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超越神の世界旅行  作者: sena
第8章 外来宇宙編
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165話 食後の運動

 sideアシュエル


 アシュエルは、レインたちを食事をとった後、レインの弟子であるソフィアがいる場所を聞き、向かっていた。


 そもそも、この空間(食事をしていた場所)は、レインが自分のために創った異空間だ。自分のためと言うことは、そこには、戦いも入っている。そのために、空間の強度も高く、レインたちが戦っても大丈夫なようになっている。


 その空間は、いくつかに分かれており、それぞれが好きな場所を使えるようになっている。


 空間の一つ、ソフィアとシェダルハーダが戦っている場所へアシュエルは足を運んでいた。


「ん-と、ここかな?」


 何も言わずに入っていくと、爆風で吹き飛ばされそうになった。


「ばふっ!?なになになに!?」


 入口に張ってあった結界を通ると、爆風が叩きつけられ、その後に、極大の息吹が飛んできた。

 咄嗟に刀を出し、斬り裂く。


「いや、腕痺れたんだけど……」


 急だったため力が入っていなかったとしても、腕にまで衝撃が来るなんて思ってもいなかった。


「どんだけ、本気でやりやってるんだ?」


 モクモクと立ち込める土煙が風によって散らされ、徐々に戦いの様子が見えるようになる。


 そこでは、漆黒の剣を構えた少女と、真っ白い鱗に身を包んだ白龍がいた。

 ただ、少女の左腕は食い千切られたかのようで、白龍も体のいたるところに切り傷があった。


 しばらく睨み合っていると、白龍が白い光に包まれ着物を着た美女へと姿を変える。


「ここまでじゃな」

「そうですわね。神龍とは、初めてやりあいましたが、強い、ですわね」


 そう言って二人は握手を交わす。

 どうやら、戦いをへと仲良くなったようだ。


「じゃなくて、僕のこと見えてないっぽい」


 アシュエルのことに気が付いていないのか、気が付きながらも無視しているのか、どっちだとしても、反応されていないことは確かだ。

 だから、アシュエルは、近付いていくことにした。戦いも終わり、安全となったデコボコの地面を進んでいく。


「あなたは……アシュエルでしたわね」

「そう、僕はアシュエル。レイン様の弟子……になるのかな」

「そうですか。なら私の弟弟子ってことになりますわね」

「じゃあ、姉弟子?って呼べばいいかな?」

「姉弟子……中々いい響きですわ」

「姉弟子、今度は僕と戦ってくれない?」

「いいですわよ」


 いつの間にか、なくなっていた左腕も治っていた。


(わたし)はここでお暇なのじゃ」

「またやりましょう、神龍」

「シェーダで結構なのじゃ」

「分かりましたわ」


 シェダルハーダは、そのまま出ていく。


「始めようか」

「そうですわね。ルールはどうしますか?」

「ルール、僕は何でもいいけど……姉弟子はなんかある?」

「特にありませんわ」


 ルール無用の試合。

 何でもありのバトルだ。


「なら僕から……理を殺せ、明乃斬姫!」

「それは……神気、じゃないですわね。邪気と言うより、呪力と言った感じですか」

「そう、じゃ、行くよ!」


 一瞬でソフィアの真後ろに回り込み、斬りつける。

 今回は、明乃斬姫一刀しか使ってない。それも、別に手加減してのことじゃない。


 二刀流と言うのは、どういう時に使われるか。それは、基本的に集団戦など、敵が多い時だ。片手で持つ分一撃の威力に欠けるが手数が多くなる。


 だが、ソフィアが相手だと手数で押してもあまり意味がない、そう直感で思ったため一刀しか使っていない。


「はああっ!」


 すると、霞のように揺らぎ姿が消えた。

 アシュエルは、体を回転させ、真後ろに斬りつける。


「この程度には惑わされませんか」

「当たり前だよ」


 ソフィアが使ったのは、魔法でもスキルでもない、ただの体術だ。アシュエルもよく使っている、0から100への加速。それにより、一瞬だけの残像を作り出した。


 アシュエルは、さらに連撃を叩き込む。

 だが、全て弾かれる。


(アシュエル……確かにとてつもない才能ですわ。一撃ごとに成長、いや、進化していますわね)


 ソフィアは、アシュエルと剣を交え、その才能に触れた。

 思わず、冷や汗が流れそうになる程の才能だ。今では、自分の方が明らかに上。しかし、後数分剣を交えていれば、今以上に成長しているだろう、と確信してしまった。


「止まれ!……チッやっぱり、効かないか」

「魂縛……に近い魔法……精神じゃなく魂に直接働きかけるものですわね」


 呪言縛鎖、呪いの言葉で相手を縛る能力だ。

 そういった精神支配などの直接働きかけるものは、実力差がものをいう。格上には効かないってことだ。


 それでもアシュエルの場合は、()()()()多少効く。それが、数秒だけだったとしても。


「はっ!たぁっ!」

「っ……!」


 簡単に弾いているように見えるが、ソフィアもかなり神経を使っている。

 解放した呪刀は常に呪いを撒き散らしている状態だ。その黒い靄に少し触れるだけでも呪いを受けてしまう。

 そんな刀をブンブン振り回しているのだ。避けるにしても受けるにしても、呪いに触れないようにしないといけないからだ。


(貰った!)


 ソフィアが後ろに退こうとした時、足が動かなかった。


「いつの間に氷が?」

「ついさっきね!」


 一直線に首目掛け迫りくる刀を漆黒の剣で斬り上げる。

 その時巻き取られるようにされたため、もう少しで刀を手放してしまうところだった。


「ぐはっ」


 物凄い力で払われ、開いた腹を殴られる。

 その時、地面がアシュエルの足を固めていたため飛ぶことが出来ず、まともに喰らった。さらに、強引に氷を砕き、回し蹴りをする。


「がっ!?」


 まともに喰らい、固定していた地面も砕ける程の威力で蹴られ、吹き飛んでいく。


 地面に刀を刺し、強引に止まろうとするが、近付いていたソフィアが突きを放つ。


「アシュエルは隙を作りすぎですわ」

「うくっ……!」


 踏ん張り、刀で受け止め、鍔迫り合いの状況に持ち込まれる。

 あまりの力に踏ん張っている地面に足が埋まる。


「普段の時は全くと言っていい程隙が無いのにもかかわらず、態勢を崩されたり、虚を突かれたりすると、反射的に受けようとしてますわ。それでも、いいですが、相手によっては防御ごとや防御を躱して攻撃をする人もいますから、それに、受けるより基本的には避けた方がいいですわ」

「確かに……っそんなこともあったりするかな、くっ」


 ぐっと押し込まれ、さらに地面に埋まる。


『アシュ坊、しっかりしないかえ』

(そうだけど!この力半端なくてっ!)

『呪力を纏わせるのだ』

(呪力を?)

『魔力を纏わせる感覚でしてみるのだ』

(分かった……)


 突如話しかけてきた明乃斬姫の助言を受け、試してみることにする。


「何?」


 いきなり目を閉じたアシュエルに異様な雰囲気を感じ取り、距離を取るより、一気に決めにいった。

 その時、黒い波動がアシュエルの体から放出され、ソフィアが引き離された。


「それは……なるほど、呪神の力ですわね、また厄介な」

「正解……レイン様からもらったこの呪刀は、斬姫さんを封印した刀。呪神の力を使えるけど、まだ僕が未熟なせいで、権能を全ては使えないんだ」


 黒いオーラを纏ったアシュエルが恥じるように言う。


「さっきまでのようには、行かないよ!」








 sideレイン


 時は、アシュエルとソフィアが戦いを始めた瞬間にまで遡る。


 アシュエルたちとは別の空間にレインたちはいた。


「レイン様、私は、そこの娘としたい」


 そう言いながらアシュリーはレインに肩車されているベルゼブブを指差しながらいう。


「べるもいいよ」

「ベルがいいながらいいぞ」


 トンっと肩から飛び降り、アシュリーと一緒に歩いて行く。


「俺たちも始めようか」


 レインに言われ答えたのは、アドニスとアストレア、それとセバスだった。

 クリスティとエレインは風呂に行っている。なぜ?急に行きたくなったらしい。


「まずは私から攻めますので、アストレアは続いてください」

「了解した」


 セバスが拳を握り締め、駆ける。

 顔面を正確に打ち抜くストレートを顔を捻ることで避ける。だが、避けたところへアストレアの剣が迫る。


 その剣の腹を手で押す。

 セバスとアストレアが飛び退き、炎の波がレインを包もうと迫りくる。


 レインは、地面を踏みつけることで、衝撃波を発生させ炎の波を相殺する。


「剣よ」


 アストレアの一言で、アストレアの周りに何十本もの剣が現れ、浮いたままレインへ狙いを定めている。


「行け」


 浮遊していた剣が様々な軌道を描き、レインへと向かう。

 だが、当たる瞬間に魔力に戻され、分解された。


「『炎槍』」


 炎の槍がレインに向け放たれる。

 それと同時にセバスも走り出す。


「おお、それはさすがに今の状態だと危なそうだ」


 セバスの剛腕が唸りを上げて伸びる。

 最初と同じく顔を傾け避けるが、空気が焦げた匂いがレインの鼻につく。


 続いて放たれる拳を避けると、上から炎槍が降り注ぐ。

 それを、創った剣で弾く。


「ごふっ」


 レインを逃がさないようにセバスは攻め続ける。

 伸びた腕を掴み折るのと同時に膝蹴りを喰らわす。

 斜め上へ飛んでいくセバスの元へ転移し、踵落としで地面へ叩きつける。


 と、そこへ、炎球が飛びレインへとぶつかると爆発を起こす。

 爆風ごと閉じ込めるかのようにレインの周りを結界が覆い、アストレアが剣を一閃する。


 スパッと結界ごと真横に斬り裂かれ、再度爆発を起こす。


「そこにはいないから意味ないぞ」

「っ!?」


 アドニスの肩に手を置くと、ビクッとなりながらも、その身体から灼熱の炎が放出される。


「熱ッ……って俺に熱いと感じさせるとか、どんな熱量だよ」

「お褒めにあずかり光栄ですね」


 飛び退いたところへアストレアが間髪入れずに攻撃をする。


 その剣戟を全て、剣の腹を手で押すことで受け流していく。


 剣で怖い所はその鋭利な刃だ。

 剣の腹も峰も全く怖くない。だから剣の攻撃を受ける時は、向かってくる剣の腹を押せばいいだけだ。

 と言っても言うだけなら簡単だが、行うとなれば難しい。神速で向かってくる剣。常人なら視認すら出来ない程の斬撃速度を見切ることが出来る者なんてどのくらいいるだろうか。


 チラッと横目で、アドニスが攻撃に移ろうとしているのを見、アストレアの剣を摘まみ自分の方へ引く。


「がはっ!」


 無防備になったアストレアの腹を殴りつける。

 そして、手を上に振り上げ、下ろす。


 すると、攻撃をしようとしていたアドニスの体が地面に埋まる。


「ふぅ、準備運動はこれくらいでいいだろう?そろそろ始めようか」









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