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哀しみの向こう側  作者: たい焼きと宝石
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2.頼み


「ってか、俺の名前聞けよ!」


「ん?」


「ん?じゃねーよ!」


「ああ、で、アンタだれ?」


「かーっ!なんっかボーっとしてんなお前。

まあ、いい。そうだな。あーディオ、そうディオって呼べ。」


「わかった。ディオ」


二人は食事を始める。

ヤーヴェは小さい町だがここ宿屋一回にある酒場はそれなりに混雑している。

ディオは酒を何杯も注文しながらテーブルの上の皿をたらい上げていく。

一方シバは黙々と料理を口に運んでいる。

ここに来た時間が遅かったため食事が落ち着いたころには当たりの客は全くいなくなっていた。

やはり辺境の町の夜は早く終わるようだ。


「なあ、アンタかなり強いよな。」


ぼそりとシバが言う。

話しかけられたのが初めてだった為不意を突かれたようにディオは目お丸くしたが


「まあ、ほどほどにはな。」


それを聞いたシバがすでに片付けられたテーブルに一振りの剣を置く。

剣を目にしたディオの目が鋭くなった。


「頼みがある。この武器の使い方を教わりたい。」


「それはお前さんの武器じゃねえんだな?そいつはどうした」


「これは兄上に頂いたものだ。」


「なら兄上とやらに教わればいい。」


「兄上はもういない。

一年前に他界した。

以前使っていた武器は手元にもうない。

手に入れることも無理だと思う。

この武器は形こそ似ているが使い方がまるで違う。

正直どう使えばいいかわからない。」


なるほどなとディオは思う。

この世界には人に牙向く生物が多数存在している。

野生の獣、魔獣、アンデットなんやかんや。

二人はヤーヴェまでただ歩いてきたわけではない。

幾度かそれらの襲撃を受け戦闘をこなしていたのだ。

ディオから見てシバの動きは驚嘆に値したが武器の扱いに関してはまるでなっていなかった。


「まあ。話は分かった。だがもう夜も遅い。

お前さんも俺も言うまでもなく疲れてるよな。

今日はもう休んどけ。部屋は二階にとってある。」


それを聞くとシバは無言で二階の部屋に向かっていった。


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