短編2-密室…?-
短編二本目です
「甘いものが食べたい」
リトはふと、呟いた
「リュウ、甘いもの「ホタルといけ」…ぶー」
有無を言わさず断るClownに対し頬を膨らませる
「…コーヒー美味しいとこなのにな」
そう呟くと、Clownは突然立ち上がった
「行くぞ」
(コーヒーに目がないからこうやって言えば付き合ってくれるんだよね)
「なぁ、リト」
Clownはコーヒーを啜りながら対面に座っているリトをちらりと見た
「それ、食えるのか?」
目の前には生クリームてんこ盛りのパンケーキ
「…頼んでちょっと後悔してる」
チャレンジメニュー!と書いてある貼り紙を見て、やるしかないと意気込んだのはいいのだが
実物は写真とは比にならないくらいの生クリームがこれでもかと乗っている
「ひとりじゃ厳しいかも」
「お前が食えよ?」
「うぅ…」
正直、甘いものはあまり量を食べないのだが、勢いで頼んでしまったこともあってリトはしぶしぶとナイフとフォークでパンケーキを食べだした
十分後
「甘い…」
リトは顔を顰めながらフォークを口に運ぶ
Clownは何杯目かわからないコーヒーを啜りながらため息をついた
「…少しなら手伝ってやる」
「じゃあどうぞ」
リトはパンケーキをナイフで一口程度に切り、生クリームをたっぷり付けてフォークで刺す
「あーん」
「…」
渋々と口を開けるClownの口に、フォークを入れる
その瞬間、Clownは眉間にシワを寄せた
「…甘いな」
さらに十分後
「ねぇ、リュウ」
「なんだ」
このカフェは珍しく個室制で、ドアにロックはかからないが完全にふたりきりの状態である
「……飽きた」
「お前が頼んだんだから残さず食え」
目の前の皿にはまだパンケーキが残っている
「だってこれ以上食べられないよ?」
「お前なぁ…」
Clownはため息をつき、啜っていたコーヒーを一気に流し込む
「寄越せ」
「へ?」
半ば強引にナイフとフォークを取り上げると、まるで丼を食べるかのごとく一気にかき込んでいく
「…っ」
「え、リュウ、大丈夫?」
ものの数秒で、皿にあったクリームとパンケーキはClownの口の中に吸い込まれた
「…ふぉーふぃー(こーひー)」
「え、あ、うん」
自分が飲んでいたコーヒーを差し出すと、Clownはそれを口に流し込んだ
「あー…帰るぞ」
「う、うん…大丈夫?」
「二度と頼むな」
その日1日、Clownは期限が悪かったという
甘いものは基本的に苦手です
…なんで書こうと思ったんだろうか俺