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超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
123/266

120話 シェダルハーダさんを解放しろ!!!

やっぱ戦いのシーン楽しいですね

 sideレイン


 王城の一室に戻ったレインは、早速白狐のことをどうするか決めようとした。

 狐のことは狐に任せる。


 というわけで、九華第四席の雪那(せつな)に任せることにした。


「ってなわけで、召喚っと」


 転移陣を出し、召喚する。

 現れたのは、明るめの紫色の着物を着た狐耳の女性だ。

 尾は九本。九尾だが、それは、戦いに使うため尾が多い方がいいだろう、ってことで生やしているだけだ。


「あれ?主様ではないですかぁ。どうされたんですぅ?」


 間延びした声で話しかける。


「ちょっとな、こいつの面倒を見てくれ」

「こいつ……?おぉ、天狐なんて珍しいですねぇ。それとお久しぶりですぅ、輝夜さん」

「お久しぶりです」


 着物美女の微笑み。

 お互い似合っているし、万人が魅了されるほどの美貌を持っているため、その笑みの破壊力と言えば、凄まじい。


「なんだ貴様は!」

「口が悪いですねぇ」

「そうなんだよ。神使だったらしいが、主殺しでな。面白そうだから連れて来た」

「もぅ、また、変なのッれて来たのですかぁ?」

「ああ、輝夜と同じ場所に入っててな」

「あらぁ」

「早く解放しろ!!!」

「うるさいですねぇ」


 どこからか扇子を取り出し、一振り。

 白狐が突然地面に平伏す。

 雪那がやったことは、単純だ。重力で上から押さえつけただけ。


「ぐぁぁああ……うぐぅ」

「静かにしてくださいねぇ」

「では、頼んだぞ」

「はいぃ、任されましたぁ」


 扇子を再度振り、転移陣を出し、その中に消えていった。

 それと同時に、扉がバンッと勢いよく開く。

 無礼にも入ってきた人物は、赤髪の少年だった。


 レインの元までズカズカと歩き、目前でビシッと指を指し口を開く。


「お前がレインか!俺と決闘しろ!」


 レインからは何もしていないのに、ここまで敵意を向けて来た人物はどれだけいただろうか。


「なぜだ?」

「お前がシェダルハーダさんを奴隷としているからだ!」

「ん?」


 何か話が食い違っている気がしたレインは首を傾げる。

 シェダルハーダを奴隷。あながち間違っていないような気もしないでもないが。


「おい、どういうことだ、シルよ」


 赤髪の男の後ろに目をやり、話しかける。

 今まさに入ってきたところだった。

 困ったような、焦ったような表情を浮かべながら言い淀んでいるシェダルハーダは、少し迷いながらも話し始めた。


「ええ、と。(わたし)がこやつの危機を助けたら懐かれて、な?」


 今のシェダルハーダの姿は、力も元に戻り、姿まで戻っている。

 身長は165cm程。胸もとても大きい。ロりっ子の姿は色々抑えられた状態だったが、力も戻り、妖艶美女の姿に戻った今のシェダルハーダは、周囲を魅了する美女だろう。少年の一人二人、一目惚れしてしまうのも無理はない。


「それでか……大方俺が、主だとかなんとか言ったんだろう?」

「そう!まさにそうなのじゃ!さすがは我が旦那様じゃ!」

「旦那じゃないがな」

「だから、シェダルハーダさんをかけて俺と決闘しろ!」

「いいぞ」

「へ……?」


 あっさりOKされるとは、思っていなかったのかポカンとした表情を浮かべたが、すぐに気を取り直し、咳払いを一つ。


「よし!なら決闘場に行くぞ!」


 そう言われレインを残し、一人で部屋を出ていく。


「なんか、凄い妄想する人でしたね」

「なぁ輝夜。あいつ馬鹿じゃね?それにシルも何やってんだよ」

「仕方ないのじゃ!(わたし)の力も戻って確かめている時、偶々本当に偶然あ奴がいてな?」


 上目遣いで瞳をうるうるとさせながら言ってくる。

 普通の人なら、それだけで、許してしまうだろう。だが、レインは普通じゃない。


「あうぅ」

「しっかりしろ」


 ぺしっとデコピンを喰らわせる。

 額を押さえ蹲る。


「セバス」

「どうぞ」


 レインがセバスの名を呼ぶと分かっていたかのように、傍に控え、お茶を注ぐ。

 カップに口をつけ飲む。


「ふぅ、美味しいな」

「お口にあって良かったです。初めてお出しする茶葉でしたので」

「それより、行かないでいいんですか?」

「あ?」

「決闘ですよ、決闘。さっき言ってたじゃないですか」

「ああ、そう言えば、ん?シルはどこ行った?」


 シェダルハーダの姿が見えないことに、気付いたレインは、辺りを見渡す。


「もう先に行きましたよ?あの少年を追って」

「ええーーーっってことは、決闘……しなきゃいけんのかめんどくせぇ」


 重い腰を上げたレインは、決闘場へと向かっていった。





 登場ゲートをくぐった先に待っていたのは、赤髪の男だった。

 しかし、二人だけではない。


 観客席にはびっしりと人で埋め尽くされている。


「観客は俺が呼んだ!負けた時に言い訳が出来ないようにな!」


 ドヤ顔でそう言い放った。

 そのことに若干レインは引いた様子で言った。


「お前が負けた時はどうするんだ?」

「そんなことはない!……が、もし俺が負けたら、お前の奴隷になってやる!」

「いらんわ」


 男の奴隷などいらない。

 しかも、生意気な奴隷などなお要らない。


 その時会場が沸いた。

 赤髪の男ーーどうやら、この国の騎士団長らしい。

 それで、この人気。


 だが、人気で言えばレインも負けていない、と言うか会場の女性はほとんどレインに見惚れている。


「戦闘不能か降参と言えばそこで終わる!」

「それでいいぞ。んじゃ、開始の合図は……セバス」


 レインがセバスを呼ぶと、観客席から跳び上がり、レインと赤髪の男の間に着地した。


「それでは、私が開始の合図を……両者ともよろしいですか?」

「俺はいいぞ」

「俺も大丈夫だ!」

「それで…………決闘開始!!!」


 セバスは手を振り上げ、下ろす。セバスは、下ろすと同時に、バックステップで壁際まで下がる。

 それと同時に、赤髪の男は、レインに肉薄する。

 レインに近づきながら、空間から剣を取り出す。

 それを素手で受け止めながら、レインは聞く。


「お前の名は?」

「俺の名は、ショータスだ!お前を倒すものだ!」

「ショタ?確かに子供だが、名前にまで表さなくても……」

「ショタじゃない!ショータスだ!」


 ショータスは、17歳。恋愛に興味があるお年頃だ。

 そこへ綺麗なお姉さんが現れ、ピンチを助けられれば、惚れるのも仕方ないだろう。

 だけど、まさか、即突撃、決闘まで持ち出すとは、シェダルハーダも思っていなかった。


 地面スレスレまで剣を下ろし、地を舐めるように這わせる。

 地面を掠りながらレインへと斬り上げる。

 だが、斬り上げる瞬間レインは、前に進み剣の柄を足で押さえる。


「ぐっ……」

「なんで、剣を使うんだ?槍を使え槍を」

「なに?」


 ビクッとショータスの肩が跳ねる。

 確かに一流の剣技を持っている。だが、間合いの取り方、突きを放とうとして途中で止めたりなど、普段長物を武器に使っている癖があった。

 騎士、と言うから剣を使ったのだろうが、レインは侮辱を受けたに等しい。


 圧倒的格下に、本気(本来の武器)を出す必要もないと思われていた、と言うことなのだから。


「本気をださんなら……」

「ぐあっ……!」


 押さえていた足を蹴り上げる。

 レインの足が跳ね、ショータスの顎を穿つ。

 顎を蹴り上げられたショータスは、大きく放射線を描きながら場内の端まで吹き飛ばされる。


「ったく、最初から本気で来いっつの」


 ため息を吐きながら頭を振る。

 砂煙が巻き上がっている中から、人影が立ち上がる。


「くそっふらふらする……っ。しかもばれていたとは、さすがは、シェダルハーダさんの主と言うだけはあるか」


 ぶつぶつ、と呟きながら立ち上がる。

 だが、足元が覚束ないのかふらふらとしている。

 そして、剣を消し、槍を取り出す。

 燃え盛る炎のような色の槍だ。さながら魔槍と言ったところだろう。


「すぅぅーーーーーーーーーーーー」


 大きく息を吸い、吐き出す。

 足を開き、槍に左手を添えながら構える。

 ぐっと足に力を入れ、一息に駆け出す。


 砂煙を裂きながら弾丸のようにレインへ向かうショータス。


「お?おお、やっと本気になったか」

「おおおおおおおおおおおお!!!!!」


 紅い閃光となったショータスは、空を切りながら、レインへ突撃する。


「はああああ!!!」

「でも、それでも足りんぞ」


 突進力をそのまま槍に乗せ、突きを放つ。

 レインの顔面に伸びる矛先に、軽く人差し指を当て、受け止める。


 ぶわっと風が巻き起こり、観客席にまで届く。

 先の一撃がどれだけの威力を持つのか、風圧を感じた観客が息を呑む。

 と、同時に、その威力を指先一つで止めたレインへ、畏怖と恐怖と羨望、嫉妬の視線が突き刺さる。


 ショータスは、間合いを取り、再度攻撃の態勢へと移る。


「これからが本気だ!!!」









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