敵との遭遇
「ガントについては色々な噂が飛び交っているが、『道場喰らい』という忌み名の示す通り片端から道場破りを仕掛けては看板を奪っていく、という蛮行は真実らしいな」
封印跡地にて。
俺は任務の最中、小休止を取ってカリウスさんと会話に興じていた。ミィルも一緒だ。
「冒険者街では道場破りはそれほど珍しい話でもないがな。こうした街は昔から実力主義的な風潮が強く、弱いものは奪われ強きものが奪うという空気がどんな時代でも少なからず存在するものだ。道場側が挑戦を認めて行われた場合は公式の試合として扱われるため、ギルドの権力が及ぶものでもない」
「つまり、ガントの道場破りはギルドの規則などになんら反したものではないってことですか?」
「そういうことになるな」
と言いながらカリウスさんは首を縦に振る。
「でもさでもさ。それって道場の人が負けたらどうなるの?」
「言うまでもなく看板を奪われる。場合によっては道場を追われることもある。それに、看板を一度奪われた道場は権威が落ちるため凋落していく傾向が強いな」
「……そんなリスクがあるのに、道場破りを受けることって意味があるの?」
「力の証明、だ。冒険者にとって、そして冒険者街にある多くの道場にとって、力を証明することは箔をつけるという意味で重要だ。それに多くの戦いを経験して人は強くなる。他流の人間との試合を通じて自身の力を鍛えようという目的もあるのだよ」
「今の話を簡単にまとめると……道場破りは珍しい話ではなく、ギルドの権力が及ぶことでもないため禁止することはできない。道場破りをするには、道場側がその挑戦を認めることが必要。こんなところですか?」
「そうだな。ちなみに道場側が挑戦者になんらかの要求をすることも多い。金品であることが多いな。挑戦者はその場合、負けた時には支払わねばならん」
今の話でだいたい道場破りというものがどういうものなのか理解した。
ミィルが難しい顔で腕を組む。
「えっと……じゃあ道場破りっていいのか悪いのか、結局どっちなの?」
「世間的には悪いもの、であろうな。とはいえ当人同士の納得の上で行われることであるなら、それは余人が口出しするものではないだろう」
ミィルの疑問に、カリウスさんは水筒を傾けながら答えた。
「……その割には、ガントの道場破りについては蛮行なんて言い方してますよね」
「事実、そうとしか言えないようなやりようだったからな。あの男の場合は」
「……というと?」
「百五十だ。それも、たった一週間でな」
「へ?」
一瞬カリウスさんの口にした内容を飲み込むことができなかった。
一週間で百五十……それがどういう意味の数字かは話の流れとしては明らかなのだが、どうにも非現実的なものだから脳が一瞬理解を拒んだのだ。
そんな俺の様子を見て、カリウスさんは説明を付け加えてくれる。
「この街に来てたったの一週間でガントは百五十もの看板を奪っていったんだ。ゼト市には大小合わせて三百を超える道場があるわけだが……そのうち半分をあいつは文字通り『喰らった』というわけだ」
それ以外にもカリウスさんはガントについて色々と話をしてくれた。
ガント・ベルフォール。出身は大陸北東部一帯を国土とするレオセーヌ王国で、実家は男爵家なのだという。
とはいえ祖国でのことについてガント自身が口を開くことは多くない。
元々ガントは王国騎士団に所属していたらしい。
レオセーヌ王国の騎士団といえば、頻繁に規律、誠実、実直の言葉で言い表される。騎士達は毎朝、軍服のしわの数だけムチ打ちを受けているなどと冗談で語られるような騎士団だ。
それだけに統制が行き届いており、よく指導された騎士団だということだろう。
だがガントはそうではなかった。元来気性が荒く粗野な性質だった彼は騎士団の空気に馴染むことも、また馴染もうとすることもなく、終いには嫌気が差して騎士団を抜けて国を出た――などとまことしやかな噂が立てられている。
その後は大陸各地にある冒険者街や封印跡地を巡りながら、剣の腕を磨き抜いてきたという。
ここ二~三年はこのゼト市を拠点に、街の内外問わず強者の噂を聞けば足を伸ばしているらしい。おそらくは、この街でもっとも『殺るか殺られるか』ということについて造詣の深い人物だろうとカリウスさんは語る。
強者との戦いに餓え、追い求めるその振る舞いからついたあだ名は数多い。両手の指でも数えきれないのではないだろうか。
「他にも、歓楽街の辺りで囲っている女の数は両手両足の指を合わせても足りないだとか、その体は実は樽で体に流れているのは血液ではなく酒なのだとか、数え上げればきりがないが……まあこれこそくだらん与太話か」
「は、はあ……」
前者はありえても後者は絶対ないだろうな……まあそれだけ酒豪っぷりも凄まじいってことなんだろうけど。
「にしても、聞けば聞くほど凄まじい武勇の持ち主って感じですね。まさしく叩き上げの戦士って感じで……そんな人間を、メイファンは相手にしようとしているのか」
「武を追い求め極めんとしているのは確かだろうな。一日たりとも鍛錬を欠かさないとも聞く。だがおれに言わせれば、封印跡地の中でまで酒を飲んだり、昼寝をしたりと冒険者の風上にも置けん不用心さだ。こうした場所では警戒をしすぎるということはないだろうに、あの愚か者は……」
「……こんなところで酒や昼寝を?」
「任務で一度一緒になったことがあってな。おれの目には魔物に殺されたがっているようにしか見えんかったな」
その時だ。この場所には存在しないはずの声が割り込んできたのは。
「ハッ……おいおい、随分な物言いじゃねえか、腰抜けの分際で」
「あなた、は」
「久しぶりじゃねえか、腰抜けのエルフよぉ。んで、そっちの二人はあんたの連れか?」
後ろを振り返ると、そこにいたのは少し前に訓練場ですれ違った人物であった。
……全然、気配を感じさせなかった。俺の魔力感知にも引っかからなかったし、どうなってるんだ?
くすんだ茶色をした髪は短く刈りこんである。顔つきは精悍といっていいもので野性味に満ちており、好みにもよるだろうが二桁からの女性を囲っているなどという噂が立つのも納得できる美形であった。
直接的な言い方をすれば、『男らしい男』といった見た目だろうか。こういうのが好きだという女性がいるのも納得できる。
体つきも屈強で、俺やカリウスさんより幅も高さも厚みも全てにおいて優っている。印象としては巨大だが、太っているようにも鈍重なようにも見えない。
むしろ鍛えられ、磨きぬかれたその肉体は、矛盾するような物言いになるが羽根のように軽やかな印象さえあった。
それは、その身にまとっている白銀の鎧のせいもあるのかもしれない。どこまでも荒々しい雰囲気をまとうガントだが、その鎧ばかりは清廉さを感じさせた。
「こんなところにまで来て、女子供とままごと遊びでもしてえのかカリウス。そういうのは宿のベッドですることをお勧めするぜ。なんてったってここじゃあヤってる最中に――」
「下品な与太話に付き合うつもりはない。貴様こそ、そういう話は色目を使ってくる女相手にするがいい。第一おれ達は任務の最中だ」
侮辱とも受け取れるガントの言葉を、カリウスさんが斬って捨てる。
「おーおー、つれないねえ。相変わらず気難しいこって。……んー、どれどれ」
しかしながらガントはカリウスさんの剣呑な言葉を意に介することもなく、こっちのほうに近づいてきて俺やミィルに無遠慮な視線を注いできた。
その視線が、ミィルの胸元でぴたりと止まる。
「オレとしちゃもうちょいあるほうが好みだが……まあ今後の成長に期待だな、これは。どうだお前。顔もなかなか悪くねえし、将来的には愛人にでもしてやろうか?」
「うぇ!?」
「なに変な声出してんだよ。それともオレがもっと変な声出させてやろうか? 生憎ガキは趣味じゃねえが、もう五年もしたら嫌になるぐらいヨガらせてやるぜぇ、おい」
好色丸出しの発言と視線に、ミィルが肩をぶるりと震わせる。どうやら怯えているらしい。
いつものミィルなら、『あたしはジェラルドと結婚するもん!』ぐらいのことは言いそうだが……それを許さないのはガントから発せられる強者の威圧感が凄まじいからだろうか。
とっさに俺は前に出てガントの視線からメイファンを守る。するとガントは、思わずといった様子で笑い出した。
「ククッ……カハハ! ガキンチョのくせにいっちょ前に騎士気取りか、ええ? 知ってるぜお前。噂の新人。期待の星。今や巷で有名な少年魔導師。名前は……ザコルドだったか?」
「ジェラルドです」
「ああそうそれ。じゃ、殺るか」
「は?」
呆然としたような声を上げる俺の目の前で、ガントがいきなりぬるりと剣を抜く。
その切っ先を俺に向けて、彼はニヤリと口角を上げた。
「どうした? かかってこいよ。魔導師だろうがなんだろうが、オレが斬り殺してやる」
「んな……!?」
「やめるんだガント! ここは森だぞ? いつ魔物が襲ってくるやら分からないというのに……」
「外野がガタガタ抜かしてんじゃねえ。それともテメェから殺ってほしいってか、カリウス。オレは両方と相手してやってもいいんだぜ?」
カリウスさんの話から、ガントがかなり好戦的な人物だというのは想像していた。
しかし、ここまで狂犬だったとは予想の埒外だ。まさか封印跡地で戦いを仕掛けてくるなどとは思えなかった。
「こんなところで冒険者同士で争うなんて正気じゃありません! 今の森は特に危険で……早く武器を、」
元に戻せ、と言いかけた時に気配を感じた。
しかしそれは、ガントの攻撃してくる気配ではなく、魔物が近づいてくる気配である。
そしてこの気配は……。
「ラッシュバードの群れか?」
俺は呟く。かなり厄介な魔物だ。
群れて高速で飛び回る鳥型の魔物で、羽根を飛ばして攻撃してくる。魔術的な強化がなされているのか、羽根とはいえ鋼ぐらいなら簡単に貫くから鎧も大して役に立たない。
ラッシュバードはすぐに現れた。十匹以上の群れで編隊飛行を組み、高速で空を飛んでいる。
群れて高速飛行するからこそ難敵とされる魔物だが、逆に言ってしまえばそれさえ封じてしまえば大して驚異的ではないとも言える。
そして、その高速起動を封じ込めるのは俺にとってはそう難しいことではなかった。
戦闘の一匹が何十本とこちらへ羽根を飛ばしてくる。当たればやすやすと串刺しにされてしまうことだろう。
しかしその必殺の先手を、俺は呪文を一言唱えることで一掃する。
「『乱気流』」
直後、こちらへ向かって飛んできていた羽根はポタポタと力なく地に落ちていく。
前方の空間の気流を激しく乱すことで、羽根の飛ぶ勢いを殺したのだ。
そしてその気流の乱れは、羽根だけに影響を及ぼすものでもない。羽根の後ろから続いて飛んで来るラッシュバードの群れにも、もろに大きな影響を与えた。
乱れた気流に、ラッシュバード達は上へ下へとその体を持っていかれる。必死で翼をはためかしても、思うように動くことができないでいるのだ。
となれば必然、整然と組んでいた隊列を維持することなど叶わない。それどころか、地面に激突するラッシュバードまで出てくる有様だ。
こうして動きを止めればあとは簡単。
「今です! 『風に流されぬ矢を放つ弓となれ』」
「ああ!」
カリウスさんが素早く弓弦に矢をつがえてから連射する。
弓に呪文をかけて、俺の作り出した乱気流の影響を矢が受けないようにする。
まあ、『必中の弓となれ』と呪文を唱えても良かったんだけどな。けれどカリウスさんの腕前ならこの距離で外す心配はほとんどない。
事実、放たれる矢は次々とラッシュバード達を射貫いていく。惚れ惚れするほどに見事な卓越した技だった。
「あたしも行くよ!」
地面に落ちたラッシュバードにはミィルが対応する。
すでに抜き放った剣を右手に構え、さすがの速度で駆け出した。
手際よく、とどめを刺していく。
地を這う鳥など赤子も同然。そんな油断がもしかするとミィルにはあったかもしれない。
「あっ……」
「危ない! 『風の防壁よ!』」
地面に落ちた最後の一匹が、死ぬ前に一糸報わんとばかりにミィルに羽根を撃ち出し浴びせてきた。
とっさにミィルに風の防壁を張るが、距離が近すぎたのか逸らしきれなかった羽根の一本が剣を持つ右手に命中する。
「あぐっ」
ミィルが剣を取り落とす。その隙を逃さんとばかりに、ラッシュバードが体勢を整えミィルへ飛び掛かっていった。
「危ない! 『こっちへ来い!』」
とっさにそう叫ぶと、離れた位置にいたミィルの体は、俺の腕の中に即座に収まっていた。
文字通り、俺のところまで『呼び戻した』わけだ。
その間にカリウスさんがミィルに傷を追わせたラッシュバードへ向けて矢を放つ。
ラッシュバードは、胸から血を吹いて絶命した。
「フンッ……命は拾ったか」
つまらなそうに、観戦していたガントが呟く。
だがそれに取り合う余裕は俺にはない。それよりもミィル負った怪我の具合を見るほうが重要だった。
「ぐっ……ご、ごめんジェラルド。あたし、足引っ張っちゃって……」
「そういうのはあとでいいから。ほら、さっさと傷口見せろ」
言いながら、やや強引にミィルの手を取る。傷は右手の手首をもろに貫通しており、滴る血で指先までぬらりと濡れていた。
やはりかなりの激痛がするのか、ミィルの頬は引きつり、額には汗が浮いている。
「『痛みよ和らげ。傷口を消毒せよ。流血よ止まれ。癒やしの力よここへ集え』」
立て続けに呪文を唱えると、傷口に淡い光が集まっていく。
それが消える頃には、もう傷はすっかり治っていた。
……本当は、ここまで綺麗に治してしまうと、『どんな怪我を負っても俺の魔導があるから大丈夫だ』という意識が残ってしまい長期的に見れば危険なのだろう。
カリウスさんも、よく口を酸っぱくして『使えるものは使うべきだが、安易に魔導に頼り楽をする癖がつけば命を短くする』と忠告してくるしな。
でもやはり、傷に苦しんでるミィルの姿をあまり長い間見ていたくはないという感情がどうしても勝ってしまう。それは俺の甘さなのだろう。
近しい人間が傷ついた時に際限なく甘くなるのは、きっと両親の影響なんだろう。心を鬼にするってことが俺は苦手だった。
「……ジェラルド。ごめんね」
「こういう時は、ありがとう、だろ」
「……うん。ありがと」
そう短く言葉を交わす。
「無様なもんだな。経験も実力も足りないときてやがる。冒険者なんぞやめて娼婦にでもなったほうがいいんじゃねえかあ、おい?」
後ろからガントが下品な冗談を飛ばしてきた。
だがそれは、俺にとっては許しがたいミィルに対する侮辱だった。
「……なんだと?」
「おうおう、頭に血ィ登らせちゃって青いねえ。獣人趣味の獣姦野郎かと思ったら、そっちはそっちで囲ってやがるのかよ、ガキンチョの分際で。毎晩ヤりたい放題ってか」
「うるさい! ミィルもメイファンもそんなんじゃない! 二人を貶めるようなことを口にするな!」
思わず俺は剣を抜く。
目の前の男は敵だ。メイファンから居場所を奪い、ミィルを下品に侮辱した許せない男だ。
俺が何を言われたところで、ここまで頭に血が上ることはないだろう。けど仲間を……大切と思ってる相手を侮辱されれば、それはもう戦うに値するだけの理由にもなった。
「面白えじゃねえか。ヤるだけじゃなく戦るほうも好きとは気が合うな、ガキ。ついでに、ここで俺があんたを殺ってやるぜ」
ガントも剣を構えた。俺に向かって斜に立ち、頭の上で大きく振りかぶっている。
胸も腹も見せているのは余裕の証だろうか。こちらを舐めきっているのだろうか。
……だとすれば好都合。その余裕が命取りだったと、敗北してから後悔すればいい。
俺は柄を握る手に力を込め、先手必勝とばかりにこちらから攻撃を仕掛けようとして――。
「何をしている、小僧!」
俺の頭に冷水を浴びせてきたのは、怒号のようなカリウスさんの声だった。
「ガント。貴様もだ! 新入り相手に貴様は何を熱くなっている!? それに双方、今は依頼の最中であろう? こんなところで冒険者同士、諍い合っている場合か!」
「あ……」
つい、熱くなってしまった。
でもカリウスさんの言うとおりだ。こんなところで剣を交わしても、なんの意味もない。
それにいつ魔物に襲われたっておかしくないんだ。他のことに気を取られたりしていたら、身の危険にだって繋がるだろう。
「フンッ……白けさせやがって」
ガントが興ざめとばかりに剣を収めた。
「カリウス。相変わらずクソつまんねえこと抜かしやがるな、あんた。それが腰抜けの腑抜けだっつってんだよ」
「汚名を濯ぐために命まで競りに出す気にはなれんな。おれは騎士ではなく狩人だ。汚名を厭うような価値観は持ちあわせておらん」
「ハッ、言ってろ雑魚」
最後にそんな言葉を残し、ガントはその場を去っていった。
「カリウスさん……ごめん、俺」
ガントが去った後。俺はカリウスさんに頭を下げた。
「気にするな小僧。お前の気持ちは分からんでもない」
「それでも、俺」
「お前がいなければおれが剣を抜いておった」
「え?」
「先に小僧が怒ってみせてくれたからこそ、おれまで激さずに済んだ。こちらこそ礼を言う」
「そんな……礼を言われるようなことなんて」
俺が口ごもると、カリウスさんは珍しくふっと頬を緩める。
「仲間を想う気持ちは大切にするがいい。それはいつか身を助けるからな」
「っ、はい!」
カリウスさんの言葉に、俺は心を救われたような気持ちになった。
「それとだ。ガントにはいくつもの異名があるんだが……その中に『魔導師殺し』というものがある」
「……そういうことですか」
「この異名の真意は分からんがな、危険だと思って止めさせてもらった。その様子だと、小僧には何か勘付くものでもあるみたいだがな」
「ええ」
だいたい全部つながったと思う。
辻褄も通る。
けど何となく腑に落ちないものがあった。言葉で説明することはできないけれど、噛み合っていない歯車がまだ存在するような……。
「すべてとまでは言わないですけど、ほとんど分かったと思います。持ち帰り案件な部分はありますけど……まあそれについては戻ってから考えることにしますよ」
「そうか。まあ、こんな場所でもあるからな。今は依頼をこなすことに集中するのがいいだろう」
「はい。封印跡地で他所事に気を取られたりするのは、もし不測の自体が起こった時には命取りになることがある、ですよね」
「うむ」
考えるのは後回し。
今は、任務をまっとうすることに集中しよう。
「あたし……やっぱり、今のままじゃ……」
「? どうしたミィル。まだ痛むのか?」
「っ、ううん! も、もう大丈夫! 怪我のほうはもう平気だから!」
「そうか。それでも、具合が悪くなったらすぐに言うんだぞ」
ミィルの状態によっては、少し早めに切り上げることも考えたほうが良さそうだな。
魔術師→魔導師
魔術→魔導、魔法
といった形に修正することにしました。過去話も少しずつですが修正していく所存でございます