13話 暴龍騎士団入団 中
すみません!まだ続きます!
主人公サイドはもう少しお待ちください!
それでは、どうぞ!
まず王城に連れて行かれ、俺のように選ばれた人がいるという部屋に案内された。
扉を開けると、とてつもない広さで1000人はゆうに入るほどの、それでいて柱や装飾の豪華さ、でも全く汚くないようにされている。
周りを見ると、だいたい3、400人程が集まっていた。人族や獣人エルフなどいろんな種族がいた。年齢も10代前半だと思われような少年少女もいれば、明らかに老人だと分かる者もいる。
しばらくすると、また人が集まってきた。
キョロキョロと見ていると入ってきた方の反対側にある5メートルはありそうな一際豪奢な装飾がされている扉が開いた。
そこから5人が歩いてきた。1人はアドニスという俺を勧誘してきた人だった。他にも美男美女ばかりだ。
「静かに」
白い髪をした男が一言言っただけで、あれだけ騒いでいた者たちがいっせいに沈黙した。
「今からレイン様が来られる。平伏しながら待て」
平伏しながらなど普通は見たこともない相手なため嫌な気持ちが湧くはずだが、この男から言われると全くそんな気が起きない。
少しすると、5人が来た扉から1人が歩いきた。
その人物を見ると、頭が身体が魂が震え、下げていた頭をもっと下げる。ミゲルを構成する全てがこの方には逆らってはいけないと言っている。
集められた者も、一眼見ただけで老若男女全てが頭を下げて恭順の意を示している。
「頭を上げよ」
その言葉で、頭はあげるが背は低くしたままにする。
「ここに来るまでに、説明は聞いているだろう?俺は、騎士団を作ろうと思っている。その名は『暴龍騎士団』。隊長は決まっているため君たちには団員になってもらう。だがそのままでは弱い、これから特別な空間で鍛えてもらう。……その前に、隊を決めようか。クリスティ」
クリスティと呼ばれた美女が前に出て説明する。
「では、説明しましょうか。暴龍騎士団は、7隊を作り100人で1隊とします。呼ばれた者は前に来て左から順に並んでください」
言われた通りに呼ばれた人から並んでいく。
そして俺の番になり、列に行くと、
「ん?おまえミゲル、か?」
「あ?おまえはジェイクか!」
同じケルベロス幹部のジェイクがいた。
「ミゲルも選ばれたのか?」
「そりゃそうだろ。この場に呼ばれたってことは全員が勧誘を受けているはずだ」
「でもまさかな、エルフまでいるとは思わなかったな」
「確かにな」
エルフは普段、どこかの森に住んでいてそこから出てこないって聞く。冒険者にもエルフはいるが、それは珍しい。
ジェイクと話をしていたら、全員が呼ばれ7列が出来上がっていた。
ミゲルは第一騎士隊に所属が決まった。
「並び終わりましたね。では、これから皆さんにはこちらで創った迷宮に挑んでもらいます。全部で50層あります。そこでは、何度死んでも生き返りますので安心して攻略してくだい。10層ごとにボスがいます。なにか聞きたいことがあれば『コール』と言ってください。念話で答えますので。最後にレイン様から」
「ここにいるのは、『圧倒的な才能』を持っているものだ。気付いていなくとも、いずれ気付くだろう。迷宮の中では時間の流れが違うため安心して励んでくれ。それと、これはプレゼントだ。アイテムボックスのスキルを与えた。自給自足で何ヶ月も篭ることになるだろう、宝箱も設置したため武器も防具もある。頑張ってくれ」
そう言われて、迷宮内と思われるところに飛ばされた。
1層と思われるこの場所には、森林で木が生い茂っている。
100人がこの場にいてどうしたらいいか迷っていると、誰かが声を発した。
「みんな!聞いてくれ!私たちは迷宮に今いるということだろう。なら、魔物もいるということだ。闇雲に動き回っても攻略出来ないと思う。そこで数人ずつのグループを作ろうと思う。幸い今は1列に並んでいる、前から5人ずつをパーティーとする。これだと公平だろう、今強いものが固まるのはやめた方がいいと思い提案したがどうだろうか?」
静かになり、みんなが一様に考えたりしている。しばらくすると1人肯定の言葉を発した。
「俺はいいと思う」
「僕もいいと思いますよ」
ポツポツと賛同し始めたら、それが広がりグループを作ることになった。
「ミゲル、ちょうど別れちまったな」
「そうだな、頑張れよ」
ジェイクとは別れることになり、挨拶をし自分のパーティーを見る。
「とりあえず自己紹介でもしないか?俺はミゲルってんだ。剣を使う。よろしく」
「いいですね。私は、アルフレド。歳は24歳です。火魔法と土魔法が得意です。貴族ですがあの方達の前では意味もないですので、アルフと呼び捨てで呼んで頂いて結構です。」
「僕は、イヴァンって言います!年齢は16歳です!斥候をしていたので罠解除が出来ます!武器は短剣を使います!よろしくお願いします!」
「私は、クロエと言います。回復魔法が得意ですわ。支援魔法も少々出来ます。アルフさんと同じく貴族ですが砕けた口調で大丈夫ですわ」
「うちは、グレースって言うっす!イヴァン君と同じく短剣が得意っす。脚には自信があるっすから囮などで活躍出来ると思うっす!よろしくっす!」
一通り自己紹介が終わった。この5人の中に貴族が2人もいたことに驚いたが、今まで会ってきたような傲慢な貴族じゃないことに安心した。実際にあのレイン様やその配下の方々を見て、感じれば歯向かうことが愚かに感じるから無理もない。
他にも、もう少し詳しくスキルやレベルなどを話し攻略するにつれての作戦を立てる。
「リーダーは誰が決めるっすか?」
「パーティーのリーダーってことですか?ならミゲルさんがいいと思います」
「えっ!俺か?」
「私もそう思いますわ。この中では一番強いですし、何より実戦経験を積んでる方が判断能力に長けてると思いますので」
それから、みんながミゲルがいいと言うので、リーダーはミゲルに決まった。
「よし!ならいつまでもここにいても意味ないし進んでみようか」
そう言い5人は、森に向かって歩き始めた。