表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
120/266

117話 闘神降臨

 

 圧倒的な気の塊が物凄い勢いで空から落ちてくる。


「俺の元に来い」


 レインがそう言うと、散っていた配下がレインの後ろに現れた。


「レイ様、戻りました」

「おう、俺の方も終わったぞ。そして、これからだ」

「そのようですね。あの闘気」

「あれが、闘神と言うやつか……」


 アドニスの言葉を遮り、ヨルダウトが口を挿む。


 とてつもない速さで地面に突撃する。

 爆音を鳴らし登場した闘神は、砂埃を撒き散らす。


 風を操って砂埃を吹き飛ばす。


「やっと来たか……」

「なぜ、我が世界を荒らしまくる?」


 闘神といっても、ゴリゴリのマッチョではない。

 好青年と言った見た目だ。


「まぁまぁそんなどうでもいいではないか!はようやろうか!」


 盛大に笑みを浮かべ、レインは告げる。

 拳を構え、レインから殴りかかる。


「あれ?」

「ぶべらっ!?」


 綺麗に頬にクリーンヒットした。そしてそのまま吹き飛ぶ。

 避けられること前提で殴ったのに、思いっきり当たったことにぽかんとしてしまう。


「おい、アストレア」

「はい、なんでしょう?」

「当たったぞ」

「当たりましたね」

「なんで避けないんだ?」

「避けれなかったのでしょう」

「なんで?きちんと手加減したぞ?」

「はて?主から殴りかかるなんてあまりなかったでしょう?」

「そうだな」

「なので、力加減を間違ったのではないでしょうか」

「ハハハハハ!アストレア、面白いこと言うね!」


 しばらく、笑っていたレインは、スッと真顔になる。


「まじかよ……あいつ死んでねぇよな」


 レインが心配していると、気弾が飛んできた。

 ぺちっと手で払い、


「おおよかった、死んでなかったか」

「いきなりなのをする!?」


 闘気を纏い殴りかかってくる。

 殴り、蹴りかかってくる闘神の攻撃を払いながら安堵したように言う。


「いやいや、ほんと良かった。それより、本気でやれ」

「ぐがっ……!」


 せいっと腹を押す。

 闘神の攻撃はどれも鋭く重い。

 だが、易々とレインはそれを超える。


「何のためにここ(第37世界)を最初に選んだと思う?」

「何を言っている!?」

「お前は、闘神。だが、その力以外にも持っているだろう?」

「…………くっ」


 レインが感じているのは、闘神自体の力だけではない。

 闘神の神気はとてつもなく熱く厚く荒々しくも静かだ。だがその中に、正確には持ち物が禍々しい気を発している。


「心配するな、世界ごと()()している」

「……そうか、なら」


 懐から禍々しい欠片を取り出す。

 そして、それを飲み込む。


「うぅぐぐぐ……うががががああああああ!?」

「ほぉ、()()()()()を取り込むとこうなるのか」


 邪神の欠片。邪神の一部を取り込み、その力を得る。だが、神と言えど、取り込んだ力がまずかった。


「神王に一番近しい神格を持ちながら、力に溺れ墜ちた神。その欠片をこんなところで見つけるとはな」

「主殿、これは、余が貰ってもよいか?」

「だめだ。俺のものだ。久々の神敵、頼むから自我を失うなよ?」


 邪気が闘神を包み、神体を侵していく。

 取り込んでから数分。

 徐々に邪気が大きくなる。黒い竜巻が闘神を中心に巻き起こる。


 そして、竜巻が晴れ、姿を現す。


「ククク、これ程とはっ……!素晴らしい力だ!」

「ふぅ、良かった。呑まれなかったな」

「試しだ……気弾!」


 漆黒の気弾がレインに飛ぶ。

 最初とは比べ物にならない威力だ。同じように払うが、レインの手が僅かとは言え押される。


「はっ!」

「お?」


 一瞬で懐に入り込み、中段突き。間髪入れず回し蹴りを放つ。

 それをレインは掌で受け止める。

 ふわっと地面からレインの体が浮く。


 今度はレインが殴りかかる。


 拳と拳がぶつかり合う。

 周りに与える衝撃など考えず、目の前の相手と楽しむためだけに拳を振るう。


「『絶拳』」


 レインの拳が闘神の胸を穿つ。

 穴が開くが、血は一切出なかった。


「効かん!」

「なるほど、邪気の塊になったのか。……ヨルダウト、よく見ておけ。あれがお前の()目指すべきところだ」


 今の闘神はヨルダウトを超えている。

 死の概念もこの闘神には効かないだろう。


 邪気が傷口に集まり修復する。


「まだこんなものじゃない!」


 獰猛な笑みを浮かべ、手を前に突き出す。

 すると、狂帝が使っていた神器が現れる。

 剣を手に取ると、腕を伝い邪気が神器に流れ込み、漆黒の気に包まれる。


 邪気を纏った剣は一回り大きくなった。

 それはもはや神器ではなく、魔剣と言った方がしっくりくるだろう。


「次は剣の勝負か!」

「ほざけ!」


 ぐっと足に力を入れた闘神は、一息でレインとの距離を詰め、斬り上げる。

 レインも剣を創り、受ける。

 そのまま剣戟を繰り広げる。

 一撃一撃に気の刃を纏わせているため、レインは受けるたびに気の刃にも対処しなければならない。


「かっ!」


 闘神は、カッと目を見開き衝撃波を放つ。

 レインの体が後ろに下がる。そこへ、一歩踏み出し、ボディブローを放つ。


「お、お?」


 レインの唇の端から、タラッと血が垂れる。

 舌でぺろっと舐める。


「何億年ぶりか……俺が血を流したのは。肉の体とはいえ、俺の身にダメージを与えるとは、ふふふ」


 レインは俯き、肩を震わせる。


「ククク、クハハハハハ!いいぞいいぞ!その調子だ!」


 楽しくてたまらないと言った感じで、笑う。

 剣を消し、刀を創造する。

 冗談に構え、距離がある状態で、振り下ろす。


 斬撃が闘神に飛ぶ。


「う、おおおお!」


 闘神は、軽く斬り払おうとしたが、思いの外威力があり、負けないよう力を込める。


 だが、レインはそれだけじゃなく、二度三度斬撃を飛ばす。


「ちっ……!」


 次が襲い掛かる前に、一つ目を斬り、横に飛んで回避する。


「『千刀』」


 地面から千の刀が生え、宙に浮き上がる。


「行け」


 レインの号令で、剣先が闘神を向き、飛んでいく。


「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


 剣を振るい、斬って斬って斬り払う。

 だが、全ては払えず、闘神の体を掠る。

 そして、ついに、一本が刺さる。


「ぐあっクソがああああ!!!!」

「『万刀』」

「なに!?」


 今度は、万の刀が創造される。

 一本一本払っていてはキリがない。

 そう思った闘神は、邪気を剣に大量に纏わせ、振る。

 巨大な邪気の刃が刀を吹き飛ばす。

 そしてそれを何度も放ち耐える。


「『億刀』」

「なん…………だと?」


 闘神の視界全てを刀が覆う。

 どこを見ても、刀しか目に入らない。さらに絶望的な事実を知る。

 一本一本の刀に、とんでもない魔力が込められているのに気付いたからだ。


 レインは手を開いて前に突き出す。

 そして、ぐっと握り締める。


 すると、億の刀が闘神目掛け、一斉に飛んでいく。


「ぐぐぅぅぅうううううう!?!?」


 今度は、斬り払うことは出来ない。一つでも喰らえば、致命傷になると分かっているからだ。

 だから、魔力と闘気と邪気を融合し、ドーム状の結界を張る。

 とてつもない硬度の結界で、刀が結界に弾かれる。だが、さすがに百本も喰らいだすと、ヒビが入りだす。このままだと、千も耐えれないだろう。


 気力を振り絞り、結界を張り続ける。


 どのくらい経っただろうか、闘神からすれば、永遠に感じる時間の中、無心に防御し続ける。


「ふむ、欠片ですら、ここまで引き上げられるのか。闘神と言えど、防御は苦手か……」


 ぽろ、ぽろ、と剥がれ落ちる。


「俺も、やってみるか」


 レインは、刀を鞘に戻し、居合の構えを取る。


「第一秘剣・絶空」


 その瞬間世界がズレた。


「それはっ」

「ああ、お前の真似をして、やってみた」


 レインは『秘剣』というものを創った。

 別に必殺技とかやらなくても、レインの一つ一つが必殺技に成りえるのだから。


 闘神の神たる力、神格を斬った。

 神でなくなった闘神に邪神の力を操ることは出来ない。内から暴れる邪神の力に神体が破壊され、消滅する。


「ふぅ、意外と強かったな……俺の身にダメージを与えたんだからな」


 数値化すれば、例え、1のダメージだったとしても。ダメージはダメージだ。


「そう言えば、セバスはどこに行ったので?」

「セバス?」


 この場にセバスはいない。


「次の世界を見に行ってもらっているぞ」

「次の世界?」

「ああ、今度は、遊びに行こうと思ってな」


 うーんと伸びをする。

 もうこの世界に用はない。

 魔物しか残っていないこの世界で、管理神である闘神の消滅し、知性ある生命はもうこの世界にはいない。

 レインは、この世界、もといこれから消す世界をどうするか、悩んでいる。ベルゼブブに喰わせると言ったものの、いちいち召喚するのもめんどくさい。

 かと言って、魔界の王たるベルゼブブをレインの傍に置いては置けない。

 魔界とは、無法地帯だ。法などない。唯一、法と言えるのは、魔界の王たちが決めていることくらいだろう。

 悪魔たちは好き勝手に行動している。そして、問題を起こした悪魔を罰したりするのが、王の役目だ。と言っても、もちろん王なら御付きがいる。王一人でやっているわけではないため、自領を放置しても問題はないとも言える。


「取り敢えず、世界を消そう。そのエネルギーだけ集めてベルにやるか」

「また、あの小娘を呼ぶんですか!?」

「うむ」


 頭を抱え、アシュリー他数名が呻く。


「それっ」


 パンッと手を叩く。

 すると、レインの手の中に黒いエネルギーの塊が集まっていく。

 それと同時に、世界が捻れて消えていく。


「こんなところか……また、つまらぬものを消してしまった」


 フッと自嘲気味に呟く。

 つまらない冗談を言っている間に、セバスからの念話が届く。


『主、こちらの準備は整いました』

「おお、セバスか……では、行くとしようか」

『はっ!』


 次なる世界に向けて…………








面白い!

続きを読みたい!

と思ってくれた方評価して貰えると嬉しく思います!

☆☆☆☆☆を貰えるととても喜びます!お願いします!!!

そして、評価してくださった方ありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ