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龍くんとコウノトリ  作者: もふっとな
≪高校生編≫
21/27

2匹の龍とコウノトリ

コウノトリの原作に載っていたのは小さな子供たち。

子供たちが地上を観察して、悲しい思いをしている大人たちの中で、気に入った人に会いに行く。そんなお話だった。

会いに行く時に使っていたのが絵本にも登場するコウノトリだ。

コウノトリの背中に乗って空を散歩しながら、赤ちゃんは次第に眠りに落ちていく。

次に気が付いた時には母親に抱かれ、無邪気に笑う姿だった。

コウノトリは何人も何人も運び、人間以外にも数多くの動物も運んでいった。


そんなコウノトリの最後のお仕事は、白と黒の龍の親を見付ける仕事だった。

2匹は選り好みをしているのか、中々良い両親が見付からない。

そうすると必然的に一緒に過ごす時間が増えていく。

2匹の龍とコウノトリは種族を越えて友達となり、いつの間にか黒の龍とコウノトリは相思相愛になっていった。


コウノトリは2匹の両親が見付からなければ、いつまでも一緒にいられるのに……と考えてしまうようになった。

でも、ここにいても2匹は無駄に時を過ごすだけだ。

別れたくないのに、別れなければならない。

そんな苦しい気持ちを吐き出すと、コウノトリの頭上から声が聞こえてきた。


「君は、2匹が好き?」

「……はい。私は2匹が大好きです」

「でも君は、2匹のために別れようとしているんだね?」

「はい。でももし、もし可能なら……一緒に過ごしたい……」

「そうか。なら、少し年月はかかるかも知れないけれど、必ずその時が来るよう祈ろう」


そんな日はきっと来ない。

そうホロホロと涙を流すコウノトリは、2匹がシャボン玉に包まれているのを発見した。


「残念だが、時間切れだ。彼らには2人で生きてもらうようにしよう」

「せめて、せめて、お別れをさせてください」


コウノトリの願いは通じ、大きなお山のてっぺんに落ちていき、今もシャボン玉の中で眠っている2匹にソッと話し掛けた。


「いつか君たちといれるくらい、私は強くなるから。私はいつも見守っているよ」


いつか僕も素敵なお友だちや家族に出会いたい。

それが2匹だったらどんなに幸せだろう。

コウノトリは2匹の額に口付けを落とし、涙を流しながら別れていった。


読み終えた光希はポロポロと涙を溢す。

仲良くなって離れて……それでも強くなって見守りたい。

そんなコウノトリの気持ちが痛いほどよく分かる。

何だかコウノトリと自分は良く似ている。

それにお山のてっぺんに落ちていった2匹の龍は、達哉と壮真に似ているような気がして、フフッと微笑んだ。







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