プロローグ
初めて作品を書いてみました。正直、下手の横好きですのでゆる~く見て頂けるとありがたいです。
よろしくお願いいたします。
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気づいたら林の中だった。
木の枝に引っかかっているのだ。
空中から木の上に投げ出されるとちょうどこんな感じになるだろうか。
木の枝も細かく分かれており体全体を支えてくれている。
木の葉の絨毯が自分の下に広がっている感じだ。
「・・いてて・・・・・」
よく見ると手や首、顔にも細かい傷ができている。
俺は何故こんな場所にいるのだろうか?
今日は仕事が休み、天気も良かったからツーリングでも行こうかと愛車のバイクにまたがり出かけたのだ。
会社の同僚や学生時代からの友達も皆予定があるそうだ。妻とは最近会話もあまりなく1人娘もすでに親と遊ぶ年でもない。1人で出かけた。
山間の紅葉スポットを回りながら景色を楽しんでいるとカーブで対向車がセンターラインをはみ出しこちらに向かってきた。ドライバーは完全に景色に夢中でこちらに気付いていない。ドライバーは高齢者らしく隣の妻らしき人と景色をみながら話に夢中だ。
「ジジイ!?・・・クソ」
バイクを倒し避けようとしたが間に合わずバイクと一緒に対向車のボンネットに乗り上げる。ジジイの驚きの表情が一瞬見えたが、そのまま空中に放り出された。
下を見るとすでにガードポールを越えて崖になっている。
「これは死んだな・・・」
走馬燈など見えず、ただ周りの景気だけはやけにゆっくり見えた。そのまま恐怖に耐えきれなかったのだろうか、意識を失っていった。
「ああ、崖から落ちたのか。・・・良く死ななかったな。」
自分の引っかかっている木の下を見たがバイクが無い。
「あれ、一緒に落ちたんじゃ。」
もう一度周りをよく見てみる。
「あれ、落ちた崖も見えねーぞ」
周りを見回しても自分が落ちた崖が見えない。いくら木の途中で引っかかっており、周りの木が邪魔とはいえ崖は20m程度はあったはずだ。上の方を360度見渡せば見えるはずだがまるで見えない。
おかしい。とはいえ何時までもここにいる訳にもいかないので木を降りようと思っていると車と接触した際に打ったのか腕が結構痛い。袖を捲り上げると結構腫れていることが分かった。
無理をすれば木を降りることもできるだろうとゆっくり木を降り始めた。腕が痛いので時間がかかる。
「クソ。最悪だ。」
木を降りている途中、草むらからガサガサ音がするのに気付きそちらを見る。レスキューが来たのかと安堵するが次の瞬間固まる。
女の子が居たのだ。しかし、それだけなら固まるまでにはならない。緑のシャツの上に厚手のベストにスカートと一瞬エルフかと思うような恰好、それに弓を肩から掛け、剣、ショートソードとでもいうのかを右手に持ち。まあこれもまだ大丈夫。
しかし、犬耳が左右に垂れ下がり。それも頭の上から。尻尾も生えている。それ以外は普通の人間と変わらない、髪を肩まで伸ばしブラウン。垂れ耳と合わせてゴールデンレトリバーを彷彿とさせる。目は若干垂れており日本人寄りで目鼻立ちは高くない。しかし可愛い。
え?コスプレ?・・・と思っていると、
「貴様、何者だ。ここは我が村の狩場だぞ。他所の者が勝手に入ってくるとはいい度胸だ。」
狩場?今時?しかも剣と弓矢で?
頭の中が真っ白になり完全にパニック状態である。
「何者だと聞いている。殺されたいのか。」
殺されたいのかの言葉でようやく頭が回り始める。
「ちょっと待って、話すから。その前に木から降ろさせて。」
木を降りながらなので木の幹を抱いている状態。かなり間抜けな恰好になっている。恥ずかしい・・・
「降りたら余計な動きはするなよ、変な動きをしたら矢を射るからな。」
矢を弓に番えこちらに向けている。
ようやく木から降りる事に成功し安堵のため息を一つ。両手を挙げて尋ねる。
「そちらを向いても良いか?」
「ああ、ゆっくりな、ゆっくりだぞ。」
ゆっくり向きを木から女の子の方へ向ける。
「それで、貴様は何者だ。」
「俺は、甲斐 忍しがないサラリーマンだ。」
「かいシノブ? それはどこの国の名前だ。サラリーマン、とは何だ。」
「ちょっと待て、先に質問させてくれないか?」
「何だ。」
「その、耳と尻尾、本物か?」
「当たり前だ、我が黄狼族の事を愚弄するのか。」
いや、こうろうぞく?狼?垂れ耳で?ありえないだろ。
「貴様、何が言いたい。」
「いや、すまん。馬鹿にしているとか愚弄しているとかそんなのでは無いんだ。そう感じたなら謝る赦してくれ。」
「ところで、ここは何処なんだ?俺はバイクでツーリング中に崖から落ちてきたはずなんだが・・」
「バイク?ツーリング?何だそれは。それに崖などこの辺りにはないぞ。」
崖がない?では、俺は何処にいるんだ。
俺、これからどうなるんだろう・・・
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ここまで、読んで頂きありがとうございます。
冒頭にも書きましたが下手なのが分かっていますが自己満で書いています。
あまり、手痛いコメントは勘弁下さい。
宜しくお願い致します。