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超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
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116話 何でも望みを叶えてやろう!

 sideレイン


 レインはまっすぐと自分の相手向けて、歩いていく。

 城に向けて。


 配下とはすぐに分かれた。

 レインの意を汲んで自分の役割をこなすために。


「俺は俺の敵を……ね。少しは楽しめるといいけど」


 レインの今の心中は、狂帝と呼ばれる人物が面白い人物かどうか、それだけだ。この世界の人物に『強さ』を求めていない。ヨルダウトの足元にすら及ばないのだから、たかが知れている。


「それでも、新具をいくつか持っているのだから、少しは楽しませて欲しいよな」


 神具……神の力の宿った装飾品などのことだ。

 四狂聖やバルフェルクが持っている剣がそれにあたる。


『起動』とは、剣の力を身に纏う、ことだ。

 身体能力も向上するし、自分の特性に見合ったスキル、魔法を得ることが出来る。


 あちこちで魔力が爆発する。


 激しい戦いが起こっているのが伝わってくる。

 だがそれは、狂帝側のことだ。レインの配下は遊んでいるだけだ。


「さて、セバスとシルには、やってもらうことがあるし、あいつら(五帝)は、楽しんでいるみたいだな。アシュエルは、舐めプしてるな」


 レインには、この国の中で何が起こっているのか手に取るように分かる。

 今まさに、アストレアも楽しめる相手を見つけたことも……アドニスが、中々面白い趣向の炎を使っていることも。

『浄化の炎』と名ばかりの拷問用に使える魔法だ。

 痛みだけ感じないとなればそれだけで、使いどころがある。恐怖心を煽るにはうってつけだ。


「斬姫、使ったな」


 呪いの神、レインに創られた神。限定すれば、五帝にすら匹敵するだろう。

 そして、まだその域に達していないアシュエルがその身にその力を宿せば、それはそれは悲鳴を上げるだろう。だがそれも、その痛みもアシュエルはすぐになれるだろう。


 アシュエルの才能は飛び抜けている。

 全世界を見渡してもどれだけいるか。一桁、もしかしたらアシュエル入れても二人。その程度しかいないとしてもおかしくない。

 後、数年もすれば、十分五帝にも匹敵する力と精神を手に入れるだろう。


 世界を思い通りに出来る力を持ちながら、どうするのか。

 そのままレインに仕え続けるのか……レインの元を離れ、好き勝手するのか……レインに歯向かおうとするのか……レインにしてみれば、どれでもいい。


「おっと、思考がズレたな……そろそろ……あ?」


 目的の城まで、残り数メートルと言ったところで、城が吹き飛ばされ消えた。


「なんかデジャブだな」


 前にも、誰か同じようなことが起きていた。


「さすがにこれで、死んでくれるなよ?」


 レインの思いは杞憂だとすぐに気付いた。

 大きな城がなくなり、その広大な土地に、ぽつんっと座っている人物がいた。

 玉座に座り、結界に守られたその人物が狂帝だろう。


「お前が狂帝?」


 そこにいたのは、まだ青年と言った風貌の男だった。

 退屈そうにレインを眺め、まるで生に退屈しているかのようだ。


 だが、レインの思ったこと違った。

 その目を見て、レインに近しいものを感じた。

 魂を見、姿そのままの年齢じゃないことはすぐに分かった。


「何者……いや、俺の国に攻めてきている侵略者か……で、俺に何用だ?」

「いいね、いいね……」


 唇を舐め、


「退屈な日々に飽きているのだろう?まぁそれも終わる。せめて、俺の役に立ってから死ね」

「貴様程度が勝てるとでも?」

「ん?……ああ、俺に勝てると思っているのか……ふふ、俺にかすり傷でも与えられれば、何でも望みをかなえてやる」

「望み……だと?」


 こうまでしなければ、レインが楽しめない。

 それに、狂帝も興味を持ったようだ。自分の優勢は変わらないとでも思っている顔だが。


「例えば、別の世界に行き、全てを思い通りにしてもいい。他にも今以上の力を願うなら与えよう。神になりたいなら神格を与えよう。神王の座が欲しければ与えよう」

「神……貴様がそこにいるのか?」

「クク、興味を持ったか、いいぞ。なんでも、だ。情報を聞き、力を求め、神の座を求める全部を求めればいい。そのために、何をするか」

「ああ、貴様に傷一つ付ければいいのだろう?」


 初めてレインの瞳をしっかりと見ながら、玉座から立ち上がる。

 虚空に手を入れ、武器を取り出す。

 宝石が四つ、柄の部分にばらまかれ、全身が金色の剣だ。見るからに神器と分かる。


 地を蹴り、レインに近づく。


「ふっ!」


 レインの頭蓋目掛け振り下ろされる抜き身の刃を見ながら、二歩後ろに下がる。

 剣が腰辺りまで来たところで、すぐさま切り返し、レインの一歩前を掠る。


 それだけでなく、何回も隙なく連撃をレインに叩き込む。


 レインはそれを紙一重で掠りすらさせず全て避ける。

 突如、狂帝が後ろに飛び距離と取る。


「『強奪』」

「あ?」


 左手をレインに向け、スキルを使う。


「なるほど、そのスキルのおかげで、圧倒的ステータス、スキルを手に入れていたのか。楽しむため視ていなかったから分からんかったぞ……だが、残念。それは効かん」

「なぜっ!?」

「『格』だ。自分より強者と会ったことがないから知らなかったか……」


 レインの見立てでは狂帝の『強奪』は文字通り全てを強奪するようだ。ステータスもスキルも、そして、魔力も体力も。その力は7大罪の強欲に似ている。


「残念だったな。俺からは何も奪えんぞ」

「ちっそそうみたいだな。『鋼墜』」


 レインの頭上に黒い空間が現れ、そのまま落ちた。


「それも効かん」


 人差し指を上に向ける。

 当たった所から、パシュンッと消えた。


「だから言っただろ?かすり傷、ってな。魔法は効かん。スキルも効かん。なら残るは、物理のみだ」

「それも効かんかったがな……!」

「じゃあ剣術で勝負しようか」


 白い光がレインの手に集まり剣の形をとった。


「ただの魔力剣だ。それと、打ち合えるよう合わせた、ただの剣だ」


 武器による優劣をつけないため、レインなりの配慮だった。


 最初に動いたのは狂帝だ。

 眼前に構え、突きの態勢から走る。


 レインも一歩踏み出し、狂帝と同時に突きを放つ。

 キーンっと低い金属音が鳴った。

 切っ先に切っ先を合わせ受け止めたレインは、そのまま押し込む。


「ぐっ……はあっ!」


 狂帝は、負けるものかと、力を入れ、押しとどめる。それでも、力を少しでも入違えば、剣が欠けてしまう。

 狂帝は、剣を横にずらし、体もずらすことで、レインの剣を避け、レインの心臓目掛け腕を伸ばす。


「いつの間に……!」


 いつの間にか腕を引き戻してしたことで受け止められる。

 ギリッと押し込む。

 弾き飛ばされた狂帝は、空中でまた突きの構えをとる。


 剣の間合いではなく、腕を伸ばしても剣はレインには届かないだろう。

 それなのに、魔力を込め、突く。


「魔法が効かないから魔力ときたか……」


 レインを囲むように金色の陣が現れる。

 そこから、金色の光線が放たれる。それも、一つの陣に対し一つではなく、次から次に、総数幾百もの光線が撃ち込まれる。


「これで、終わりだ」


 数秒の間に最大の威力を放つため溜めていた力を解放する。

 剣先をレインに向ける。先にバランスボール大の黄金の光が三回に分け、ビー玉サイズまで圧縮される。


 圧倒的なエネルギーを内包した黄金球がレインに向け放たれる。


 土煙を裂き、吹き飛ばしながら進む。


 レインのいたところで、()()()

 レインの無造作に突き出された右手に止められていた。


「ククク、クハハハハハ!!!凄いな!ただの人間がこれ程の威力を出せるとはな!()()()()()使()()()()()()()()()

「なっ……に?」


 片手で受け止められた衝撃よりも、その一言が狂帝により強い衝撃を与えた。

 魔力の他に神気と闘気が込められていた。


「そんな闘神の気バリバリ放ちながら俺が気付かないとでも?」

「クソっ!」

「というわけで、ここまでやれば、()()()()()()()()……」


 レインは待っていた。


「やっぱこいつ殺さないとだめか?」


 レインは待っていた。


「なら、ここで殺すか。……行け」


 狂帝が使った魔力球をレインも使う。

 ただそれは、狂帝のそれとは違う。

 ドス黒く、それでいて神々しい。相反する二つのことが感じ取れるそれ(魔力)を狂帝と同じビー玉サイズに圧縮し、飛ばす。


「クソがっ!!!」


 剣であまりの速さに避けられそうになく、剣で斬り払う。

 だが、


「あっ………」


 魔力球に当たった剣は、エネルギーに耐えることが出来ず壊され、まっすぐ狂帝の心臓を貫く。

 目から光が消え、狂帝の体も崩壊しだす。


「………やっとか、待ちくたびれたぞ、()()


 レインは待っていた、世界消滅、その危機に管理神が現れるその時を。









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