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ここは魔法学園その闘技フィールド。っていっても僕の在するFクラス棟の裏手にある小さな広場なんだけど。本来のフィールドはここからでも南東に見えるあのバカでかい建物なんだが、イベントとかでしか開かない闘技場なんて使えるはずもなく、そもそも個人の魔法バトルをするうえでは場所は問われない。Fクラスの負け組共もつまらない場所であっけなく負けていたんだろう。


「峰久‥‥‥いまからでもこの勝負は無かったことにできないか?」


 そう僕のベルトをつかみ引く男は一応このクラスの代表の秋山和彦。そして僕の足を__ドテッ___イテッ___つかんで転ばせたのはまだ初日にしてこのクラスのリーダーになりつつある存在鈴木圭。二人はこの落ちこぼれのFクラスみんなでクラスアップしたいと考えている正義感が強く男気溢れる優しい人物‥‥‥だというのに______


「してもいいぜ。でももしした場合勝負を下りたとみなして俺の勝ちになる。つまりお前らの雑用が決まるんだけどな!」

「そんな‥‥俺たちの雑用は決まってるじゃねぇかよ‥‥‥もうどうしようもねぇ」

「俺今からでも靴磨きの練習するわ。峰久を磨き殺す練習のついでに。」

「この学校のゴミ捨て場ってどこだっけ?一応Cクラスのゴミとあの峰久とかいうゴミを捨てる場所を今のうちに調べておかないと…」


 僕にだけは全く優しくないFクラスの面々。嫌味ばかり言ってくる嫌な奴だけどなんやかんや勝負をしてくれるCクラス代表日下部仁のほうがまだ優しく感じるよ!


「僕はまだ何もしていないのに何を諦めているのさ!!ふざけんじゃないよ全く!!」

「いやだって‥‥‥なぁ」

「「「「うん。」」」」


 Fクラスの皆がお互いの顔を見合わせて頷く。なに?要するに僕が落ちこぼれのFクラスでさらに最も成績が悪いから勝つなんて不可能だって?

「お前らいつか殺してやる‥‥‥。」

「さぁもういいかな?雑用になるじゅん…じゃなくて戦う準備は?」

 前言撤回お前も殺す!!


 僕は前にもましてや後ろにも味方がいない。せめて応援ぐらいはしてくれよFクラスの仲間なんだからさ。いや違う‥‥‥よく見たらみんなの右目だけはキラキラしている。その他の部位はそれぞれ刃物を研いだり靴磨きだったりしているが右目だけは応援してくれている?そうかこいつら葛藤しているんだ!僕の願いを叶えてもらうのとCクラスの雑用をすることを天秤にかけてどうするか迷っているんだ!右目分だけでも期待のまなざしがその証拠だ(泣き)‥‥‥。


 なんだよ右目分だけって。


「さぁ始めよう。準備は良いかな?」

「いいとも!!」

 右手を掲げて準備ができた旨を伝える。


「杖を持っていないようだが準備いいんだな?」  「俺たちもあいつを殺す準備はいいかな?」

「「「ふふふ いいとも…。」」」

「よくないよ!!」

「よし、じゃあスタートだ!!」

「ちょっと待って!」

「いいか‥‥‥あいつが負けた瞬間各々が持つ最高火力であいつを殺しにかかれ。」

 やばい。どうしても目の前の戦いが始まったことよりも後ろに意識が持っていかれてしまう!怖いよ!!あ、でも三途の川でまたあの人に会えるのはいいかも‥‥‥。今度はFクラスってことを隠してあっち側に‥‥‥。


 そう思うとすぐに目の前のことに集中できた。目の前の男は自身の持つ杖から電気を発生させる。

「俺の魔法は電気。魔力を電気に変換する!そしてこの杖は俺専用。電気の力を倍増そして具現化させることができる!」


 そう普通魔法というものは”杖”で使うもの、杖には自分のもつ”魔力”を変換させ体外に放出する”魔法”にする力がある。さらに自分に合った杖を使うことで自身の魔力を上手にコントロールできる。そして杖にもそれぞれ特性があり彼みたいに力を倍増させてくれたりするなど色々あるそうな‥‥‥。ちなみにそれらは杖店で買えるし、恐らく彼はオーダーメイドなんだろう。俺専用なんて言っていたし、金持ちは羨ましい。


「お前は杖をもっていないようだが自分で準備いいと言ったんだ。死んでも俺を恨むんじゃねぇぞ!!」

 電気の集中が一つの大きな槍を作る。それはまさに雷と呼べる代物。

「絶対不可避の一撃必殺!俺の魔法!雷槍(ライソウ)!くらえ!!」

 持っている雷を僕にめがけて投げる。威力はそのまわりに広がる土埃が教えてくれる。


「よし!いまだ!みんなであいつにとどめを刺せ!!」


 後ろの方でそんな声が聞こえたけど気にしな‥‥‥‥‥‥い。そう気にしちゃだめだ!うん!

 ちなみに僕は杖を持っていない。仁君が僕が杖を持っていないのを無視して攻撃してきたのに対して誹謗中傷はやめてね。僕は本当に文字通り準備オッケーなんだから。

僕は自身の魔力を指に集め目の前に大きな円を描く。言ったように普通魔法は杖を通して自身の魔力を変換して体外に魔法として放出するものなんだが、僕は杖が使えない。使おうと思ったが魔力を変換する際にどうしても折れてしまう。どうやら僕の持っている魔力量が多すぎるとかどうたらこうたららしいんだが、仕方ないから変換を自分の体内で補って僕は魔法を使っている。めんどくさいんだよなぁ魔法って。


描いた円が白い光を帯びその中心に鏡のようなものを照らし出す。向かってきた雷の槍にぶつかる。そして同時に_____


「反射」 


____はね返される。


「嘘だろ!なんだ!どうなってんだ!?なんで俺の雷槍が俺に!?」

自分の必殺技がまさか返ってこようとは思ってもいなかっただろう。もう成す術がないはずだ。そして僕はそれを反射させた魔法越しに見ることしかできない。一体僕に向かってどんな魔法を使ったのやら、仁はなんとか逃げようとしているがむりでしょ。自分で絶対不可避って言っていたのに。


「ギャアアアア!!」

雷が彼を襲うと同時に____


「死ね!峰久!!お前のせいで俺たちは‥‥‥って勝ってる?」


ハッ そうだ!後ろで人を信じずに僕を殺そうとするバカどもをどうにかしないと!!!

振り向いて今の状況を飲み込む。Fクラス全員が僕に向かって殺傷力の高い武器を振りかぶっていた。


ごめん。止めらんねぇや

振りかぶったエモノをとめることはできない。


ゴキン グサッ バゴッ ドガアアン


____絶対不可避の後ろからの仲間による攻撃が僕を襲った。


__________

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