んでいるも同然か。
そんな仲間だった成れの果てを見て、まだ手出しされていない二人が涙を流しながら恐怖に顔を引き攣らせている。血の気は失せ、どうにかこちらを見ないようにしている。
「ふぅ、取り敢えずはこんなもんか。体の作りは変わらんっと……ただパスが繋がっているな。向こうか?辿れば分かるが、そこまで興味ないしな」
「あ、あの、私たちは……」
「ん?お前たち?もちろん、同じことするに決まってんじゃん?俺はさ、もうお前たちには期待していない。あ、違うな。グーレルには期待してるか」
完全にグーレルはレインに目を付けられた。
ご愁傷様と言うほかないだろう。
手に付いた血を払い、二人に向き直る。
「続きをやろうか」
「い、イヤァアアアアアッッ!!!」
それから数時間、この誰もいない部屋に少女たちの悲鳴が絶えず響いたと言う。
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