可愛い過ぎる私の婚約者 婚約者とヒロインの迷走
一人語りです
えっ?えっ?レオンクラウド様の婚約者が、悪役令嬢じゃない?
どういうこと?
家に帰って、出版されたばかりの貴族名簿をせっせと捲った。
ラーシアカ公爵がない。伯爵と子爵はあるけど。
何かして降格したみたいね。
悪役令嬢ももう修道院送りになってる。
ゲームでもけっこう悪どいことしていたから、バレたのかしら?
ゲームに影響ないといいのだけど。
あっ!家系図載ってた。
ティッオ様のお母様は、やっぱりラーシナカ家の人ね。
イハヤタカ侯爵にも庶子の方が嫁いでいるわ。
確か、悪役令嬢の兄、青銀の騎士エドヴォルド様の母親はイハヤタカ家の人だったわね。
エドヴォルド様も隠しキャラ。私の推し、唯一。
魔力の強い子が欲しくて、現当主の従妹を無理矢理だったかしら?だから、イハヤタカ家と仲が悪いのだったわよね?
で、第三夫人の子エドヴォルド様はイハヤタカ家特有の銀髪、青い瞳でラーシナカ家では特異な容姿をしていた。それを悪役令嬢に苛められていたのよね。
じゃあ、あの青銀の髪の方は、イハヤタカ家の方なのかしら?
イハヤタカ家は・・・、あった!
アンタイルは、知っているわ。
レオンクラウド様の協力者。優れた魔道具の作り手。
末っ子が私と同じ歳。
きっとこの人ね、レオンクラウド様の婚約者。
悪役令嬢がかいないから、その代わりかな?
ラーシナカの血を引いていて、ティッオ様の従姉妹で、条件ピッタシだし。ゲームの内容がかわらないように代替え。
うん、きっとそう。
この人なら、ティッオ様にもレオンクラウド様にもエドヴォルド様にも関係しているから。
だって、ここはゲームの世界。その通りになっているはずだもん。
あれ、何故、私は上級の教室に移れないの?
だって、ゲームでは教師に認められてすぐだったじゃない。
何故、失敗するの?
完璧にして、悪役令嬢から意地悪をされるはずなのだから!
どうして?どうして?どうして!
何故、うまくいかないの!!
「大丈夫ですか?」
近くにイハヤタカ侯爵令嬢がいた。
あなたが、私を苛めないから。
手を伸ばしたら、強い静電気みたいなのが。
なにこれ?体が痺れて、力が入らない。
ティッオ様、助けて!
あっ!レオンクラウド様だ。
助けて、あなたの婚約者にやられたの。
えっ、私が悪いというの?
イベント通りに行動しているのに?
可笑しい!間違っている!
私はヒロインなの。認められて、この教室に移ることになるの。
平民がいるのに何故私がいたらダメなの?
学力?十分なはずよ。ゲームではそうだったのだから。
試験なんて受けなくても十分だと言われるはずなの!
可笑しい、間違っている、平等じゃない!!
何故、ゲーム通りにしているのに!
ティッオ様、何か言って。
私が出ていくの?
レオンクラウド様にみっともないからって、悪役令嬢が連れていかれる場面なのに!
間違っている!
小話が思い浮かばないほど、いっちゃってるヒロイン。
現実世界でいたら、怖いです。