100話 新しい仲間
100話到達!!!!
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人は愚かである。
何度も何度も同じ失敗の繰り返し。
禁忌を平然と犯す。ダメだと分かっていてもまた犯す。
人の業は深い。
人の欲は留まることを知らない。
権力を得るため、力を手に入れるため、自分の欲を満たすためならなんだってやる。やってします。
そして、一つの欲を満たせば、また次の新たな欲が。それも満たせば、また次、そして次から次へと大きくなっていく。
そして、ここにも力に魅了されたものがいた。
「ヒヒヒ……!こ、これで、俺も!」
男の名は、バルヒム。歳は、37。若い頃から神童ともてはやされ、なんでもできた。そして、親が冒険者だったため、自分も冒険者になり、名を上げた。
だが、気付いてしまった。自分の才能の限界に。
30を超えて若い子らを見ていると、いつも思う。なぜこんなにも才気溢れているのか、と。
バルヒムは、自分の周辺では一番の才能があった。それは、間違いない。だが、それ以上の才ある若者もいるというだけだった。
もっともっと努力すれば、その域へと行けると思い鍛錬をしていたが、今以上には強くなれなかった。
今から5年前から、自分だけで、強くなれないなら外から持ってくればいい。そう考えるようになった。
それから、邪道と言われる力や、特に悪魔召喚の書物を漁った。
だが、国にも悪魔についてのことを書いてあったとしても、機密も機密事項だろう。おいそれと調べれるはずもない。
だから、自分の力を使い国に取り入った。
瞬く間に長の地位まで上り詰め権力をも手に入れていた。
だが、バルヒムの欲はそんなものでは満たされなかった。人の命を国さえも思い通りに出来る、その力に、それほど魅了されていた。
そして、ついに、悪魔を呼び出す方法を知った。
そして、行った。村人数百人を犠牲に。
そして、何度も失敗した。
足りないかった。贄が。
そう考えたバルヒムは、今度は千の贄を用意しようとした。その時だった。
突如頭の中に声が響いた。
『千では足りぬ。万を集めよ』
そして、召喚陣の描き方までもが頭の中に浮かんできた。
計画を練った。最大限に自分の持ちうる力を全て使い、望みの贄を用意しようとした。
なぜ、こんなにもすぐに理解し、どこの者とも知れない声に従っているのかというと、声と同時に感じたからだ。その圧倒的なまでの力を。
そして、ついに、今全ての条件は、整った。
1万の贄を集めた。村から、街から、子供から大人から、奴隷まで、年齢問わず集めた。中には、貴族の子女子息もいるが、まあいいだろう。
直径5mにも及ぶ魔方陣を描き、自分の血を魔法線に垂らす。
ぽたん。ぽたん。と落ち、白い魔法線を赤く染める。
地面に手を付き、魔力を流す。
魔法陣に魔力が注がれ、紅い光を立ち昇らせる。
「おお!ついに……!ついに、この時が!」
バルヒムは、喜んだ。
一つの街に集め、その街の中心に陣を用意し、その効果により、1万の人間の命を奪い、魔方陣を発動させる。
言葉にすれば、これだけだが、それまでにとても長い時間がかかった。だがそれも、もう終わる。
光が大きくなり、目を開けていられず閉じる。
「くっ……」
徐々に光が収まり、目を開けると、そこには何もなかった。
「は?」
目を疑い、何度も見返す。
「え?………なんで?な、なぜだ!?」
狼狽え、残りの魔力も注ぐ。
「クソックソックソッ!!!なぜだ!これでよかったはずだろう!?」
語りかけてきた主に対して、怒鳴る。
今もどこかで聞いているはずだと、辺りを見渡し喚き散らす。
と、その時、バルヒムが願っていた声が空間を震わせ聞こえてきた。
『よくやった。人間よ』
「ッ!?どこにいる!?出てこい!お前の言う通りにしたのに、召喚出来ていないではないか!?」
「ここだ」
不意に後ろから声が聞こえ、振り向く。
「ひっ……!」
思わず、悲鳴を上げてしまった。
死そのものが形をとったようなその異様な姿に恐怖した。
「よくやったと褒めよう。人間とは、愚かだな。尽きぬ欲望に周りが見えていない」
「なんだと!」
怒りが恐怖を超え叫ぶ。
「今まで、余のためによくやった、と言っている」
「何を言っている!!!」
「その陣は、悪魔召喚の陣ではない。それは、余にしか発動出来ない類の陣だ」
「召喚陣……!では、ない……?だと?」
ゆらゆらと、足元が不安定なように、体がぐらつき尻餅をつく。
「ああ、これはな……」
その骨の手を陣へ突き出し、黒い魔力を注ぐ。
「なんだこれは………!?」
「黙っていろ」
赤黒い光を放ち始め、光が天まで届くように立ち昇る。
「おお、ようやくだな……こい!」
眼も眩む光が弾け飛ぶ。
収まった後に、魔方陣の上に一つの人影があった。
「だれだ?我を喚んだのは?」
「ほぉ、あの程度の贄でこれ程の龍を召喚出来るとはな」
「そこの骸骨は、我が何者か知っていて喚んだのだな?」
「ああ、よく来た……神龍よ」
神龍。神が創った龍だが、それの他にも、自然と産まれた龍もいる。魔力溜まりの魔力を喰い、産まれた魔物は、一線を画す力を持ち、産まれてくる。
そして、今召喚した神龍もそうやって産まれた類の神霊だ。その中でも限りなく可能性が低い突然変異として。
「なるほどのぉ」
「それより、どうした?その姿は?」
そう、現れた神龍、完全なロリッ子の姿だ。頭には、一対の角があり、胸と大事なところは鱗で隠している。
「これか?まぁ気にするな!」
「それもそうか……とにかく余に従え」
「ふん!ことわ、分かりました。………は?」
「うむそれでよい」
「キサマァ!何をした!?」
「何、神龍クラスだからな。力で躾けるのも面倒だと思ってな。召喚陣に、隷属を組み込んでいた」
「ナンダトォ!?」
愕然とした表情で、地団太を踏む。
こうしてみれば、完全に子共に見える。
「名前はなんだ?」
「くっ、誰がキサマ、シェダルハーダです。……ムッキィー!!!」
「フハハハハ、よいよい!なら、シェーダと呼ぼう」
「勝手に略すな!」
顔を怒りに染め、怒鳴る。
「よし、行くぞ!」
「行かぬわ!っておい!勝手に!?体が勝手に動くぅ!?」
「当たり前だろ?余の命令には歯向かえんぞ」
「ぐぬぬぬ」
唸りながらも、体の自由が利かず、行きたくないのに行かされる屈辱を味わいながら、進む。
「余は、ヨルダウトだ。今日、今この時よりお前の主だ」
「誰がキサマなんぞ……ギョエエエエエエエ!?」
「言い忘れていたが、余に敵意や反抗すると、激痛が走るぞ」
「がっ……はぁはぁ、先に言わんか!!!」
神龍にまで、痛みを与えるとは、恐ろしい効果だ。
「ちっ仕方ない。ご主人サマ!で、そこに転がっているのはなんだ?」
「ん?」
シェダルハーダに言われ気が付いた。
この儀式を行うにあたって一番の功労者の存在のことを。
シェダルハーダが現れた瞬間、暴力的なまでの魔力で周囲を威圧し、その時に、バルヒムは失禁しながら気を失った。
「ふむ。あの威圧は人間が耐えうる圧ではなかったが……ああ、余の結界のせいか。命だけは助かったようだが、もう用済みだな」
指先をバルヒムに向ける。
すると、バルヒムの体が、爆散した。
「うへぇ、えげつないやり方をする」
「なにがだ?」
「別に。ご主人サマのお好きにどうぞ!」
プイッとそっぽを向く。
「シェーダ。お前の歳はいくつだ?それに、どこから召喚された?」
「歳を乙女に聞くとは!来たところは、神界からだ」
「まあ強制はしない。しかし、乙女と言える年齢でもなかろう。それに、外見はガキではないか」
「ガキゆーな!!!」
ドカドカと地面を踏みつける。
その衝撃で、軽く地震が起こる。
「静かにしろ」
「うぐっ、ギギっ……ふん!」
強制的に自由を奪われ、動きが止まる。
頬を膨らませ、ぷくぅとする。
その仕草が子供だとは、気付いていないのだろう。
「それで、我を喚んだのは、理由があるからであろう?」
「そうだった。今から、魔王に会いに行くぞ」
「は?」
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