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超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
130/266

126話 第1600世界

この作品で、『魔術』『魔法』『魔導』と言った単語が出てきますが、その世界によって意味合いが違うので、その都度、書いていこうかな、と思っています。


ちなみに、レイン側ですが、『魔術』と言うのは、よくある演算能力だとか、演算によって使うもので、『魔法』がイメージ力と言った感じで、『魔導』は、より世界に影響を与える、魔法のより強い、上位互換的な感じで考えています。

(これらの設定は、後に変えるかも知れません)

 

 第1600世界。


 その世界は、科学がとても進んでいた。

 魔法もあるが、魔法使いはほんの一部だ。


 場合によっては、異端者や悪魔の使いとも呼ばれていた。


 サルワンド王国。

 最大にして最強の科学国家だ。


 国防軍と呼ばれる騎士団のような国を護る組織が、最近になって、慌ただしく動き回っていた。


「なぁ、ケール。最近軍のやつら、やたら厳しくないか?」


 ケールと呼ばれた三十代程の男は、ビールを喉に流し込み、口を開いた。


「ぷはっ……どっかと戦争でもするんじゃねぇか?」


 すでに、ビールの缶が10本は机に並んでいる。

 頬も赤くなっているが、あまり酔ってはいない。

 口調もしっかりしているし、目の焦点もあっている。


「んなわけないだろ……サルワンドに戦争吹っ掛けるとか、馬鹿じゃなければやらんだろ」

「なら、馬鹿だったんじゃね?」

「はぁ」


 次のビール缶を開け、呷るように飲む。

 酒ばっかり飲み、話をまともに聞こうとしないケールに、ケールの友人ラッケがため息を吐きながら自分もと、ビール缶に手を伸ばす。


「大体、サルワンドとやったっていいことないだろ?前だって、馬鹿な国が一方的に宣戦布告してきたけど、兵を無駄死にさせただけだったろ」

「ああ~そんなこともあったな~」

「それにな、今までは、都市から出る時、市民認証だけだったけどな、この前行った時、軍の奴らもいてな、一人一人直接調べてたんだ。普通そんなことあり得んだろう?今は科学で個人識別とか容易に出来るってのに」

「なるほどな~。なら、相手が人間じゃないとか?」

「神様って?」

「この世界にも、創造神がいるだろ?」

「それってほんとなん?確かにこの国にも宗教ってあるけど、神っているのか?」

「らしいな、上の連中は信じてるらしいぞ」


 科学が発達した世界のため、魔法なんていう『不思議な力』に対して、否定的だ。

 それに、超常の存在『神』と呼ばれる者の存在すら一般市民はあまり信じていない。


 だからこそ、魔法使いが異端と呼ばれる理由でもある。

 それに、『魔法』に近しい『技術』がある。


『魔導技術』と呼ばれる、技術によって魔法のような効果を及ぼす機器を造り出している。

 軍の人間も、何かしらの魔導的武器をもっている。


 そしてこの世界には、『魔物』と言った人間以外の種族がいない。


 正真正銘の人間だけの世界だ。(動物などはいる)


 簡単に言えば、日本をもっと進化させ、近未来のような感じだ。

 車は空を飛び、電車は空を走る。


 よって、魔導技術は何のために使うかと言うと、無論、()()()()()()だ。より簡単により楽に殺すための技術、それが魔導技術。


 そして、国を護る正規軍が国防軍なら、非正規の軍もいる。

 その名も、魔導騎士。

 分かりやすく言えば、ロボットに乗って戦う人間たちのことだ。

 ロボットと言っても、大きくはない。全長2.5メールから3メートル。人が乗り、操縦して戦う。防護壁(シールド)と呼ばれる不可視の結界を纏っているため、普通の重火器程度では傷をつけることも出来ない。


「で、ケールは、神がいたとして、俺たち人間は勝てると思うか?」

「勝てるんじゃね?魔導騎士たちって人間辞めてるし」


 魔導騎士に乗る人間は、普通の人間じゃない。

 肉体改造を行い、魔導騎士の機械に耐えうる身体(からだ)を手に入れている。身体能力も普通の人間の数倍。なかには、数十倍と言ったものもいる。完全に超人の域だ。


 もちろん肉体改造を受ければ、魔導騎士になれるわけではない。

 肉体改造が成功する確率は、約13%。

 成功はしないが、生き残る確率、約16%。

 それ以外は、死ぬ。

 生き残ったとしても、何かしらの後遺症が残り、残りの人生満足に生活すら出来ないだろう。


 だからこそ、成功した後の恩恵は大きい。


「そりゃそうだよな。フィクションがフィクションじゃなくったし」


 日本にもある、漫画やアニメと言った空想の出来事、拳一つで地面を陥没させたり、新幹線並みの速さで走ったり、そう言ったことが、魔導技術のおかげで、非現実ではなくなった。

 さすがに一般市民にまで、使えるようにはなっていないが。

 日本でも、拳銃はあるけど、普通の人が持っていてはいけないだろう?それと同じだ。


「でも、神様だぜ神様。国一つ滅ぼすことも出来るんじゃね?」

「ハハハ!そりゃないだろ!魔導騎士の人でも、一人で国を相手には出来んだろ?いくら神様って言ったって、あの化け物みたいな騎士の奴らが、出来ないことは出来ないんじゃないか?」

「確かにそうかもな」


 もちろん市民にまで、魔導騎士の力の全部を正確に伝えているとは限らないため、と言うか、絶対と言える程何かしらの機密は隠しているだろ。


「それで、話し戻るけどさ……何を相手にするんだ?」

「だから神様じゃねぇのって……」

「そうじゃねぇってば!ちゃんとした現実問題だ!神なんて不可思議な存在じゃなくて」

「知らんよ。ドラゴンとか?」

「ドラゴンとか、それこそ空想じゃねぇか!」

「確かにな」


 異世界定番のゴブリンさえもいない。なら、もちろんドラゴンもいない。

 犬や狼は存在しても、それも普通の動物だ。

 魔物の狼はいない。


 ただ、魔導兵器として、『機械龍』は存在している、いや、()()()()()()。ミサイルや爆弾見たく、殺戮兵器としてだ。

 遠隔操作も出来、無人で動かすことが出来るため、大量に生産されるかと言うと違う。

 まず、生産コストがバカ高い。一機造るのに国家予算の二割程。とても何機も造っていられない。

 そして、魔導騎士の方が強い。小回りも利くし、小さいため、被弾率も低い。機械龍の方は無駄に大きく、速さは電車程で、力も強いが、狙われやすい。いくら、硬いとしても、ミサイルを何発も喰らえば、さすがに落ちる。

 使いどころとしては、広い範囲を一気にやりたい時、または、単なる見栄としてだろう。


 つまり、あまり役に立たん。


「新型兵器も造られたって話だし、絶対にまけんだろ」

「それもそうだな!なら、まだ見ぬ敵に向けて……乾杯!!!」

「乾杯!」


 お互い、カツンと缶度同士を当てる。


 だが、まだこの時は、いつも通りこの平和な日常が続くと信じていた。

 サルワンドが負けるはずがないと。

 例え、空想上の超生物である、ドラゴンが現れたとしても、最強の人間集団、魔導騎士の皆が負けるはずがないと。


 それが、裏切られるのは、すぐのことだった。







 sideレイン


 レインの前には、いつもの配下が揃っていた。

 レインは、一度周りを見渡し、口を開く。


「次の世界は、四桁の世界だ」


 数字が大きければ大きい程、レベルの低く、創られて新しい。

 四桁の世界と言うのは、全世界から見れば、上位の世界だ。


「第1600世界。科学が発達した世界。それに、世界人口がとても多い、殺し放題だぞ」


 レインは、冗談めかして言うが、全く冗談に聞こえない。

 殺戮を好む配下もいるのだから、冗談とも言えないところもある。半々と言ったところだ。


「日本のように、神は下界に干渉せず、力も与えていない。だが、大量殺戮兵器を量産しているみたいだ。まぁこのくらいでいいだろう。今回行くのは、クリスティ、アシュエル、そして、アドニスだ。それと……ハク」


 レインが喚ぶと、レインの前にシュンと現れる。

 今までどこにいたかと言うと、アリスティアを消す前から修練のためレインが創った空間に入れられていた。と言うより、忘れ去られていた。

 だが、ガルムをペットにした時に思い出し、慰めの意味も込めて、今回の旅行(世界侵略)に参加させたのだった。


「他はお留守番だ」


 レインとしては、全員で行ってもいいと思っているが、過剰戦力過ぎる。一人一人が楽しむためには、数人で行った方がいい、そう言うことで、今回のメンバーが選ばれた。


「早速行こうか」

「レイン様。あのペットは使わないので?」


 クリスティの言うあのペットとは、ガルムのことだ。


「もちろん使う。そのために、わざわざ戻ってペットにしてきたわけだからな。それに、第1600世界には、魔物がいないらしい。人間だけのため、発展したんだろうな」


 外敵、魔物と言った、知性のない相手からの攻撃がないからこそ、だろう。

 人間同士の戦争は、基本的に、宣戦布告をしてから、決まったルールがある。

 例えば、一定以上が死んだらそこで終わったり、だ。

 相手が魔物だとしたら、自分が死ぬまで襲い掛かってくるため、人間たちも魔物を殲滅しないと終われない。


「魔物がいないなら、ただの大きな狼だと思うだろうな。そして、都市に向けてガルムを放つ。俺たちが出るのは、その後だ」

「了解しました」

「ハク」


 レインは、ハクに転移門を出すように言う。

 ハクの毛並みのような白色の門が現れる。

 第1600世界の座標は、ハクも理を外れた時にレインから与えられていた。


「それでは、お気を付けて、楽しんで来てください」


 セバスが腰を折り、言う。

 レインは、手を振るだけで、転移門に入っていく。

 その後を追うように、クリスティとアシュエル。最後にハクが入った後に、門が閉じた。










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