106話 レインの娘
レインの話し方がころころ変わっていますが、例えば、「~~だ」とか「~~だよね」とか。
それは、冷酷な面もあれば、慈愛の面もあって、王としての口調や少年のような口調など、いろいろな面を持っているので!
ですので、決してキャラが決まっていない、とかキャラがブレブレとか言わないでください!お願いします!
アシュエル、マーリン、ヨルダウト、オーウェン、アンドレア、シェダルハーダ、etc。
レインの選んだ配下が、集められた。
いきなりのことで、皆が戸惑っている。
それも仕方ないだろう。急に今まで自分の足で立っていた地面が急に消え、無重力の宇宙空間に放り出された。
レインが手をパンパンと叩き注目を集める。
「はいはい、そこまで」
その一言で、レインの存在に気付き、素早く膝をつく。
無重力のため宙に浮いている形になるが。
その時、ヨルダウトが焦ることが起きた。
「陛下?やっぱり陛下だ!!!」
「うん?貴様、シルか?」
「そうです!陛下!」
主と仰ぐレインに、シェダルハーダがトテトテと近づき、気安く声をかけたからだ。
しかし、レインとシェダルハーダの会話を聞き、動きが止まる。
「なるほど。大方陣に隷属でも組み込まれていたか」
「そうです!そのせいで、そこの骨に従うはめに!」
「しかも、弱くなったな。本来の一割程度しか出せないだろう?」
「え……」
レインの何気ない一言で、ヨルダウトは驚きに、普段出さないような声を上げてしまった。
「それにその姿。子供じゃないか」
「これも召喚された時にはもう……」
ぽんぽんと頭を叩き慰める。
その時、とてつもない殺気がシェダルハーを襲う。五帝女組だ。
ヨルダウトは、愕然としている。格下だと思っていたのに、実力の一割程度だと知り、驚かないはずもない。
シェダルハーダは、殺気を軽く受け流し、レインと話す。
「もっと撫でてください!」
「最初会った時とだいぶ変わったもんだな」
「!それは言わないでください!」
頬を染め、照れたように言う。
いつもの傲慢な物言いではなく、年頃の少女のような話し方をしている。そのことにも、ヨルダウトは驚いている。
「さて、と。これをどうするか」
まだ残っている太陽や月を見ながら、考える。
レインは、この世界をどうやって処理するかを考えているのだ。
そのまま、消してしまったらつまらない、と。
「レイ様、約束していたことがあるのではありませんか?」
「あれのことか」
アドニスの言っている約束のことを思い出した。
指を鳴らし、陣を出す。
青白い光が陣から溢れ出し、その中から少女が姿を現す。
その少女は、レインを見て、
「あ!ぱぱだ!」
と言い、レインの腰に、ひしっと抱き着く。
「よしよし、ベル」
よしよしと、頭を撫でながら……撫でまくっている。10歳ほどの超絶美幼女だ。
いつもでも撫でているので、アシュリーが引き離す。
「何をするアシュリー」
「何をする、ではありません!ずるいです!」
レインを慕う女性が「そーだ、そーだ」と言っている。
引き離されたベル、と呼ばれた少女は、レインの後ろに回し再度抱き着く。
「だいたい、なんでこんなところに、魔界の王がいるんです!」
そう、ベルの本当の名は、ベルゼブブ。暴食を司る魔界の王の一人であり、悪魔王とも呼ばれる。他にも、いくつか呼び名はあるが、一番有名なのが、暴食姫、だろう。
「それは、ベルに約束していたからだ。世界を消すときはベルに与えるってな」
「そう。ぱぱから貰ったの」
いつまでも抱き着いているベルゼブブを何度もレインから四人がかりで引き離そうとするが、能力まで使ってレインに抱き着く。
「そろそろ、喰っていいぞ」
「うん。『世界喰い』」
暴食の権能を発動する。
世界が、掃除機がごみを吸い込むように、ベルゼブブの体に吸い込まれていく。
世界を構築する程のエネルギーを全て余すことなく喰っていく。
数分経った頃には、世界から全てが消え去った。そこは完全な無となった。
「げふっ。美味しかった」
「そーかそーか!よしよし」
レインも普段の傲慢な態度ではなく、凄まじくベルゼブブを甘やかしている。
「ねぇねぇ、ぱぱ、べるね。お願いがあるの」
「ん?どうした?何でも叶えてやるぞ」
「べるもね、抱いて欲しいの!」
「いいぞ!いいぞ!」
レインは、ベルゼブブを抱き抱える。
「違うの」
「うん?何が違うんだい?」
「えっとね、ベットの中でして欲しいの」
「……」
レインの笑顔が、ピシッと固まる。
「ぱぱ?」
可愛く小首を傾げ、レインの顔をぺしぺしと叩く。
「べ、ベル!?どこでそんな言葉覚えたんだ?」
「えっとね、セバスから聞いたの」
「セバス!」
セバスの肩がビクッと震える。
額に冷や汗を垂らしながら、口ごもる。
「お嬢様に教えて、と言われまして……」
「そうか」
レインは前に、「ベルからお願いされたことは、何度も聞け」と言っていた。そして、セバスはそれを守ったに過ぎない。それが、分かったため、レインは怒りを収める。
「ぱぱ、抱いて?」
「ぐふっ」
アニメや漫画なら、レインは鼻血を出していただろう。
「い、いや、ダメだダメだ!ベルはそんなこと言ってはいけません!どうしても、というなら、もうちょっと大人になってからだ」
「むぅ。なら、これで我慢する」
ちゅっとレインにキスをする。
いつの間にか、大人になっていたベルゼブブに嬉しくなったレインは、くしゃくしゃと頭を撫でまくる。
「じゃあぱぱ、またね」
ベルゼブブは陣の中に消えていく。
「レイ様、取り敢えず、移動しましょう」
「そうだな。ベルのことは、後で構ってあげんとな」
五帝の中で一番レインに愛されているのは、アシュリーだろう。だが、レインを慕っているの者の中からとなれば、ベルゼブブが一番の寵愛を受けている。
「今度こそ、この場所に用はないな」
「どうしますか?この世界の管理神は」
「ほっとけ、上位神ならすぐに新しい世界の担当になるだろう。それに、これからは、たくさんの世界が消えるんだ。いちいち言っていれば、キリがない。それと、俺が世界如きどうしようが、いいだろう?」
「それもそうですね」
レイン一行は、その場から次の世界へ転移する。
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