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十国十魔剣伝  作者: 禄之羽礼
水の国編
6/9

水の国編1話

水の国チューン王国。

川や湖、そして綺麗で広大な海、綺麗で美味しい湧き水など水に関する資源を多く有する。

広大な海から採れる美味しい魚介類や美味しい水を中心とした美食、そして航海などの海の事業が盛んな水の大国である。


水の国へと歩き始めて約2日。

途中の街に寄り、宿を取るなどして休憩しつつ進んでいる。

すっかり辺りは雪景色はなくなり、若干水で湿った湿地帯を進む。

眼前には大きな川と、川を跨る形で関所が存在している。

関所はまるで橋のような形をしている。

「そろそろ関所に着きます」

関所は橋のような形をしております、その入り口には青色の服と、軽めの鎧を身に纏った兵士が二人立っている。

カグツチが馬車を止めて、兵士へと話しかける

「すみません。クリオネッタ王国騎士団の者です。

こちら通ってもよろしいでしょうか?」

「申し訳ございません。失礼ながら身分を証明するものはありますか?」

「えっと。これで大丈夫ですか?」

首元つけているクリオネッタ王国騎士団であることを示すバッジを見せる。

「はい。大丈夫です。重ねてすみません。馬車の荷物を拝見してもよろしいですか?」

「はい。どうぞ。」

兵士2人はお辞儀をし、馬車の荷台を開ける。

荷台を開けると、ラムチは少し驚いた表情を見せてお辞儀をする。

「今回はどのようなご要件でしょうか?」

「チューン王国の国王にクリオネッタ王国より嘆願があり参りました」

カグツチの回答とともに、ラムチは袋から封筒を取り出し見せる。

2人の兵士はその封筒を凝視する。

「そうですか。」

そう言うと兵士の2人は向き合いこっそりと何かを話す。

「ご協力ありがとうございます。最近チューン王国領内で窃盗が発生しており、警備を強化しておりました。大変失礼しました。お気をつけてお通りください。」

「はい。ありがとうございます。」

カグツチは馬車を進め、大きな橋を進んでいく。

橋には冷たい風と川の流れる音が響き渡っている。

「無事に通れたわね。悪いことしてないけど、こういうときって緊張するわ」

「そうですね」

「それにしても盗賊というのが気になるね。魔剣も盗むつもりなのかしら?」

「気になりますね。ひとまず進みましょう」

水の国の湿地帯を馬とともに歩いていく。

湿度はかなり高く、少しジメジメとしている。

また空も今にも雨が降りそうな曇り空であることが多い。

そしてしばらく進むと遠くに小さな街が見える。

辺りは少しずつ暗くなってきている。

街はこの時間には珍しいくらいに光を放っている。

カグツチは地図を取り出し現在地を確認する。

「恐らくチューン王国まではもう少しです。今日はあの街に泊まりましょう。姫の様子はどうですか?」

「はーい。変わらずきれいなお姿よ」

街へと向けて進んでいく。

しかし近づくにつれて、街が何やら騒がしいことに気づく。

街には一部炎がついており、悲鳴のような声が聞こえてくる。

「街で何かが起きてます!離れます!」

すぐさま馬の方向を街とは違う方向に向け走り出す。

しかし同じタイミングで濃い青色のフードを被った10人ほどが馬に乗って街を出ていく。

馬の後ろ側には大きな袋のようなものが置かれている。

袋は細かい網となっており、キラキラとした金貨などが入っている。

盗賊たちは走りながら前を走るこちらへと目線を向ける。

「獲物だ!お前ら!囲え囲え」

カグツチ達の方向に向かい、勢いよく走ってくる。

一斉にこちらへと走ってくる。

馬車とともに懸命に走るも、やがて追いつかれる。

先頭を走る3名に前を塞がれ、馬車を止めるカグツチ。

やがて四方をあっという間に馬に乗った10名ほどに囲まれてしまう。

フード越しにニヤニヤと笑っているのが見える。

ケラケラと笑いながら、集団の一人が口を開く。

フードの中からは黒いあごひげが除いている。

カグツチは馬車を降りる。

「今日は大漁だな。商人にも出会えるなんて」

「何者ですか?盗賊ですか?」

「はぁ?俺等は先祖代々続く街網漁の漁師さ。」

「?それはどういう?」

「街行って、餌まいて、金目の物を網で漁獲するんだ。今日も大漁だぜ」

馬車の中からラムチがつぶやく。

「盗賊?」

「おい!」

「誰だ!?」

「今なんつった!」

周りの取り巻きから怒号が響く。

「俺たちは漁師だ!伝統なんだ!」

馬車にいるラムチがまた呟く。

「略奪では?」

「待網漁だ!伝統だ!」

待網漁師達の怒りが燃え上がる。

先ほどのニヤけづらは消え、怒りの表情がフード越しに見える。

カグツチは腰につけた布袋に左手を入れる。

そして周囲を見渡しながら、右手をなだめるように前に向ける。

「魚が漁なんだ!人間相手も漁だろ!訂正しろゴラァ!」

そうだそうだと周りの者たちも怒声を上げる。

「我々は商人ではありません。金目の物も持っていません。見逃していただけませんか?」

「テメェ………!話が通じねぇなぁ!舐めやがって………!」

正面のひげを生やした男が馬を降り、近づいてくる。

「訂正するのが先だろゴラァ!伝統を舐めやがって!」

男は腰にかけた短剣を抜き、カグツチの方向へと歩く。

その姿を見て、カグツチは布袋からきのみを取り出し下投げで投げる。

樹の実が待網漁の口ひげ男の眼前まで迫る。

「ぶっこ!?」

眼前まで迫った樹の実は炎と成る。

カグツチは右手で剣を抜く。

「ぎゃっ!」

おでこに辺り、頭を押さえてうずくまる。

カグツチはすぐさま近づき、剣の側面で男を殴り、気絶させる。

「リーダー!」

「テメェ!」

次々と周りの者たちも馬を降りてこちらへと向かってくる。

9人は短剣を抜き、襲いかかる。

カグツチは冷静に四方からの剣の攻撃を躱し続ける。

そして躱し際に剣の側面で頭を殴り、気絶をさせる。

待網漁師達は、一人、また一人と倒れていったが、どんなに少なくなってもカグツチに向かう勢いはそのままだった。

やがて全員が倒れ、周囲を静寂が包む。

カグツチは剣をしまわずに引き続き倒れた者たちを眺めていた。

そこでリーダーが目を冷ます。

リーダーは起き上がり周りを見渡す。

周りには剣を抜いたカグツチと馬車、そして倒れた街網漁の仲間たちがいた。

「あ?あぁ?お前?殺したのか?俺の仲間を!」

「気絶させただけです。」

「よくも俺の仲間を!」

「気絶させただけです。皆さん生きてますよ。多分牢屋で目が覚めると思いますよ」

よろよろとカグツチに近づいてくる。

「俺達はずっと虐げられてきたんだ!だがその時代ももうすぐ終わる!なのに何でこんな目に合わなきゃなんねえんだよ!」

カグツチは臨戦態勢を取る。

そして憐れみの表象を向ける。

「俺達の伝統業をどいつもこいつも馬鹿にしやがる!それをあの方だけは認めてくださったんだ!」

よろよろと声を絞り出しながら馬車の方を向く。

「馬車にいる女ァ!馬鹿にしやがって。俺は忘れてねえぞ!ぶっ殺してやる!」

女というワードを聞いてカグツチの脳裏にロスカの姿が宿る。

カグツチはリーダーの男の胸ぐらをつかみ、倒して馬乗りの状態になる。

リーダーの男は状況を理解できていない。

そして布袋に勢いよく手を突っ込み、大量の樹の実を取り出す。

そしてそれらに炎をつけ、リーダーの口の中に突っ込もうとする。

「ひっ!」

ようやく状況を理解したリーダーはおびえた表情を見せて、涙目で目をつむる。

ただ投げる直前でカグツチ誰かの手に止められる。

「商人さん。盗賊の確保とこの国のために怒ってくれてありがとうございます。」

後ろを振り向くと、青が基調となった軍服に軽い鎧をつけた、青髪の少年がいた。

そして水の塊が手の炎を包み、炎を消火する。

水の塊は上空に上がりやがて消えて、燃えかすが下に落ちてくる。

「街の人に幸い犠牲者はいなかったです。ですのであなたまで野蛮人となる必要はないです。どうかその怒りの炎を収めて貰えませんか?」

カグツチは無言でリーダーの上から降りる。

その姿を見て青髪の少年は微笑んだ。




同刻

何やら真っ黒なローブを着けた二人組が丘の上から街を眺めている。

片方は石、片方は岩を持って二人とも手遊びをしている。

「街網漁の人達捕まったか。独特な考え方で面白れーと思ったんだがな」

石を上に投げて遊んでいる男が口を開く。

「そんなことよりあいつ厄介そうでいし。この国の王子様」

もう片方の男は岩を手に持ち、持ち上げて筋トレのようなことをしている。

「あぁ。これほどの範囲を被害0に抑えるとは。王族と言えど侮れねえ」

「そうでいし。でもこの作成は成功させないといし」

「あぁ。」

男たちは丘の上から見える、海とその近くにある、薄い青色の城を見据える。

「この国の………水の魔剣を奪う」

そのローブには2匹の龍がお互いの尾を噛み合い、8の字を描いた紋章が書かれていた

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