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負けるな、ブサメン  作者: 音子
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閑話

閑話


今日は公女と一緒にアニメ鑑賞をする約束をしていた。

まさか、アニメを公女と一緒に見る日が来るとは。

俺がアニメ好きだと知っていて、それで話を振られた俺はついついアニメについて熱く語ってしまったわけで、それならその作品を見たいというので俺はいつになく張り切っていた。

俺の屋敷にある大型のテレビに音響まで気を使った自慢のアニメ鑑賞用ルームがある。

部屋にはたくさんのフィギアやDVDもあるわけで、それを見せるのはさすがにあれかと思って、片付けた。(と言ってもクローゼットに押し込んだだけだが)

メイドたちは、俺の部屋を魔の巣窟のように言っていて、そこに公女を入れることを止めたがったが、俺だって、そこは考えている。

カーテンを開け、窓を開け、ソファーには消臭スプレーをかけ、公女の到着を待っている。

ソファーに並んで座るなんて、恋人みたいだ(いや、婚約者だけど)。それに、一緒にアニメを見るなんて、俺の夢だ。

アニメ見終わった後は・・・もしかしたらちょっといい雰囲気になって・・・・き、キスとか・・・・できちゃうかな?そ、それからそれから・・・(自重)

グヘヘ、と笑いながら消臭スプレーをかけていると、後ろから冷たい視線を感じた。振り返ると、若いメイドが半眼でこちらを見ていた。

今まではメイド長ぐらいしかメイドと関わらなかったが、公女とのことがあってから若いメイドとも交流がある。

てめぇ、自重しろ、とメイドの顔が言っている。

わ、わかってるよっ。でもさ、20代の男が考える事なんて、そんなもんなんだよっ。

「公女様にはこちらの紅茶とこちらのお菓子でよろしいでしょうか?」

「う、うん。いいと思う」

「かしこまりました。では、公女様に是非感想をお聞き下さい」

何か、公女ってうちのメイドに人気なんだよね。

まぁ、流行の最先端行ってるらしいし?

後になって知ったことだが、公女は流行を作る側だったらしい。そして、その振る舞いや言動は一部の女性から「お姉さま」と言われ、とても人気があり、公女の次の相手が俺であることを良く思ってなかったとのことだった。


とにもかくにも、準備は整った。

どのアニメを見るかも厳選に厳選を重ねて選んだ。

友情ものの、涙なくしては語れない、感動ストーリーだ。腕を組んで、うんうん、とうなずいていると、公女がやってきた。

俺はすっ飛んで公女を迎えに行く。一応部屋までエスコートをするわけで。公女がそっと俺の腕に触れるわけだが、それだけで、もうどうしようもなく心臓がうるさくなるわけだ。

今日の公女も、美しく、そしていい香りがする・・・

思わず鼻の下を伸ばしてだらしない顔をしていると、そばに立っていたメイドたちからブリザードの視線を浴びてしまった。

うぐっ。自重自重・・・

部屋へ到着し、メイドがお茶をついでくれて、そして2人で並んでソファーへと座った。

やばい、手汗が半端ない。リモコンを持つ手が震える・・・

「いい香りのお茶ですわね」

「えっあっはい、えっと、紅茶好きのメイドがブレンドしたとのことで・・・ぜひ感想を知りたいと言ってました」

「そうなのですか。では後でお話ししておきますわ」

ニコリと俺を見て微笑む公女に俺の心臓はパンク寸前だ!エマージェンシーが鳴っている。

落ち着け、落ち着けオレェェェェ。

「えっと、今日見るのはこのアニメで・・・」

咳払いをして、うるさいぐらいの心臓音を聞きながら、俺はアニメの説明を始めた。と、その時だった。

ガラガラっと何かが崩れる音がした。

思わず顔を見合わせる俺と公女。

そして、俺に目に映る、クローゼットの扉が膨らむ様子。

「うわぁぁっ」

俺は猛ダッシュでクローゼットに走った。が、見事に間に合わず、フィギアやDVDその他諸々の雪崩の下敷きとなってしまった。

「まぁっ大丈夫ですか?!」

公女が俺の方へと近寄ってきて、DVDとフィギアを見た。

それらのほとんどが、幼い顔をして、ふんわりした幼女っぽいもので。

頭真っ白の俺の前で、公女がスクール水着姿の幼女のフィギアを拾う。

そして沈黙・・・

「閣下は、このような方が好みですの?」

ぺったんこで幼くかわいらしい容姿のフィギアたち。ボンキュッボンの少々きつめと言われるが美しい顔の公女とは、まったくもって正反対だ。

「いえ、あの、その」

「わたくし、今日はこれで失礼いたしますわ」

うわあぁぁぁぁぁぁぁぁまってぇぇぇぇぇぇぇ

雪崩からはいずり出た時には公女は部屋から出て行ってしまっていた。そして、外で控えていた執事とメイドからは今日一番の冷たい目視線を浴びたのだった。


その後、メールをした。

とにかく、言い訳めいた支離滅裂な文章だったが、要訳すると、あれは捨てるつもりだったものだ、今はもう必要ない、という意味だ。

公女はきっと頭がいいから理解してくれたに違いない・・・・

本当は幼女萌~だったのだが。捨てる気など1ミリもなかったのだが。だがしかし、俺は公女との未来を取るっ。さらば幼女たち!


俺に後悔はない!!

断じてない!!


その後公女から返事を見て、俺は思わず鼻血を出してしまったが、これはしょうがないと思う。

『よかったですわ。わたくし、かわいらしいものが似合わないので。

先ほど髪をツインテールにしてスクール水着を着て見たのですが、まったくこの人形とは似つかわない感じでしたの』


レイラのスクール水着姿、私も見たい(笑

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