表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超越神の世界旅行  作者: sena
第8章 外来宇宙編
172/266

169話 ヨルダウトの冒険

 sideヨルダウト


 ヨルダウトは魔界への(ゲート)を開いてもらい、魔界に赴いた。


 いくらヨルダウトでも、魔界の場所は知らない。

 行ったこともなければ、普通は行けないからだ。悪魔も魔界から出ることは原則として出来ない。何事にも例外はあるが。ベルゼブブのように。


「ここが魔界……ふむ。興味深いな。人間界より魔力濃度が濃い。それに、体が軽い?」


 魔界には魔力に満ち溢れている。

 そして、魔界に来て悪魔が強い理由が理解できた。


「環境からして全く違うな」


 空は赤く、いかにも、と言った感じだ。

 こんな魔力に環境に晒されれば、人間など数秒と待たず、発狂し魔界の環境に耐えることが出来る消滅するだろう。


 そう言うヨルダウトも、魔力が身体中に満ち満ちているのを感じられる。


「しかし、暴食の姫……一目見ただけで分かった、分かってしまった」


 ヨルダウトは、ベルゼブブと会っていた。

 レインと一緒にいるため、嫌でも会うことになるが、その時自分とは存在が違うと分かった。


 そして、レインに力を与えられ存在を引き上げられたヨルダウトは、贔屓目に見てもとてつもなく強い。与えられた力を理解し、使いこなし、今ではアシュエルと対等に戦えるまでに至っている。


 そして、レインの力は正確にはヨルダウトは分かっていない。とてつもなく強く、自分では絶対に敵わないと分かって入る。それに、レインの正体も知らされているため、納得もいっている。だが、納得しているのと完全に理解しているのは違う。その力の全貌を教えられているわけでも、理解しているわけでもないからだ。


 しかも、レインは常に力を外に出していない。

 要するに、傍から見ればただの人間に見えるのだ。美しいだけの。


 だが、ベルゼブブは違う。

 ただの幼女だがヨルダウトは解った。近付くだけで、()()()()、と錯覚してしまう程の威圧感、圧迫感。そして、王としての威風を感じた。それは自分も王だったために分かる。


「『(デス)』……ふむ、即死魔法は聞く、と」


 突如襲い掛かってきた下級悪魔に即死魔法を使う。

 悪魔と言う程だから即死系の能力は効かないかとも思ったが、きちんと効くようで少し安心していた。


「さて、ここはどこだ?」


 今更だが、ヨルダウトは魔界への道は用意してもらったが、それがどこへ続いているのかは知らされていない。

 それに、魔界は無法地帯、法も秩序もないと聞いていた。それでも、王がいるように国がある。そして、弱肉強食だとも聞かされている。


「まぁ、知能を持った悪魔に聞けばいいか……」





 それから、小一時間程飛び回った。

 最初は歩いていたが、飛んだ方がいいと思い、飛行していた。


「ん?あれは……」


 人型の悪魔を見つけ下降し、近付く。


「おい、貴様」

「ア゛ア゛?」


 濁ったような声を出しながら振り返る。

 人型と言っても人間のような顔ではない。悪魔と言える顔だ。酷く醜く、腕はブランと長く、爪は鋭く伸びている。


「ふむ。知能と言える知能があるかは判らぬが、一応喋れるようだな……よし、貴様ここはどこだ?」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!」

「チッ、少し期待したが下級ではそこまでの知能はないようだな」


 炎を飛ばし、燃やす。

 聞くに堪えない断末魔の声を聞きながら、背を向け歩み続ける。


「休暇を貰ったが、せめて集落程度ある場所に開いて欲しかったが……なんだ!?」


 その時、魔力の爆発を感じた。


「向こうに人……いや、悪魔がいるかも知れんな。行ってみるか」


 もう一度飛び、魔力を感じた方へ行く。

 上空へ上がった瞬間に火の手が上がっているのが見えた。そこへ、飛んでいく。


「争いか?」


 ヨルダウトが見たのは、悪魔と悪魔が殺し合いをしていた。

 殴って蹴って殴られて蹴られて。そんな原始的な戦いだ。


 さして知能がないのだろう。

 獣並みの本能的攻撃だった。


「やはり、下級悪魔は獣みたいなものか……ただ、威力が違うな」


 殴り飛ばすだけで、ボゴンッと音がし、地面が砕ける。

 そして、魔法で地面が抉れる。


「その力はさすが悪魔と言ったところか……しかし、普通に話せる奴がおらんぞ」


 悪魔以外にはおらず、その悪魔も四体だ。

 その四体が殺し合いをしているだけで、周りにも集落などは見えない。


「もっと、周りと見てみるか」


 そう言うと、また空を飛び、探索に向かった。


 それから約三十分後のことだった。


「なんだお前は?」

「おお、ようやく話せる悪魔と出会えたぞ」


 少しの感動を込めながら、ヨルダウトは言う。

 身なりのいい男悪魔だ。それに、少し遠くを見ると、建物がいくつも建っている。


「余はヨルダウト。近くに集落などあるか?」

「向こうに行けば、『色欲』の王が治める国があるぞ」

「ふむ。感謝する」


 男悪魔は国があると言う方角へ指を指す。

 短く感謝を述べると、ヨルダウトは飛び立つ。


 その時、男悪魔がニヤリと笑っていたことにヨルダウトは気が付かなった。


 悪魔がただで情報をそれも、見知らぬ相手に教えるなど、しかも、身なりがいいと言うことは、それなりに高位の悪魔だ。だが、悪魔事情をヨルダウトが知っているわけがない。


 ヨルダウトは魔界に来て初めて話せる相手に嬉しくなり、無意識で信じてしまった。


 それが吉と出るか凶と出るか、すぐに分かるだろう。






面白い!

続きを読みたい!

と思ってくれた方評価して貰えると嬉しく思います!

☆☆☆☆☆を貰えるととても喜びます!お願いします!!!

そして、評価してくださった方ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ