表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

モンスター撃破

 俺は林の中を歩いている。隣に黄狼族のシアを連れ、猪の肉を担ぎながら。


「なあ、シア結構重いのだが。」

「シノブが運んでくれると言ったのだろう。」


 数分前の自分を恨む。女の子が巨大な猪を数等分しているとは言え運ぼうとしているのだ、それは手伝うと言うだろう。しかし、これが間違いだった。シアとそれぞれ30kgずつ程度はあると思われる塊を担いでいるのだ。重くない訳ない。


「それにしてもシノブの魔法は凄かったな。」


 ワイルドボアを仕留めた火魔法を褒めてくれているのだ。


「あれはシアがやれって言ったからやったんだ。ファイアーボールの威力があれ程とは思って無かったよ。」

「いや、ファイアーボールにはあそこまでの威力は無いぞ。そもそも逃げる為の目くらましになればと思って言ったのだ。ワイルドボアは火魔法を嫌うしな。」


 そう言えば。仕留める前にシアは逃げるって言っていたな。


「じゃあ、何であんな威力に・・・?」

「シノブの魔力が凄いのだろう。我々黄狼族は魔法は得意としないからな、純粋に憧れるよ。」


 俺への呼び方も貴様からシノブに変わっている。俺だけシアと呼ぶのは何か違うと思い提案してみたらあっさりOKとなった。


「俺の魔力ってどれ位なんだろ?」

「ギルドで調べた事が無いのか?普通10歳になったら全員ステータスを調べるだろ。」

「いや、調べた事ないし、どうやって調べるのかも知らない。」

「・・・・・まさか、シノブは希人きじんか?」

「希人?」


 シアは少し驚いたような表情で聞いてくる。当然俺が知る訳も無く聞き返す。


「我々の国にはこの世界?と呼ぶのだったかな、まあ国より大きな物を指すようだが、その世界とは違う世界から来た者達の事をそう呼ぶのだそうだ。」


 シアの説明が続く。


「その希人は元々魔力が強いのが特徴で魔力以外も鍛えれば常人より遥かに強い力が付くそうだ。また、希人は確実に人族で他の種族の希人はいないらしい。しかも他の世界から来たせいか最初はあまり常識が通用しなかったって村長に聞いた。」

「・・・ん~。多分その希人?って俺の事だと思うよ。」

「やっぱりそうか。シノブ、暫く村で暮らさないか?」

「え、突然何で?」

「今、村の周りには結構強い魔物が多くて大変なんだ。戦士の皆が駆除してくれているけど、怪我で戦えない戦士も増えているし、このままじゃ村が魔物に潰される。シノブなら少し鍛えれば直ぐ強くなるだろ。魔法だったら今でも相当強いし。頼む。」

「国は動いてくれないのか?」

「ここは自治区だ、国は動かない。それに黄狼族に限らず獣人族は己の強さにプライドがある。助けを求めるくらいなら滅びた方がマシと考える者が多い。」

「俺は良いのか?」

「私は助けを求めず滅びるのを良しとしない。それに他の部族ではなくシノブ1人だ。」


 何か屁理屈っぽいな。


「でも、勝手に村に住む事を決められないだろ。しかも俺が確実に希人って決まった訳ではないし。」


 少し考えた様子を見せるシアだが直ぐに明るい顔で、


「分かった。では村に帰ったら村長に聞いてみよう。ステータスもその時調べて貰えばいい。」

「了解。」


 その後、シアが取り留めのない最近の村の出来事などを色々話してくれた。

 話好きらしく色々喋ってくれるのでこちらは話さなくて良いので楽だ。気のせいか担いでいる肉の塊も少し軽く感じることができた。

 それにしても明るく話すシアは本当に可愛い。つい犬耳を撫でたくなるが鉄の理性で我慢する。





 -------------------------------------------------------------------

 ここまで読んで頂きありがとうございます。

 今回は少し短めです。

 時間があれば極力アップしようと思いますのでよろしくお願いいたします。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ