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超越神の世界旅行  作者: sena
第7章 神の遊戯編
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153話 仲直り……?

 

 それから、セリスが目を覚ました。


 目を覚ましセリスが初めにしたことは、身を清めることだった。

 周りを見渡し、いつもの洞窟だと知ると、何も言わずに起き上がり、いつもの泉に向かった。


 俺は一応付いていき、近くで待機していた。


 まず、体を念入りに洗い、それから、自動洗浄のおかげで、すでに新品になっている服をゴシゴシと、手洗いしていた。その形相たるや、必死だった。


「それで、お話があります」

「なんだ?」


 洞窟に戻った俺は、正座をさせられていた。

 セリスも俺の前に座り、真面目な顔で話し始めた。


「なぜ、私のことを見捨てたのですか」


 口調はいたって静かだが、その言葉の端々から怒りが伝わってくる。


「ん?あいつは、お前を人質にしていただろ?」

「はい、それについては、申し訳ありませんでした」

「人質っていうのは、価値があるから役割として機能する。それは分かるな?」

「はい」

「ってことは、簡単だ。価値がないと思わせればいい」

「まぁ、理屈はそうですが……」


 俺の咄嗟の言い訳に理解したくないが、言い分は分かったのか、反論出来ずにいた。

 そこへ、続けて言う。


「それに、俺があいつをセリスごと殺そうとすると、咄嗟に自分の身を護ろうとするだろ?その時、セリスが邪魔になるはずだ。それは、セリスを殺してから……ってことすら隙になるほどの、な」

「確かに……」


 むぐぐ……と、口を固く結び、呻いている。


「だからこそ、セリスと俺は仲間じゃないって思わせたわけだ」

「むぅ……分かりました」

「そうなのだよ」


 うんうん。と俺は、頷く。

 セリスも納得はしたようだが、気持ち的には分かりたくないって感じだ。

 それもそうか、演技ってことで通しているけど、一度は思いっきり裏切ったわけだしな。それで、助かったとはいえ、容易に納得できることじゃないだろうな。


「まぁ、助かったからいいじゃないか」

「助けてくれたことには感謝します……しかし、やり方は他にもあったはずです!」

「その前に、お前は、俺に助けられたんだよな?しかも、二度も」

「うっ……た、確かに……」


 セリスが今生きていられるのは、何も、人質になっていたのを助けたからじゃない。

 セリスと一番最初にあった時から俺は一度セリスを見逃している。だからこそ、セリスは生きていられるわけだ。


「ってことで、この話は終わりだ。それより、これを見てくれ」


 そう言って俺は、残り人数の画面を見せる……が、人には見せれないことを思い出し、自分で見るように言う。


 そこには、残り14人、となっていた。


「14人!?どうなっているのですか?」

「つまり、後4人で終わるってことだ」

「でも、見つけられないかもしれないのでは?」

「それは、大丈夫だと思う」


 ここに来て、考えていたことがある。

 それは、遭遇率が格段に上がっていることだ。


 一週間俺が歩き回り、魔物と戯れていたのに、誰とも会わなかった。

 だけど、二週間目、セリスと会ってから徐々に人とプレイヤーと鉢合わせ、戦いになっていった。


 これは、ゲームと言っていた。

 ソナー……つまり、人を探索するような能力がガチャで、運でしか手に入らないとなれば、もちろん、それに対しての、何かの対処がされているはずだ。


 そこで、だ。

 バトルロワイヤルをしたことあるだろうか?

 バトルロワイヤルには、『アンチ』と言うものがある。時間が経てば、徐々に狭くなっていき、最終的には、勝者が絶対に決まるって寸法だ。


 そしてそれが、このゲームにも適応されていると思っている。

 一週間目は誰とも会わず、二週間目になれば、会えるようになってきた。三週間目にもなれば、かなりの人数が減り、今では残り14人まで減っている。


 俺が思っているのは、この森……ああ、めんどくさい。森か島か分からないけど、取り敢えず、無人島ってことにしよう。それで、この無人島が小さくなっているのか、移動できる範囲が縮小しているのかは分からないけど、とにかく狭まっているのだけは確かだろう。


 そのことをゲームの知識がないセリスにも分かるように簡潔に説明する。


「なるほど……確かに、それなら」

「ってことで、俺たちは今度こそ、ここを動かないでも勝手に終わると思う。あと数日だしな」

「そうですか……」


 俯いて何かを考えているようだ。

 俺としては、ここで別れを切り出されても、何も言えないんだけどな。

 それに、もしそうなれば、そこから俺とセリスは敵同士となる。つまり、俺が背後からセリスを襲ってもいいわけだ。と言うか、心の中ではそれを望んでいる部分もある。これまでで、セリスの力を知っている。まぁ、罠に簡単に引っ掛かってしまったりとしているが、その戦闘力は高い。


 俺と戦った時でさえ、裸で奇襲されたにも関わらず、しかも武器の優劣もあったにも関わらず、後一歩で俺が死んでいてもおかしくなかった程の激戦を繰り広げた。

 それから、セリスもガチャをして能力や武器を増やしているだろうし、益々強くなっているはずだ。


 そして、俺がセリスと敵対してもいいと思っているのは、その魔法が欲しいからだ。

『氷結』単純な効果だが、応用が()()()()()。つい最近知ったことだが、Bランクの魔法らしかった。それならその威力にも納得がいくってもんだ。


 セリスは元々、氷系の魔法を使っていなかったらしく、使い方をそのままに使っていて、応用などをあまりしていないため、気付いていない。でも、教えようとは思わない。もし、敵になれば厄介になるからだ。


 ってこともあり、俺は『氷結』魔法が欲しい。


「じゃあ、ここで数日待ちましょう!」

「……ん?」

「え?」


 勢いよく顔を上げ、そんなことを言う。

 俺の聞き返した声に、戸惑いの声を持って返した。


「(まじか……ここで別れてくれれば、これが役に立ったんだけどな)そうか……なら、しばらくここで過ごそうか」

「はい!」


 俺の左手首にある痣が僅かに光を放ちながら、収まった。

 セリスは、俺に対しての疑念を抱いていないようだった。理由や状況はどうあれ、二度助けられた事実は変わらない。だからこその切り替えだろうな。


 ちょっと残念だが、パートナーとしては、結構相性がいいみたいだからな。


「じゃあ、おやすみ」

「え?寝るのですか?」

「ああ、セリスをここに運んでから、俺寝てねぇんだよ……一応偵察しながら、セリスが終わるまで待ってたからな」

「それは、本当にありがとうございます。それでは、ゆっくり休んでくださいね」

「ああ」









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