1.出会い
つたない文章笑ってやってくださいw
では哀しみの向こう側始まりまーす。
雨が降る。
今の自分には空が泣いているように感じる。
この森を彷徨い歩いてどれくらいたつだろう。
「よう、お前さんずいぶんシケた面してんな。」
顔を向けると大木を背にボロ切れのようなマントを身に包んだ男が座っていた。
「アンタに言われたくないけどな。」
男の顔は言葉とは違い血色が悪くやつれているように見える。
特に瞳には深い悲しみのような彩が感じられた。
「フッ、大したモンだ。こんな場所で俺のような見ず知らずの男に声をかけられて警戒しないとわな。」
「危ないヤツなのか?アンタ」
「そういうことじゃないが、ッ!」男が目を見開く。
「お前その右・・」
「ああ、これは生まれつきだ。」
男は先ほどの表情とは違い真剣な面持ちで立ち上がった。背が高くマントに隠れて見えないが何か大きなものを背負っている。
(いたんだな。ホントに・・)
ここに二人の男が運命に導かれるように出会いを果たす。
すでに雨は上がっていた。
「これからどこに行くんだ?」大男が聞く。
「特に当てはないが、森を抜けてどこか村か町があれば寄ろうと考えていた。」
大男と話しているうちに漠然とした目的を思い出す。
「この近くだとヤーヴェだな。
その様子じゃあ道わからないんじゃないか?
よけりゃぁ送るが?」
「言っとくが金目のものなら持ってないぞ。
無駄足になってもいいなら頼む。」
「はっはっは!そのきがあったら今頃お前さんの頭は足元に転がってるな。
まあ、そのセリフが聞けて安心したよ。
じゃあ、とっとと向かうか。」
二人は町に向かって歩き出した。
「お前さん、名前は?」
「シバ」
シバと名乗った少年を横目で見ながら歩を進める。
年は15.6といったところか。
年齢の割に落ち着いて見える。
(というより感情あんのかコイツ。瞳の彩もまるで抜け落ちたみたいに見えるな。)
そして何より明らかな異常性が彼にはあった。
少量ではあるが赤黒い染みがついた衣服。そして、
(血の匂いがするな。おそらくコイツのじゃぁないな。
複数を殺ってるはずだ。相手は何だ?)
男たちは無言で街への道を進んでいく。
途中ちょうどいい池があったので。大男はシバに体と服を洗うように指示をする。
こうして目的地のヤーヴェに着いた頃には夜の街の明かりが二人を照らしていた。