127話 ガ〇ダム見参!!!
今回は、レインから先に書いてみました!
次もレインを書くかも……?
ああ、今日も世界は美しい。
空は、真っ黒の雷雲が立ち込め、雷が迸り、ゴロゴロと鳴り響いている。
今にも落ちてきそうだ。あ、落ちた。
地上に目を向けると、爆発がいたる所で起きている。
地面にクレーターが出来る程の威力だ。
三十階はあるビルが何棟も倒れ、逃げ惑う人々の阿鼻叫喚の悲鳴が心地いい。
少し上に目を向けると、空中戦をやっているロボットが数体いる。
肩からミサイルを手に持っている剣からレーザーのように伸びる刀身は、ビルを輪切りにしている。
ああ、創造主よ、こんな素晴らしい人々を創ってくれたことを感謝します。
「あ、それ、俺だったわ」
うっとりとした表情で、レインは、上空から戦いの場を眺める。
こうなったのは、ほんの数十分前。
科学が世界を制する世界、第1600世界に行った時、凄くガ〇ダムに似たフォルムのロボットが上空を飛びながら警備していた。
それを見て、レインが、「面白い」と思ってしまった。
ゆっくり近付いて、「やぁ、お元気?何してるの?ガン〇ムだよね?」とか、とてもフレンドリーに話しかけたら、注意とか警告とかなしに、ミサイルを間近でぶっ放してきた。
それから、とてもでかい、この国全土に響くサイレン音が鳴り出して、どんどんレインの元に集まってきた。
そして、冒頭に戻る。
「貴様!お前たちが、神が言っていた侵略者たちか!」
「ああ、はいはい、そうですよ~」
「ふざけているのか!?」
レインの前に飛行しながら、ビームソードを構えながら言う。
声からして十代の女性だろう。
緑色のビームソードをブン!ブン!と振り周り、怒鳴る。
それに対して、レインは適当に返す。
「はぁ、なんだって俺のところに、こんな雑魚が……」
「雑魚だと!?私のことを雑魚だと言ったのか!?私は、魔導騎士第四席、バルフィリーネだ!」
「あ、そうそう、魔導騎士って何人いるんだ?」
「ふっ、私たち魔導騎士は、総勢三十人だ!」
鼻で笑い、自慢げに答える。
三十人のうち、四位だと言う、遠回しの自分は強いという自慢だろう。
「あっそ」
対してレインは、どこまでも淡泊に答える。
「魔導騎士を愚弄することは、許さん!!!」
そう言い、ビームソードを構え突撃する。
「はぁああああ!!!」
上段に振りかぶった瞬間、ヴォン!と刀身が伸びる。
「何メートル伸びるんだよ……」
レインは、呆れたように言う。
ビームソードは、十メートルは伸びているだろう。
それなのに、全く重さを感じていないようだ。
レインは、片手を上に上げ、ビームソードを受け止める。
透明な壁に阻まれたかのように、掌に到達する前に止まっている。
「なに!?」
驚愕しながらも、すでに次の攻撃に移っている。
「しっ!」
バルフィリーネは空中を蹴って加速する。
足裏から圧縮した空気を一瞬で放出することで、空中を蹴ることが出来たのだ。
科学でもここまで進めば、魔法と似たような効果を得ることが出来る。
(ソードの威力は、まぁまぁ。速度は、音速程度…………対して強くないな)
刀身はいつの間にか元の長さに戻っており、柄の方をレインへ向けて駆ける。
「今度は、柄からビームか?」
「ッ!?」
なぜわかった!?と驚愕の表情を浮かべるが、すでに、攻撃する瞬間までになっており、やめられない。
そして、柄の部分に緑色の光が集まり、そこから高火力のビームが放たれる。
「ふーん、これならさっきの長いビームの方が、威力が高かったぞ」
「はあ!!!!」
ビームは、レインの目前で弾け飛んだ。
だが、読まれていたかのように、柄をクルッと回し、そのまま斬りかかる。
「ほいほいっと」
「くそくそくそ!なぜ、この熱波動を耐えられる!?」
ビームとは、そこまで威力がないような見た目だが、それは違う。
超温度の熱の集合体だ。だからこそ、ビルを斬る。と言うより、焼き斬る、と言う表現があっているだろう。
実際、斬れたビルを見ると、ガラスが熔け、液体になり、固まっている。
「高々、千度くらいだろう?なら、熱くも温くもない」
「なら、これでっ!」
柄の下の部分を回す。
すると、ビームの色が青色に変わり、心なしか、ビームの形が少し崩れたように感じる。
「このモードにすると、とても負荷がかかるが、その分さっきの数十倍の威力だ!」
ビームソードの安全装置を外した。
それによって、火力は跳ね上がったが、ビームソードにかかる負担も相当だろう。綺麗な棒状の形をしていた刀身も時々、ジジとブレている。
セーフティを外したとなれば、長期戦はしないだろう。
レインの予想通り、攻めが激しくなった。
レインが、わざと受けずに避けたのを見て、これなら、行ける、そう思ったバルフィリーネは、どんどん激しくビームソードを振り回す。
「はっはっはっ……!これだけ、やっても、一撃も当たらないとは、どうなっている!?まさか動体視力が、超強化されているのか!?」
「あ、あーそだね」
突然めんどくさくなったレインは、ギャク漫画なら鼻でもほじりながら言っているだろう。
「さっきから避けてばかり!攻撃力は全くないんだろう!?」
見当違いも甚だしいが、バルフィリーネの価値観ではそう思っている。
何かに秀でていると言うことは、何かが劣っていると言うことだ。
オールラウンダーと言った言葉があるが、それは、全てにおいて、平均以上で出来るというだけだ。特化した人には、勝てない。
それは、科学であっても同じだ。
ビームソードがいい例だろう。
火力もあって、耐久力もあるが、一定以上の威力は出ない。
だが、セーフティを外すことによって、火力を上げることが、出来る。だが、そうすれば、火力は上がるが、耐久性が下がる。何かを上げれば何かが下がる。当たり前だろう。全てを最強に、とは、望み過ぎだろう。
「仕方ない……か」
「どうした!攻撃してこないのか!?」
レインを挑発するように、言う。おまけにニヤケながら。
それに、イラっと来たレインは、一瞬で距離を詰め、腹に拳を練り込む。
動体視力もとても強化されているはずのバルフィリーネでさえ、影すら捉えることが出来なかった。レインが消えたと感じた瞬間、腹に穴が開く程の衝撃を感じ、吐瀉物を撒き散らす。血とゲロを。
ロボットに守られていたが、その外装を砕き、バルフィリーネを殴る。
そのまま、逆の手で、同じ場所に掌底を喰らわす。
「がっは…………!?」
息が詰まり、呼吸が止まる。
掌底を喰らわしたのは、纏っている外装を破壊するためだ。
バラバラになったロボットが地面に落ちていく。
それと同時に、飛ぶことが出来なくなったバルフィリーネも重力に従って落ちていく。
「ふん、その程度で粋がるなよ雑魚が」
ふんっと鼻を鳴らし、ムシケラを見る目で落ちていくバルフィリーネを見る。
「それより、ワンコは…………お、いたいた」
ワンコーーガルムがどうしているかを探し、見つける。
「おお!綺麗に落ちてくる瓦礫を避けて、喰らいに行ってる。って、あいつ瓦礫を避ける気は全くないな」
ガルムの一匹が瓦礫などの障害物を避けずに、体当たりで障害物を排除している。
迷わず人がいるところに向かって言っているのは、ヨルダウトと同じ、『生命探知』が出来るからだ。生きている生命が多く集まっているところ目掛け一直線に走って行き、見つけたら一撃で食い殺している。
「やっぱり、こういう世界だと、市民を護るのもきちんと考えているな」
上空から見ているレインは、人がたくさん集まっている一区画が地面を裂きながらせり上がる。
瞬く間に防護壁が築き上げられ、頑丈な建物になる。
避難場所だったのだろう。
防護壁の周りをぐるっと武装した者たちが囲んでいる。
その時、レインは殺気を感じた。
「ん?」
左後ろ辺りで、何かが弾けた。
「狙撃……か?」
眼を凝らして見てみると、遥か遠くの五十階はある一際頑丈で未だに倒れていない高層ビルの屋上にスナイパーがいた。
対物狙撃銃を構えた狙撃手が次弾を撃つところだった。
レインとの距離、三千メートル越え。普通の狙撃銃と普通の狙撃手では、レインに当てることすら出来ないだろう。
そして次弾が発射される。今度は、二発同時にだ。
「それ、連射も出来るのかよ。狙撃銃の概念壊れてんじゃねぇか」
飛んでくる狙撃弾が紫色の軌跡を残しながら空を駆ける。
それをレインは、手で握り潰す。
スコープを覗いている狙撃手が驚いているのが、レインの眼にはしっかりと映っている。
「なんか今度のやつ、妙なのかかっていたな。異様に細い弾丸だし、貫通特化の弾丸か?」
握り締め粉々になった弾丸を、パラパラと落としながら言う。
「向こうが銃を使うなら俺も使うか」
手に拳銃を出し構える。
「バン!…………ってな」
対して照準を合わせずに、引き金を引く。
発射されたのは、極小さな弾丸だ。9ミリ程の普通の拳銃の弾丸だ。
ライフル弾に比べれば、天地程の差があるが、レインの魔力により強化された弾丸は、狙撃手が放った特殊加工弾よりも何十倍も強力だ。
一瞬で、狙撃手の元まで到達した弾丸は、狙撃手の額を正確に貫く。が、そこでレインの攻撃は終わらない。額を貫通したところで、弾は止まり、魔方陣が展開される。陣が回転しだし、陣をゆっくりと弾丸が通る。回転したまま魔方陣は、上空へと上がっていき、直径10メートルの巨大魔法陣を形成する。
レインは、もう一度引き金を引く。
すると、魔方陣から弾丸が無数に出現する。
空を埋め尽くす程の弾丸が、ギュルルルルッ!と回転しだす。
そして、一斉に地面に向け、放たれる。
「弾丸の雨、その小さな弾丸にミサイルの如き威力があるぞ。頑張って耐えてみろ」
レインの言った通り、地面に着弾した弾は、地面に少しめり込み、地面を抉るように爆発を起こす。
ガルムは、それを軽く避けて人に喰らいついていく。
クリスティとアシュエルは、自分の相手を見つけ楽しんでいるようだ。
避難場所にも着弾しているが、ボコッボコッと少し削れるだけで、耐えている。その周りを囲んでいる軍は、盾を上に構え耐えているみたいだ。
その盾も特殊加工のされている、ミサイル程度なら耐えれるようだ。
「って、ミサイルすら耐えれる盾ってなんだよ。科学でどうにか出来るとか、魔法がないと頑張るなぁ」
魔法がないからこそ、科学が発達したのだろう。
「まずは、あそこを破壊するとするか……」
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