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超越神の世界旅行  作者: sena
第7章 神の遊戯編
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160話 邪眼

 

 試合は呆気なかった。


 赤髪の男と青髪の男の戦いが始まると、赤髪の男は剣も抜かずに、トコトコとゆっくり歩いて行った。それに対して激昂しながらも冷静に魔法での牽制を行おうとした。しかし、その瞬間に、赤髪の男の姿が消え、青髪の男の姿も消えた。


 俺が見えたのは、行動の一連が終わってからだった。

 何が起こったのかは、分かった。

 赤髪の男が右腕を伸ばした状態で止まっていたからだ。


 単純に、近付いて殴った。

 それだけだ。


 それに、青髪の男も決して弱いわけじゃない。

 ただ、赤髪の男が強すぎるだけ。


 試合が終わると、上空に『2』とでかでかと表示された。


(赤髪の男は二番か。しかも、何の能力も見せなかった。ただの身体能力だけであそこまで……いや、強化系のスキルが大量にってこともあるか……)


 どっちにしても脅威すぎる。


「次だな」


 アシュリー様の声が聞こえると、次の対戦番号が表示された。


「俺の番だな」


 表示されたのは、三番と六番。

 その時、隣から声をかけられた。


「あんたが俺の対戦相手か?よろしくな!」

「ん?よろしく……?」


 思わず怪訝な顔をしてしまった。

 こいつ分かってんのか?どっちかが死ぬんだぞ?だから誰も声をかけあったり話し合ったりしていない。それなのに、しかも自分の対戦相手に声かけるとか、馬鹿か?


「俺はハル。君は?」

「俺は玲音だ。それじゃ行くか」

「おう!」


 明るい声で返事をする。

 そして、観客席から飛び降り、場内に降り立つ。


「さて、合図はどうする?」

「ううん。じゃあ、始め?」


 曖昧な開始の合図をするハルに若干戸惑うが、まぁ、すぐ終わらせよう。


「俺から行く……ぞ?」


 ハルが腰を下げ、走る態勢に移った瞬間、その首が落ちた。


 一瞬だけ鎖鎌を出し、伸ばして首を斬り落とした。そして、鎖鎌を消した。


(まぁ、見えた奴もいるみたいだけど。さすがに全員は誤魔化せないか)


 あまり自分の手の内を見せたくない。

 今までの試合と違って、観客席にいる奴らに見られているから。


 さっさと席に戻る。







 それから、数十分経った。

 二試合が行われ、四番と八番が死んだ。


 九番がエルフの女だった。

 何か突風が吹いて対戦相手だった四番が吹き飛んで終わり。


(やっぱ格が違いすぎる。生半可な強者じゃ太刀打ちすら出来ないなこれ……)


 次の試合は、一番と……俺?


「また俺か」


 一番は、女の剣を差しているから剣士か。


「合図はいらない。早く始めようか」

「あ、ああ。それはいいが……」


 凛とした声音で早く始めようと言う。

 剣を抜き、ぶらんと手を下げた状態で右足を少しさげ、腰を低くする。


「ッ!?(か、体が動かない!?」


 俺も動こうとすると、急に金縛りにあったように動かなくなった。

 指一本動かせない。


「全く動けまい。この邪眼の前では、何人も動けるものはいない」

「ッ……ぁ……」


 声も出ない。

『邪眼』と言われ目を見ると、確かに光っている。


(いや、そんなのあり?まじでそんなのあるの?どうしろと?俺、体が全く動かないのですけど?)


 馬鹿な考えが何個も頭に浮かぶ。

 ぶっちゃけ、現実逃避していた。

 だってこのまま、近付かれて斬られたら終わりなんだもん。


「……ぁ……ぐぁ……」

「今楽にしてやる」


 警戒しながら近付いてくる。


(せめて、なめてかかってくれるとやりようはあるかもしれんのに……あ、そう言えば、体は動かんけど、武器なら動くんじゃね?)


 それは突如降ってわいた可能性だった。

 早速行動と、魔力を流し、出現させる。

 周りにこの武器のことが分かるが、そんなこと今は考えても仕方ない、か。


「一撃で終わらせる」


 剣を振り上げ、勢いよく振り下ろす。

 その瞬間に、鎖鎌が顕現し、剣を弾きそのまま斬りつける。


「くっ!まさか、そんなものを隠し持っていたとは!」


 バックステップで下がり、いつでも動けるよう構える。

 それと同時に動けるようにもなっていた。


「チッさっきのでやりたかったけど、いきなり首は狙いすぎたか」


 首に手を当て、流れた血を拭う。

 首に一撃を入れたが浅かった。もう少しで大動脈を斬り裂けて勝ってたのに。


「もう一度!『邪眼』!!」

「うくっ……ッ」


 またかよ。

 目から外れれば、解けることは分かったけど、そもそもの対処法がない。視られれば終わりとか、どうしろと?


「はっ!」


 もう、近付かないようにしたのか、斬撃を飛ばしてくる。


(そんなことも出来んの!?クソッ弾け!)


 鎖鎌を動かし、いくつも飛んでくる斬撃を弾き飛ばしていく。

 今のところは、全てを弾いている。数個程、弾いたのが、顔の横を通って掠ったりとかもしたけど、なんとか大丈夫だ。


「はああっ!!!」


 今度は、線ではなく、点の攻撃に移った。


(突きも飛ばせんのかよ!?ちょ、ま……)


 目の前に鎖を回転されて防御する。


(ふう、あぶねぇ。こいつ対人戦だと危なすぎるだろ。自在に動かせる武器じゃなければ、すでに死んでるぞ)


 だけど、これには、弱点もある。

 目の前で回転させると言うことは、俺からも敵の姿が見えないと言うことだ。


 その時、ガキン!と鎖が弾かれた。


(俺まだ動けん!!!視界は遮られているはずなのに、動けんとはこれいかに?)


 そんなことを考えていると、もう目の前に女の姿があった。


(待て待て待て!クソッ!こうなったら……)


 魔力を全力で放出する。


「魔力障壁……だと!?」


 ガキンと半透明の壁に剣がぶつかり、火花を散らす。


(助かった……)


 第一ステージの時に、セリスから魔力の扱い方を学んだ。

 その時は、魔力で身体強化することは出来るが、魔弾と言う、魔力の弾丸は出来なかった。正確には、体の外に魔力を放出すると、霧散していく。よって、放出する系の魔力攻撃や防御は出来なかった。今回俺のやった魔力障壁などだ。


(ぶっつけ本番だったけど、上手くいって良かった。やっべ、初めてで勝手がわからんかったから、滅茶苦茶に魔力使ってしまった)


 魔力を一万以上も使って、ただの魔力障壁を作ってしまった。

 急速に抜けていった魔力のせいで若干体がだるい。


(ん?動ける?)


 邪眼の効果が薄れたのか、まだ動かしにくいが四肢はきちんと動く。

 ならば、と、全身に力を入れ、無理矢理動かす。


「っらああっ!」

「なに!?」


 魔力障壁のことに戸惑っていた女は咄嗟に剣を盾にするが、俺の鎖は自在に動かせる。

 剣をすり抜けるように曲げ、体に巻き付けながら、斬りつける。


 巻き付けるのは、念の為だ。

 これで決められなくとも、巻き付け自由を奪えば次の攻撃に活かせる。


 だが、その必要はなかったようだ。

 すでに、首にグッサリと突き刺さっており、大量の血を流している。

 ピクピクッと痙攣しているが、時期に死ぬだろう。


「邪眼とか、せこいっつうの……」


 吐き捨てるように言う。

 その時、大量の魔力が流れ込んできた。


 使った分の魔力は回収し、それ以上の魔力を得ることが出来た、と考えれば、まぁ、よかったんだが。


「死んだし、戻ろ」


 ジャンプし、席に戻る。


 残っているのは、二番、三番、五番、九番、十番、の五人だ。


(二番と九番は要注意、それ以外にもスキルによっては危険な奴もいるだろうし、さて、俺は生き残れるかね?)







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