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超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
133/266

129話 雷帝たる所以

 sideクリスティ


 クリスティは、上空へと上がっていく。

 雲と同じ高さまで上昇し、止まる。


「まずは、妾のフィールドを創るかな。『黒穣羅天』」


 手を上に上げ、力を使う。

 雲も少なく、晴天の青空だった空が、黒い雷雲に変わる。

 とぐろを巻くようにクリスティを中心として立ち込める。


『雷帝』たるクリスティからすれば、無から雷を創ることも出来るが、その場にある雷を操るのと、無から創って攻撃するのは、前者の方が楽だし、早く発動できる。

 そう言うわけもあって、雷雲立ち込めるこの状況を創ったのだ。


「敵のお出ましね」


 クリスティは目を細める。

 見た先には、三機のロボットが、空を飛び、この異常事態に対処しようとしているところだった。

 相対するべく、下降する。


「やぁ、ご機嫌用皆様。本日におきましては、今日この場が命日になることを悲しく思います」

「誰だ!?」


 急に現れたクリスティに驚き、戦闘態勢を取る。


「まずは、とにかく数を減らそうかな、『雷槍轟雷』」


 クリスティの周りに三本の雷の槍が現れる。

 槍と言うより、ランスに近い形状だ。

 まっすぐと、敵に飛んでいく。


「避けろ!!!」


 真ん中にいるリーダーと思わしき人物が命令を下すが、文字通り雷の如き速さの雷槍に二機が貫かれる。


「くそっ!自動追尾もついているのか!?」


 避けた先に回り込むように、雷槍が追尾する。

 最大速度で飛行しながら振り切ろうとするが、全く引き離せない。


(くそがっなんなんだあの女はッ!この俺が引き離せないとはな!)


 このリーダーは、速さには自信があった。

 その自分が本気と逃げ回っても振り切るどころか徐々に近づいていることに、焦りが募る。


「散れ」


 クリスティの再度の命令で、雷槍が、破裂する。

 無数の雷針となり、予測できない軌道を描きながら追いすがる。


「まずいッ避けれーーぐああああああああ!?」


 ロボットであり、全身を装甲で覆っているが、針は鋭くサクッと貫く。

 一つ一つは細く小さいが、その中に内包している雷は強力だ。たったの一本でさえ、ただの人間を感電死させることが出来るのだから。

 それを無数に突き刺された。いくら肉体改造され強力になっていても、耐えれるわけがない。


「これで……また来た、今度は五機」


 入れ替わるように、新たに五機が現れた。


「包囲せよ!」

「総員最大出力で殲滅せよ!」


 銃を構え、弾倉のところへ、緑色の液体を弾替わりに入れる。


「ってぇええええええ!!!」


 引き金を引き絞り、放たれる。

 それは、銃弾ではなく、レーザーだった。


 クリスティは、下降と上昇を繰り返し、裂ける。

 避け続けることがめんどくさくなったクリスティは、その場に止まり迎撃することにした。


 レーザーといっても出しっぱなしのものではなく、銃弾のように、小出しのタイプだ。

 クリスティの半径一メートルに入った攻撃は全て、上空より落ちる雷撃に全て防がれる。


「撃ち続けろ!!!」


 休む間もなく、様々な角度から移動しながら撃ち続ける。

 だが、後ろから撃たれても、背後に目でもついているかのように、クリスティは、完璧に防ぐ。


 あながちそれも間違いではない。

 黒穣羅天により、上空から地上のことは、()()()()()

 それはつまり、ナイフを手に姿()()()()()()()()()()()()()()にも気が付いていると言うことだ。


 姿なき敵が近付いたところで、敵の場所へ、電撃を放つ。


「ガアアアアアアア!?」


 不可視化(インビジブル)が解け、姿を現したのは、身長は180cmの全体的に細い印象の男だった。

 全身から煙を上げ、焼け焦げながら落ちていく。


「『不可視の外衣』を見破るだと!?」


 落ちていく男を見ると、その背中に破れているが、黒いマントが見える。

 そのマントが不可視化の効果を持っている科学武装なのだろう。


 そして、男一人しかいないことを考えると、そこまで量産出来ているわけではないようだ。

 不可視化と言っても光の屈折を利用したものだ。強烈な光を浴びせれば自然と解けてしまう程の程度の低いもの。

 量産出来ていたとしても、クリスティが相手では意味をなさないだろう。

 もしかすると、それが分かって入るため、投入していないのかもしれない。


「撃って撃って撃ちまくれ!!!」


 動揺を押し殺し、命令を下す。

 四方八方から雨のように押し寄せるレーザーの嵐に、クリスティは、周りに雷を走らせることで防御する。


「『雷獣』」


 周りの雷が形を成し、獣の姿になる。

 獅子、虎、狼など。

 総勢千にも上る雷獣の軍勢が現れた。


「くっ……!」

「どうする!?」

「とにかく撃ちまくれ!!!」


 無数のレーザーに貫かれた雷獣は、消えていくが、数が多すぎる。

 数十の雷獣が消え去っても、数百の雷獣が補充される。

 天から落ちてくる雷も雷獣となるのだ。

 この場において、クリスティは、無限に創り続けることが出来る。


「数が多すぎッうわああ!?助けてくれ!!!」


 いつの間にか、背後に出現していた雷獣に喰いつかれる。

 装甲を紙屑のように食い破り、肉にその牙が突き刺さる。

 雷獣とは、その名の通り、雷の獣だ。その体全てが高圧の雷で出来ている。牙で噛まれ、肉を食い破られれば、体内に直接雷を流しているのと同じだ。

 一瞬で脳を焼き切り、生命を維持できず死んでいく。


「うわああああ!?来るな!!!」


 一人が死んだことで、恐怖が伝染し、むやみやたらに撃ちまくる。

 フレンドリーファイアなど知ったことか、とばかりに撃ちまくる。


「おい!やめろ!むやみに撃つな!!!」


 一人冷静に止めようとするが、全く聞く耳を持たない。

 恐怖に支配された者は、簡単には正気に戻れない。


「『合成』」


 続けて魔法を使う。その場にいた雷獣たちが合体していく。

 三体五体、十体と合わさり数が減っていく。

 だが、一匹一匹の力は上がっている。


 一匹の獣が空を蹴る。

 声にならない咆哮を上げ、突進する。


「来るな来るな来るなアアアアア!!!!」


 迫ってくる一匹に狙いを絞り、撃つが、雷獣の発している力場に弾かれ、レーザーが逸れる。

 何度撃ってもその身に届くことはない。


 雷獣は飛び掛かり、首筋に噛み付き、食い千切る。


「残り、三機。全ての雷獣よ、殲滅しなさい」


 主の命令に従うべく、数が減っても数百の雷獣が一斉に飛び掛かる。


 それから制圧するには、十分もかからなかった。

 飛び回り逃げようにも、追いつかれ、尻尾を撒いて逃げようにも、追いつかれ、迎え撃とうとしても、攻撃は一切効かない。


「『雷剣』!」


 咄嗟に雷剣を創り出し、攻撃を斬り払う。

 飛んできたのは、レインの創り出した八岐大蛇の炎弾だ。

 巨大な存在を感じ、目を向けて見れば、都市一つを飲み込もうかと言う程巨大な体躯の大蛇がいつの間にか現れていた。

 八つの首をもたげ、一点を睨みつけていた。


「あれは、レイン様の『創造』……まさかこの世界で、龍の創造を……?」


 クリスティは、レインがまさか自分で戦わず、創造した生物を戦わせるとは思っていなかった。


 パチンと指を鳴らすと、残っていた雷獣が雷に戻り消える。


「おっと……」


 突然地震が起こる。

 ビルが横に倒れ、その下から大砲が上がってくる。


 全部で十八門。


 銃口にエネルギーが集まり、放たれる。

 照準はクリスティに合わせられている。


「粒子砲……」


 二本の雷剣を交差するように、受け止める。


「電磁粒子砲……それが雷なら妾には効かない」


 雷剣に吸収されていく。

 徐々に威力も落ちていった。


「再充填には時間がかかる、っと。なら、紫電よ」


 紫色の雷を天から落とし、砲台を破壊する。

 ピッタリの十八の紫電が地面に砲台に落ち、爆発を起こす。


 クリスティが、雷撃をよく使うのは、わざわざ無駄に能力を使わなくても威力もあり扱いやすいからだ。雷剣は近距離用としてよく多用しているが、それ以外は天から雷を落とす攻撃をよく使っている。


 雷とは本来、天から地面に向けて落ちる。

 それに当たるだけで人間は感電死、そうでなくても後遺症が残る程強力だ。

 そして、クリスティの雷撃は自然の雷の数倍の威力、それも抑えた状態で、だ。


 クリスティの考えからすれば、「一撃で倒れないなら百、千の雷撃を落とせばいいじゃない」そんな脳筋思考によるものだ。


 つまり、無駄に技を使わずとも強力だと言うこと。

 そして今も、砲台に落としただけだが、周りを巻き込み、地面を穿っている。


「到来せよ、神を穿つ槍」


 手を天に掲げ、喚ぶ。

 雷雲を裂き、一本の槍がクリスティの手に収まる。


「それっ」


 ぐぐぐっと腕を引き絞り、槍を投擲する。

 バチバチッと放電し、紅い禍々しい雷光を出し、光速を超え飛んでいく。


 クリスティが狙った場所と言えば、この都市全土。

 都市の中心目掛け投げつけたのだ。


 結果どうなったかと言うと、槍が着弾した瞬間半径数キロが吹き飛んだ。

 都市にいる住民やビル家様々な建造物が全て破壊された。


 クリスティを陰から狙っていた者もクリスティに今から突撃しようとした者も、逃げようとしていた住民も一切合切消えてなくなった。


「あ、まずい。力入れ過ぎたかも……」


 力を予定より入れ過ぎていた。

 そのため、地面で止まるはずだった槍は、地盤を貫通してしまった。


「まぁいいかな。それに、向こうも……」


 レインの方を見ると、八岐大蛇が一体倒され、五体に増えているところだった。

 先の一体より小さいが十分大きな八岐大蛇が現れていた。


「そんなに創られるとは……せっかくこの都市を吹き飛ばしたのに、今度は、踏みつぶされる。可哀そうに」


 核爆弾の如き攻撃の次は圧倒的重量による踏みつけ、サルワンド側からすれば、悪夢だろう。


 だが、まだ終わらない。残っている人民も戦おうとしている軍や魔導騎士も日本より発展した科学をもってしても、圧倒的力の前には、無力だと言うことを、すぐに知ることになる。










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