115話 四狂聖と言う名のかませ犬
俺Tueeeが好きな人ってまぁまぁいると思うんですよ。そういう自分も好きで読むんですが、実際書く立場になってみると、戦闘描写難すぎませんかね?
だって、主人公の指パッチンで殺せるんですよ?
主人公が強ければ強い程簡単に終わってしまうので、それなのに、面白い作品を書ける人って凄いと思いました。
とまぁ、書いてて思ったんです!
sideアシュリー
アシュリーは不機嫌だった。
なぜならクリスティと行動することになったからだ。
「もぉ!なんでこんなのとと一緒なんてぇ!」
「妾のセリフよ!」
お互いが邪険にし合いながら歩く。
そんな時、ちょうどタイミング良く敵が現れた。
「お前たちか!侵略者め!!!」
『うるさい!』
現れた男へ、雷撃と空間の圧縮の攻撃を放つ。
「うぉ!?いきなりなんだ!?危ないではないか!?」
同時に向かった攻撃は、男に当たる直前でそれぞれの攻撃がぶつかり対消滅する。
「おい!妾の攻撃を消してどうする!」
「こっちのセリフだよ!」
男そっちのけでまたも言い争う。
「…………いい加減にしろぉ!!!!!!!」
プルプルと震えていた男が大声を上げる。
「なによ、まだいたの」
「いたわ!お前らが俺を無視するからだろ!?」
「で、あんただれ?」
「俺は、四狂聖が一人、ハルリスだ!」
四狂聖と名乗った男は、剣を抜き起動する。
「お仲間はみんな死んでると思うけど……」
「アシュリー、さっさと終わらせてレイン様の元に行きましょう」
「そうね、早くこんなむさ苦しい男は殺してゼロ様に会いたいですわ!」
アシュリーとクリスティは本気で仲が悪いわけじゃない。ただ、レインのこととなると少し、ちょこっとだけ喧嘩してしまうというだけだ。
「『空震』」
「なんっだっこれはっ!?」
突如ハルリスの周りの空間が震えだし、立っていられなくなる。
地面に膝と手を付き、体を支える。
「落ちろ雷鳴」
クリスティは歌うように言う。
ハルリスの真上の空に黒雲が立ち込め、ごろごろと鳴り出す。
ピカッと光ったかと思うと、ハルリスの頭上目掛け落ちる。
「くそがっぁ!!!」
剣を掲げ、雷撃を受け止める。
雷が剣に当たった瞬間地面に突き刺し、逃がす。
「はぁはぁはぁ、頭がっ揺れる……!」
雷撃は躱せたとしても、アシュリーによる空間の振動はまだ終わっていない。
空間が震えることで、脳まで揺れている。
「ちょっと!きちんとやりなさいよ!」
「分かってる!」
雷は鉄に引かれる。
また落としたとしても、数度なら剣でも耐えられてしまう。そう考えたクリスティは直接斬ることにした。
「『雷剣』これでいいでしょう?」
クリスティの手の中で雷が集まり、凝縮していく。
そして、剣の形を取る。
バチッバチッと放電する。
「はっ」
一瞬でハルリスとの距離を詰め、斬りかかる。
震える体に力を入れ、剣を持ち上げる。
震えてきちんと剣を持ち上げれず、斜めになっていたことが、奇跡的にハルリスの命を救った。
雷剣がハルリスの剣に食い込み、剣ごと焼き切る。
「本当運のいい人」
剣を焼き切った雷剣は、ハルリスの肩を掠り、隣の地面に突き刺さる。
クリスティは雷剣を手放す。
クリスティの手を離れた雷剣は雷に戻り、弾けた。
「ぐっ!」
弾けた雷はハルリスの左半身を焼き焦がす。
「次は私の番」
アシュリーは指をパチンと鳴らす。
すると、ハルリスの頭の周りが圧縮され、捻るように潰れる。
頭を失った体がドサッと地面に倒れ込む。
「それやるなら最初からやりなさいよ!」
「あなたも落雷一つでやれたでしょう!」
この程度の相手に時間をかけたことに、責任のなすりつけをし、ギャーギャー騒ぐ。
「まぁいいです。次のゼロ様の相手は私ですから!」
「ゼロ様じゃなくて、レイン様でしょ!じゃなくて、次の相手は妾だよ!」
「違うもん!」
「妾だもん!」
子供みたいな口調に戻り、言い争う。
辺りに殺気が充満し、ハルリスがこの空間にいたら、殺気だけで死ぬだろう。
あまりの濃い殺気に物理的な圧まで発生し、空間が軋みだす。
クリスティは全身からバチバチッと雷を発する。
アシュリーは、圧力で立っている場所を残し地面が陥没する。
アシュリーは目前の空間を殴りつける。
すると、衝撃だけが転移したように、クリスティに襲い掛かる。
「その程度でっ」
地面から雷が現れ壁を創る。
雷の壁にぶつかった衝撃は、壁を飛ばす。が、クリスティにまで届かない。
「軋め!」
手を前に突き出し、重力を掛ける。
黒い細い線のようなものが現れる。徐々に太くなり、黒い剣の形を取る。
重力で出来た剣だ。それを、クリスティ目掛け投げる。
「ふんっ!」
地面から砂鉄を巻き上げ、クリスティの周りに竜巻を形成する。
重力剣は当たったものに強力な重力を掛ける。剣に当たった砂鉄は次々と潰れていくが、竜巻になっているため、上空へ上がっていく。
「『雷神の一撃』!」
天から巨大な雷の剣が雲を裂き、アシュリー目掛け落ちる。
音速を超えた巨大な剣は、アシュリーにぶつかる直前球状に抉られる。
剣の形を取れなくなった雷は弾けるが、その雷は、アシュリーに向かっていく。
防御されることが分かっていたクリスティは、その構成を壊された時、その相手へ雷に指向性を持たせていた。
「はっ!」
転移しクリスティの背後を取り、背中目掛け蹴りつける。
クリスティは、しゃがみ足払いをする。
ジャンプし避け、空中で一回転し踵落としを喰らわす。
「『白雷掌底』」
白い雷を纏った手で、足に掌底をぶつける。
ぼごっとクリスティの立っている地面が陥没する。
ぶつかり合った衝撃で周りの建物が吹き飛ぶ。
そこからは、能力ではなく徒手空拳での戦いとなった。
殴り、蹴り、また殴り。
それを、躱して、避け、カウンターを決める。
「(右が囮……)はっ!」
右の拳を避け、腰を落とし、膝蹴りを放つ。
腹に決まったかと思った膝蹴りはアシュリーの掌に受け止められる。
「『審判の雷』」
「ひっどーい!」
空から黄金の雷がアシュリー目掛け落ちる。
アシュリーはそれを手で振り払う。
もちろんただの手で払えば、さすがのアシュリーでも傷付く。
審判の名の魔法はクリスティが使えば同格のアシュリーにさえ効く。
手の周りの空間を捻じ曲げたから無事だっただけだ。
「はぁーねぇここまでにしない?」
「そうだね。妾も少し疲れた」
かなり激しく戦っていたため地形が凄いことになっている。
雷で地面は焼き焦げ、空間を圧縮したせいで、削り取られたかのようになっている場所も多々ある。
二人にとってみれば、ただの喧嘩だが、被害は大きい。
一応世界を壊さない程度に加減しながら戦っていたのだから。
この程度の戦いでは肉体的には疲れないが、精神的に疲れたようだ。
「さて、と。また次のお客さんですね」
「アシュリー、すぐに終わらせますよ」
「分かってるよ」
新しく来た敵を感知し、睨みつける。
アシュリーとクリスティンのドンパチやっていた音を聞いたのだろう。
激しかったからな。疲労しているところを狙おうという算段だろう。
「さっさと終わらせてゼロ様の元に戻る!」
今度は、遊ぶ気はなく、最初から一撃で殺す気で向かっていく。
だけど、
「どうしましょう?」
「だ、大丈夫!」
二人の視線の先には、消滅した建造物があった。
世界を壊さない程度の力とは言ったが、それは、世界が壊れない程度の力は出ていたということだ。そんな力のぶつかり合いなら二人の周りは大変なことになっていることになる。
二人の攻撃の余波で消えた建造物とは、城のことだった。
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