142話 デスゲーム開始
俺の名前は、斎藤玲音だ。歳は16歳。容姿は上の中ってところだと思う。
なんでいきなり自分語りしているかって?まぁ、いいから聞いてくれよ。俺の日常から非日常の話を。
日の国と呼ばれている国で過ごしている。国の名前だけ変わっただけで、日本人と言うけど。
数百年前は日本って名前だったらしいけど、外国に戦争で負け、属国となったことで、変わったらしい。なんでらしい、って人ごとみたいかって言うと、基本的に何も変わっていないからっだ。属国と言っても少し、法律が足されたり、税金が増えたりしたくらいかな?
まぁだから、あんまり不自由したりはしてないんだ。だけど、常に思ってたことがある。「ああ~異世界行きてぇ~」って。
娯楽物、と言うか、漫画とかラノベとかアニメとか好きで、よく見ている。だが、重度のオタクってわけではないぞ?ほんとだぞ?ほんとだからな!
こほんっ。別にイジメられているとかいうわけではない。コミュ障でもないし、彼女もいたこともある。今はいないけど……。
それで、勉強も運動もまぁまぁいい方で学校生活も充実していたんだが、何かいまいちつまらないなぁと常々感じていたんだ。
そして今日も、学校帰りに友達と遊ぼうと学校の門を出たところで、真っ白の空間に飛んだ。
ん?意味が分からないって?俺も分からん!
いや、だって、友達と談笑しながら帰ろうとしていた時に、急に景色が変わったんだから。周りを見ても誰もいなくて、真っ白の空間。どこまでも続いていそうですぐそこで途切れているような。座っているのか経っているのかふわふわとした感じだ。
「おーーーーい!誰かいませんかーーーー?」
大声で呼んでみても反射もせず、虚空に消えていった。
「あちゃーこれってホントに俺だけ?しかも異世界召喚とかならいいけど、まさかこのまま放置とかないよな?」
若干の不安を感じていると、一瞬空間がブレた気がした。そして、それは、気のせいではなかった。
周りを見ると何十人もの人がいた。子供から大人まで。男女区別なく。
大体だが、下が15歳からで上は50歳くらいか?多分そのくらいの年齢の男女が集められていた。
(おおーーー!これこそ魔法とかいうやつだよな!でも、金髪とか緑髪とか日本人じゃないよな?あれ……それに、あのおじさんの筋肉ヤバ過ぎだろ、ドーピングでもしてんのかよ)
いろんな国の人たちが集められたんだと思う。
ただ、俺の見立てだけど、ここに集められた人たちの共通点って、『動けること』だけだと思う。なんでか分からないけど。
「ここはどこだ!!!」
早速一人叫んでいる。
まぁ、普通はそうだろうな。いきなり知らないところに連れて来られてそのまま放置されているわけだから。
「お前知っているか!?」
「し、知らねぇよ!」
そこで俺は疑問に感じた。
(あれ?全員日本語話しているけど……違う国の人同士だよな?……すでにこの訳の分からん空間に翻訳魔法とかかけられてんか?)
その時、天から光が差した。
天って言っても白い天井なんだけど、上からと言った方がいいかもしれない。
光の中から現れた人?を見て、思わず息を呑んだ。
あまりにも美しかったからだ。
この世の美を全て凝縮したかのような美貌に均等の取れた体。
「…………美しい」
誰が呟いたのか、もしかしたら俺かもしれない。
「貴様らには今からゲームをしてもらう」
美貌に見惚れ、その声に聞き惚れてしまう。
だが、ゲームと言う単語に我に返る。
(ん?ゲーム?異世界召喚じゃないのか!?)
思ってたのと違うことに、がっくりとしてしまう。
「こ、ここはどこなんだ!!!」
俺も聞きたかったことをあまりの美貌に呆然としていたけど、誰か知らない人が聞いてくれた。
「ここは、ただの待機所だ。そして、少し貴様らの疑問を解消しておこう。私は、アシュリー。主に使える者だ。そして、今から行うゲームは、文字通りの世界の命運をかけたゲームだ。貴様ら一人一人が別の世界の人間。つまりは、自分らの世界を代表してここにいると言うことだ」
え?それってつまり、俺の勝ち負けで世界がどうかなるってこと?え?まじ?
「このゲームで死んだ者は、その世界を消すことになる。生き残りたくば生き残れ」
「それって、私が負けたら、私の世界が滅ぶってことですか?」
「違う。まっさらに消えるその星から生命から何から何まで世界が一つ消える」
あまりのスケールのでかさに呆然とする。
俺の行動で世界が消える、とか……。
「な、何の権利があってそんなこと言ってるんだ!!!」
「そ、そうだ!」
そうだ、そうだ!と、騒ぎ立てる。
確かに、仮に相手が神だとしても、好き勝手に消されてたまるか。まだ、見てないアニメとかあるんだぞ!
「黙れ。自分の作ったものを残すも壊すも捨てるも自分の勝手だ。そして、ここにいる貴様らの世界は、問答無用で消え去る世界だ。それを、生き残るチャンスをやろうと言っているのだ」
続いて告げられた事実。
まさかの、俺の世界、大ピンチだった件について……。
「ゲームだと、言っただろう?ここに集められてた100人で戦ってもらう。つまり、殺し合いだ。そして、この中から10人のみが生き残れる。ただの戦闘ではない。能力や魔法をガチャで手に入れることが出来る。ステータスと言ってみろ」
そうだよ、これだよこれ!
「ステータス」
大声で言うのは恥ずかしいから、ボソッと呟く。
=============================
【名前】斎藤玲音 【GP】1000
【生命力】1000/1000 【魔力】1000/1000
【能力】なし
【魔法】なし
=============================
「これって……」
言われた通りにステータスを出す。
そこには、名前と生命力と魔力、能力と魔法、それと、GPって項目のみがあった。
ゲームみたいに力とか速さとかはないらしい。というか、なんか即席で作ったような簡素な感じだ。
「それは、他には見えない、自分だけだ。能力や魔法はそのまま、今まで使っていた奴もいるかもしれないが、使えないようになっている。ステータスの説明だ一度しか言わないからよく聞いておけ。生命力はそのまま自分の命を表す。これが0なれば死ぬ。魔力は0になっても死にはしないが、倦怠感を感じるだろう。そして、肝心の能力や魔法の手の入れ方だ。ステータスの右上に【GP】とあるだろう。それは、ガチャポイントだ。つまり、ガチャをすることで、能力や魔法を手に入れることが出来る。次にGPの入手方法だ。それは、簡単だ。生物を殺せ。それで、手に入れることが出来る」
まじか、そこでも、殺人を進めているのかよ……それにガチャって運じゃねぇか!
「ガチャは、1回100GP。11連が1000GPだ」
1回は11連が出来るように与えられているってことか。
「能力には、ランクがある。同じランクでも上のランクの方が強力だ。ランクは、下からD、C、B、Aとなり、一番上がSだ。もし、ガチャで能力が重複して出た場合、上のランクに上がる。どのくらいで上がるかは、各自自分で確かめてくれ。次に、武器武具類だ。これも、ガチャで手に入れることが出来る。武器類は、☆10が弱くて、☆1が強い。さて、説明はこのくらいでいいな?」
怒涛の説明が終わり、やっと一息つける。
何とか、分かった。
つまり、強くなるためには、ガチャをしないといけなくて、そのためには、誰かを殺さないといけない、ってことだろう?
「最後に、このゲームに生き残った者は、何でも望みを叶える。そして、得た力をそのままに元の世界に戻してやる」
それを聞き、あれこちから声が上がる。
俺も叫びたいくらいだ。
何でも望みをってことは、最強の力とかハーレムとか、いいのか?
「ガチャをする時は、『ガチャ』と言えばその画面が現れる。後は、分かるだろう?……期限は一ヵ月。もし、一ヵ月以内に10人が決まらなかったら全世界が消えることになる。そうなりたくなければ、頑張って殺すことだな」
言うことだけ言ったアシュリー様は、転移?で消えた。
ん?アシュリー様って?あれ程美しい女神を様付けして何が悪い!
アシュリー様が消えた瞬間、床が光を放ち、目を開けておられず閉じる。
「うっ」
光が収まり目を閉じると、そこは、森の中だった。
「ここはどこ……あっぶねぇ、そう言えば、全員敵だった。大声だして居場所がバレたら大変だな」
叫ぼうとしてやめ、早速生き残るために何が必要か考える。
「取り敢えず、何か武器とか必要だよな?でも、装備でポイント使いたくないし、能力ガチャを11連してみるか!……これだよこれ!俺が望んでいた楽しいことって!!!」
「ぎゃあああああああああ!?誰か助けてぇ!!!!!」
今、俺は、森の中を爆走していた。
sideレイン
「レイン様戻りました!」
さっきまでの威厳のある喋り方じゃなく、普段レインの前での喋り方に戻っている。
「お疲れ、アシュリー」
「あんな感じで良かったですか?」
「ああ、十分だ。人間ってのは、殺しに忌避間を持っている。でも、自分が殺される状況になってまで、それも護る奴は中々いない。それに、一度殺しをしてしまえば、タガが外れるし忌避間も薄れる。ようは、そういう状況に持っていけばいいんだよ」
「確かにそうですね」
「他にも同じ規模で100個ある。これで最低でも、9000の世界は消える」
レインは、1世界1人×100をさらに×100していた。
つまり、計1万の世界の運命が決まると言うことだ。
「それに、こいつら、今やっているのが、第一ステージだって、知らないんだよ」
ククク、と忍び笑いをしながら言う。
「これから、面白くなるな」
「そうですね!」
これから先、どんなことになるのか、知るものはあんまりいない。
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