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超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
122/266

119話 もう一人の罪人

 

 レインたちを爆風が襲う。


「なぁ、輝夜。ばれてんじゃん」

「ええ~」


 レインたちを襲ったのは、ケルベロス。

 地獄の番犬と言われる三つ首の獣だ。


 輝夜は重罪犯罪者みたいなものだ。見張りがいない方がおかしいが、それでも、この周りにはレインが存在を隠していた。気付くはずはないのだが……。


「あの、首輪のせいか?」

「おお~ワンちゃんに首輪ですか……」


 ケルベロスを『ワンちゃん』なんて言えるのは、レインたちだからだろう。

 レインが前にいた世界、アリスティア。そこでも、迷宮などで、ケルベロスがいた。だが、それはあくまでもここ(地獄)の獣を真似て創られたに過ぎない。


 三つの首に首輪がそれぞれはまっている。


「それで主。飼われているんでしょうか?」

「ケルベロスを飼うなんて物好きそういないだろうが……まさか」


 レインが気付いた時、()()()()()()()()()()が現れた。その背に乗っている人物が、レインに声をかける。


「ぱぱ!遊びに来たの!」

「やっぱり、ベルか」


 ケルベロスの背を蹴り、レインに抱き着く。


「そろそろここに来るだろうって思って!」

「そうか、ならベルも一緒に来るか?」

「いいの?」

「久しぶりですね、ベルゼブブさん」


 ニコッと笑いかけ、ベルゼブブに挨拶をする。

 この二人は、知り合い……というか、友達というか、敵というか。

 友だった時期もあるが、敵として戦っていた時期もあるため、どっちでもある。


「ぷいっ」

「あはは……」


 ぷいっとそっぽを向く。

 ベルゼブブが輝夜を嫌っているのには、理由がある。

 魔界に輝夜がいた時、ちょこっと悪魔たちを殺しまわっていた時があった。それが、ベルゼブブの領内だったのだ。


 そして、それを処理するために色々としなければならなかった。

 しかもその時、レインに会いに行こうとしている時だったため、なお悪かった。そのせいで、数百年会いに行けなくなり、その原因を作った輝夜に対して怒っている、ということだ。


「嫌われちゃいましたね~」

「ふん……ぱぱ、べるも一緒に行く!」

「おおいいぞ!後これをやる」


 レインは掌の上に、黒い球体を出す。


「世界数兆個のエネルギーだ。いくら弱い世界でも、世界を構成する程のエネルギーだからな」

「ありがと!」


 ぱくっと一口で食べる。

 その瞬間、ベルゼブブの存在が一気に増えた。

 さすがのベルゼブブでも、世界数兆の莫大なエネルギーを食べて無事なわけがない。人だって一気に食べれる量には限りがある。『暴食』を冠するだけあって、どれだけでも食べれるが、それでも、大きすぎた。


「さすがに強すぎたか?」

「そうですね、お嬢様でも、今回ばかりは少し辛いかと」

「そうか……」


 辛そうにしているベルゼブブの頭を優しく撫でる。

 落ち着くまで撫でていると、莫大な量の魔力を周囲へ無差別に放っていたが、徐々に収まり始めた。


「すっごく美味しかった!」

「それはよかったが、もう大丈夫か?」

「うん、全部()()()()

「うへぇ、すごいですね。あれだけのエネルギーをその体内にいれるだけでも、危ないのに。自分の力とするなんて」


 不死身の体を持っている輝夜でも、あのエネルギーをその身に取り入れれば、肉体は破裂し、力は暴走してしまうだろう。

『暴食』を司るベルゼブブだからこそ出来たことだ。


「ところで、あれだけ、派手に魔力を放出していたらさすがにばれるのでは?」

「それも大丈夫だ。そこんところもぬかりない」


 ベルゼブブに食事(エネルギーの塊)をやった時から、結界を張り、冥王らにばれないようにしていた。というか、ばれたところで、あんまり意味もないが。


「あ、そう言えば」


 ポンッと、輝夜が思い出したように、手を打った。


「少し前に、ここに(最下層)にもう一人来たんですよ」

「ほんとか?」

「ええ、顔は見てないんですけど……」


 冥界の最下層。

 今レインたちのいる場所は、輝夜を封印するためだけに、冥王と神王が協力して創った場所だ。

 そして、ここに入れられるということは、輝夜並みのことをしでかした存在と言うことになる。


「ほぉ、会ってみるか」

「なら案内しますね」


 レインは抱き着いていたベルゼブブを肩に乗せ、輝夜の案内に従って進む。

 輝夜のいた場所を通り過ぎると、巨大な鉄格子が見えてきた。

 いや、鉄格子と言うより、あれは鳥籠だ。


「鳥籠?鳥でも捕まったのか?」

「いいえ、違いますよ」


 炎に照らされ鳥籠の中の人物が見える。

 そこにいたのは、狐の女だった。


「九尾……いや、天狐か。白い狐……美しいな」

「ぱぱ!」


 ぽかぽか、とベルゼブブがレインの頭を叩く。

 効果音的には、ぽかぽか、だが、実際には、ボガン!ボガン!が適切だろう。人間なら首が捥げるだけじゃなく破裂しているだろう。


「そこの白狐、どうした?」


 レインが話しかけても返事がない。

 丸まって寝ているようだ」


「おーーい聞いてるか?」

「反応がないですね」


 反応がないため、もう一度声をかけようとした時、炎が四つレインに向かってきた。


「狐火か、ってか起きてんじゃねぇか」

「『空喰い』!」


 ベルゼブブが飛んできた狐火を食べる。

 それと一緒に、白狐を捕らえていた鳥籠も空間ごと削り取られたため、鉄格子が一部破壊された。


 すると、中から白い塊が物凄い速さで出てきた。


「……」


 威嚇するように、睨む。

 四つの尾が逆立ち、ゆらゆらと揺れる。


「ここは、冥界。余程のことがなければ、生者は来ないんですが……やはり何かあったようですね。どうしましょうか、主?」

「ふむ。輝夜」

「了解です。()()()()()()


 輝夜が命令を下す。

 逃げようとしていた白狐の体が固まる。

 動こうとしているが一向に動かず、焦った表情を見せる。


 輝夜が使ったのは、『呪言縛鎖』というものだ。

 レインがよく使う『神言』の呪いバージョンだ。

 悪魔と言ったら呪いの言葉だろう!そんな感じで創った能力だ。


「しかし、なんでこの程度の力でここに来たのでしょう?」

「呪言もきっちり効いてるな」

「貴様ら何をする!?」

「お、喋った」


 白狐が初めて喋った。


「せっかく逃がしてあげたのに、俺からも逃げようとするからだろう」

「頼んだ覚えはない!」

「はぁ、めんどくせぇ……記憶を視るか」

「お、おい!やめろ!」


 白狐の目を望み見る。


「なるほどな……獣神に仕えていたのか、それで、主殺しを……ほぉ」

「なんでそれを……!?」


 レインの顔が歪む。

 その顔を見た白狐は悲鳴を上げる。


「主殺しと神殺し。なるほどなぁ……なんでそんなになったのかには、興味がないが、面白いな」

「見るな!」

()()


 レインが神言で縛る。


「それでも、ここに入れられるはずはないが……まぁいいや、それで、お前俺のものになる気はないか?」

「むーーー!!むーーーー!!!」

「あ?ああ、そうか」


 レインが指を鳴らすと、白狐にかけてあった神言が解けた。


「そんなものになんてなるか!」

「仕方ないな……『魂縛り』」

「なんだこれは!?」

「よし、セバス、輝夜。帰るぞ」


 セバスと輝夜に声をかける。

 レインたちが歩き出すと、白狐の体が意思に反してレインについていく。

『魂縛り』その名の通り、魂を縛る。簡単に言えば、奴隷になったと言うことだ。


「やめろ!行くな、動くな!!!」

「無駄だ。天狐如きでは破れんよ」

「くそぉぉおおお!」

「まずは言葉遣いから直さんとな」


 転移門が現れ、レインたちは冥界から立ち去った。









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