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超越神の世界旅行  作者: sena
第6章 世界侵略編
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111話 アストレアと四狂聖

 sideアストレア


「どうしましょうか?」


 アストレアは、城壁を抜け、レインたちと別れた後、まっすぐ歩いていた。

 壁を抜けて数分しか経っていないのに、あちこちで戦闘の音がしている。


「本当に珍しい世界ですね。王が一人しかいないとは」


 世界には、何百何千時には何億もの人口がいる。

 それだけの多くの人がいるということは、それだけ様々な思想があるということでもある。つまり、纏めるのは容易ではない。

 それもそうだろう。いろんな考え、また、ステータスと言うものがあるため、強さや有能さも違う。みんな平等とはいかないだろう。


 だが、狂帝はそれを力で纏め上げた。

 つまるところ、恐怖だ。

 圧倒的な力を見せつけ、歯向かった者には見せしめの意味を込め、残虐な殺し方を。


「だけど、それで統治出来ているんですから、本当に」


 クスクス、と笑いながら歩く。

 すると、十本の火柱が上がった。


「アドニス……仕事が早いですね」


 アストレアらは、レインを狂帝と戦わせるためにだけに、今動いている。


「これで、ほとんどの『騎士』は沈みましたか。それと、強い気配は」


 気配を探っていると、銀の鎧を着た男がアストレアの目の前に現れた。


「貴様か、王の庭を荒らしているのは」

「ええ、この世界には消えてもらいますので……私の役割は、ただ主を楽しませるために」

「消えてもらう……か。そんなことをさせるとでも?」


 殺気を放ちながら剣を抜く。


「我は四狂ーー」

「あ、自己紹介はいいです。どうせすぐに殺しますので」


 少しも表情を変えずにそう告げる。


「そうか。なら、後悔しながら死んでいけ!『起動』!」


 全身から銀の光を放出する。

 そして、光を裂きながらアストレアに突撃する。


「ぐがっ……!?」


 銀騎士の剣の間合いあと一歩のところで、突如吹き飛ばされる。

 空中で態勢を整え着地する。


「四狂聖。確か、騎士の上官って感じですか」


 一人呟きながら、アストレアは考え込む。

 再度、銀騎士が突撃する。

 しかし、今度は、斬撃を飛ばしながら、近付く。


「それに、あの場所……ですね」


 アストレアは完全に上の空で、周りをきょろきょろしている。

 飛んでくる斬撃は、アストレアの無意識に張っている剣気の結界に当たり相殺される。


 だが、斬撃は目くらましで、銀騎士はアストレアの後ろに回り込んでいた。


「死ね!」


 掛け声とともに、真っ二つにするべく振り下ろす。

 またもや同じように、アストレアに届く前にはじき出される。


「おや?まだ()()()()()()()()()?」

「なんだと!?」


 まるで、全く気にしていないような言葉に、銀騎士は怒りに顔を赤く染める。


「それだけ斬られても生きているとは、化け物ですか!」


 表情を一切変えずに、驚いた風の演技をする。

 アストレアは、驚いているというより、めんどくさい、まだ()()()()()()()といった感じだが。

 銀騎士が何に気付いていないのか。それは、アストレアに()()()()()()に、だ。


「さっきから何を言っている!!!」


 アストレアの言っている意味が分からないため、声を荒げ剣を構えようとする。

 だが、両腕の感覚がなかった。


「なに?……なんで、腕がぁ!?」

「腕だけじゃない。そろそろ死んでください」


 無表情を消し、ごみを見るような視線で銀騎士を見ながら告げる。

 すると、銀騎士の全身に斬り痕が現れ、濃くなる。次の瞬間、バラバラに斬り裂かれた。


「これだけ弱いと、斬られたことにも気付かないとは……」


 どうでもよさげに言いながら、歩みを進める。


 銀騎士を斬ったのは、最初に突撃された時だ。剣気の結界に無防備に突撃したのだ。全身を斬り刻まされても仕方ないと言うものだろう。

 細かく肉片まで斬られているため、それも物凄く速い斬撃で。あまりに速すぎた斬撃のため、斬ったのに斬れていない状況が出来上がった。高い自然治癒のおかげで、繋がりかけていたのだ。

 だがそれも、最後の銀騎士の攻撃で、さらに細かく斬り刻まれた。斬って斬って斬り刻まれて。斬撃が重なり、ズレたからこそ、ああやってバラバラになった。


「それじゃあ、行きますか。……ってまたですか」


 ため息を吐きながら、足を止める。


「次は誰です?」

「キャハハハハ!!俺か!?俺はなバルフェルクが一人、序列三位、ギリストール・バイだ!」

「また、おかしな人が来ましたね」


 騎士剣を抜き、起動する。

 現れた武器は、刃渡り50cm程で、弧を描くように反りが深い。それが、二本。


「二刀流ってことですか」

「キャハハハハ!?そうだぜ!あいつは、真面目だからな!だから負けた!?」


 肉塊と成り果てた銀騎士を指さしながら笑う。


 一通り笑ったのか、息を付き、深呼吸をする。


「ふぅー。キャハハハ!!!行くぞぉ?」


 また笑い出し、ギリストールの姿が消えた。

 すると、アストレアの目前で火花が散る。


「キャハハハハ!かてぇかてぇなおい!?」

「その程度ではかすりもしませんよ」

「知ってる!知ってるさ!?」


 再度姿が消える。

 今度は、アストレアの周り四方八方から火花が散る。

 そして、ついに、アストレアの服の切れ端が数ミリ斬れた。


「お、やりますね。どんなスキルです?」

「教えねぇよ?教えねぇ!?」

「まぁ別にいいですけど。さて、そろそろ反撃に移りますか。銀の人は、弱すぎたので……あなたは楽しませてくださいよ」


 ニヤッと笑い、挑発するように言う。

 それに応えるように、ギリストールが笑い声を上げる。


 アストレアが初めて剣を抜いた。










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