登場人物紹介(第3章まで)
【登場人物紹介】
※内容は予告なく修正される場合があります
※年齢は永禄五年(一五六二)時点・数え年
《主人公とその周辺》
【石川家関係者】
石川慶信 十三歳
幼名鶴。仮名十郎。南部氏宗家・三戸南部家の分家である津軽石川家当主・石川高信の次男。津軽出身。本編主人公。
元々は現代で農家をしていたが、戦国時代の南部領に転生してからも米を作ることになる生粋の〝米数寄〟であり、津軽ひいては奥国を豊穣の地にすることを目指す夢を持つ。
米作りが好きで、現代の稲作技術を普及させるため、技術を実践し、方々に働きかける苦労人。最近は農事に加えて武士の務めもこなさないといけなくなり過労気味。
金浜信門 三十五歳
官職弾正。石川鶴の守役。石川高信の重臣・金浜円斎(故人)の息子。閉伊郡金浜出身。
鶴の守役として、彼の〝奇行〟に振り回されながらも、その将来を期待し、積極的に助言し忠義を尽くす良き常識人。いつも身だしなみを整え事に望むダンディな男。
森宗弘宗 十九歳
仮名弥三郎。石川鶴家臣。元は浪岡北畠家一族・強清水氏出身で、浪岡具運に命じられて石川鶴の家臣となる。
家業として鍛冶を習っており、武士でありながら鍛冶、という立ち位置に引け目を感じていた。色々考えて悩んでしまうタイプ。鶴に鍛冶の技術を買われて、農具作りに否応なく巻き込まれ、色々な農具を作っている。鑓の使い手。
利助 十三歳
石川鶴の小者。飢饉に際して人買いに売られ、鶴が買った下人。出羽庄内出身。
ヨシとは幼馴染。鶴に買われて農業技術を仕込まれ、鶴の事業の手伝いを行っている。物おじせず素直ではない性格で、親に売られたことが今も傷になっているが、生来は善良な少年。ヨシの事をなにより一番大事に思っている。
ヨシ 十三歳
石川鶴の小者。飢饉に際して人買いに売られ、鶴が買った下人。出羽庄内出身。
利助とは幼馴染。あまり体が強くなかったが、鶴に買われてからしっかり食べるようになり、最近は丈夫になり、生来の明るい性格が出るようになってきた。実は面食い。
兵六 四十八歳
石川城廻りの田を管理する、石川村の肝煎衆のひとり。
自分の技術をこの時代で実証する必要があった鶴に協力し、自分の土地を貸した。その後は鶴の良き理解者として技術を教わり、それを実践している。
楡喜三郎 四十代
人買い。利助とヨシを売買した男。
日本海を行き来して活動する人買いであり、その商圏はかなり広く、情報通である。前半生は壮絶だったらしい。鶴に依頼されて人間以外の物を買いに行くことも。
翠川権四郎 二十六歳
楡喜三郎の護衛。
元々は信濃某村の在村武士だったが、戦で村を追われ、楡に拾われて以後護衛役を務める。気のいい兄ちゃんだが、目端が利きかつ他人に容赦しない。身長が高く、長刀がトレードマーク。
崎部喜八郎 三十五歳
上方から来た紙職人。楡喜三郎と知己であり、ちょうど仕事にあぶれていた所をスカウトされ、紙を作るために津軽に来訪し、鶴の下で働くことになる。
石川高信 五十七歳
官職左衛門尉。石川城主。三戸南部家の分家・石川家の当主にして、津軽の南部氏勢力を統率する津軽郡代。
近隣にその武名を轟かせ、津軽地方に絶大な権力を振るう男。鶴のことを奇妙なことをいつも行う気味の悪い息子だと思いながらも、その稲作事業に可能性を見出し、同時に後継者としても成長してほしいと考えている。南部一族の重鎮かつ津軽郡代としての責務を果たす一方で、戦さを好み、良き敵と戦うことを喜びとする武人でもある。
木庭袋ね子 二十九歳
石川鶴の実母。石川高信の側室。
元々津軽葛西氏・木庭袋氏の末裔の一人娘だが、高信に見染められて妻となる。津軽の各地に顔が利く人間であり、鶴が始めた養蜂を管理し献上品として配っていたりもする。固めの癖髪がちょっとした悩み。
田子信直 十七歳
仮名九郎。田子城主。三戸南部家の分家・石川家当主・石川高信の嫡男。石川鶴の異母兄。
鶴の願いを認める一方で、彼も自分を励ましてくれた鶴に恩義と好感を持っている。性格は穏便、文武両道の優秀な武士であり、計算高い面もある。鶴とは良き兄弟関係を築いており、時々文通をしている。現代の歴史上では南部家当主『南部信直』となる人物。
一方井関 三十三歳
岩手郡領主・一方井氏の子女。石川高信の継室。田子信直・彦の実母。
石川高信の岩手郡平定時に見初められ、信直と彦を生む。高信側室のね子との関係は良好な模様。鶴については会ったことは無いが話を聞いており、話をしてみたいと思っていた。
石川彦 五歳
石川高信三男。母は一方井関。同母兄は田子信直。
最近は周囲の人への興味を持つようになり、話に聞くもうひとりの兄が気になっている。史実では彼が次の津軽郡代になるはずだった。
齋藤兼慶 二十六歳
官職兵部。石川の近隣にある岩館の武士にして開拓領主。
大雨洪水により領地が壊滅的な被害を受け、すがる思いで鶴の技術を学び、以後技術の普及に協力する。
《津軽諸領主》
【乳井福王寺関係者】
福王寺泰岳
官職名玄蕃。津軽平賀郡乳井を中心に領地を持つ修験寺・福王寺の別当。
鶴に依頼され、様々な便宜を図っている。狷介な性格の武闘派であり、肉食戒も恐れず、常に良き生活を求める坊主。
俊加 二十六歳
福王寺の寺僧
鶴に乞われて利助とヨシの手習いの師となり、さらに乳井修験に鶴の農業技術を広める為の窓口になっている。自身も優秀な農業技術者である。
【浪岡北畠家関係者】
浪岡具運 三十歳
官職侍従。浪岡城主。津軽三大領主のひとつ・浪岡北畠家当主・通称浪岡御所。
浪岡領の発展を目指して寺社や街道の整備を推進しており、南部氏と安東氏を見据えながら、浪岡の自立を目指している。
南部明子 二十六歳
浪岡具運正室。南部家当主・南部大膳大夫晴政の娘。
南部氏と浪岡氏の仲立ちを自分の役割と任じており、義務を背負い気を張って生きている。気質は強く明敏。なにかと気儘な鶴にはあまり好感を抱いていない。
浪岡具信 四十六歳
官職大弼。浪岡北畠家一族・通称河原御所。
浪岡家の重鎮だが、近年は具運と対立して家中で軽んじられており、それをどうにか挽回しようと必死だった。津軽の諸産業に通じ、また流通の重要性を認識している。豪放磊落を装っているがその実疑り深く根に持つタイプ。蜂蜜酒好き。
浪岡顕範 二十七歳
官職左衛門尉。浪岡北畠家重臣。浪岡具運の弟。
兄・具運の施政に協力している。具信とは領地境を巡り対立していた。
浪岡顕重 二十八歳
浪岡具信の嫡男。父同様、家中での立場を失っていく自家の状況をもどかしく思っていた。
蠣崎慶広 十五歳
仮名新三郎。下国安東氏旗下・蝦夷地蠣崎氏の子息。
親の命により浪岡北畠家に仕えていた。蠣崎家の発展のため、多方面に伝手を繋ごうと意欲的に活動している。外見は線が細い美少年であり洒落者。
【大浦家関係者】
大浦守信 三十九歳
官職紀伊守。大浦城主。津軽三大領主のひとつ・大浦家の嫡男。
体の不自由な大浦家当主・為則に代わりもっぱら軍陣を務める大浦家の柱。優れた武人であり、石川家(南部家)の支配下にありながらも要求すべきは要求する硬骨漢。
大浦為信 十三歳
仮名弥四郎。紀伊守の養子でありかつ嫡男。元は南部領の久慈氏出身。
若くして大浦家を継ぐことが決まっており、その責務を自覚しそれに見合う人間として鍛えている男。後の歴史で津軽を統一する『津軽為信』そのひと。真面目でかつ外交的だが、表裏を隠す事にたけ、非常に貪欲な人柄でもある。
大浦信勝 十二歳
仮名五郎。弥四郎の同母弟であり紀伊守の養子。何かと欲得ずくな兄の補佐役として振る舞っているが本人も割と貪欲。
【大光寺家関係者】
瀧本重行 三十七歳
官職播磨守。大光寺城城代。津軽三大領主のひとつ・大光寺氏の重臣。
幼少の大光寺氏当主・長者丸の名代として大光寺城代を務めている。陽の気質で武功も確かだが、口さがなくよく確執を起こしている。
【和徳家関係者】
和徳満安 二十八歳
官職讃岐守。別苗小山内。和徳城城主。津軽三大領主に次ぐ威勢を誇る和徳家の当主。石川家によく従い、落ち着いた振る舞いで高信からの信頼も得ている。
【千徳家関係者】
千徳政氏 三十八歳
官職大和守。浅瀬石城城主。津軽浅瀬石川流域をその領地とする浅瀬石千徳家の当主。元は閉伊郡の千徳家出身。
若い頃は閉伊郡で過ごし、その後津軽に来て浅瀬石千徳家を継ぐ。金浜信門とは故郷の領地が隣り合った古馴染み。苦労が多い津軽での生活に疲れている。
《糠部南部諸領主》
【三戸南部家関係者】
南部晴政 五十九歳
官職大膳大夫。三戸城主。糠部南部一族の宗家である三戸南部氏当主。石川高信の兄。南部明子の父。
南部一族を統率する通称『家督』として権を振るう太守。広大な南部家をようやく統率しながら政権を運営する苦労人。
【一戸南部家関係者】
一戸政連 三十三歳
官職修理大夫。一戸城城主。南部氏親類一家・一戸家の当主。
南部・津軽領内に一族が広がる一戸家の統率に尽力し、石川高信と先代以来からの同盟関係を結んでいる。隣領の親類一家・九戸家とは犬猿の仲。悪相だが貴人の振る舞いを知る武辺者。
【鹿角関係者】
佐多六 四十四歳
鹿角郡を本拠とする猟師。
猟師として一流の腕を持ち、鹿角中の道を知悉している。一族と村の勢子衆を食わせることを第一義に行動している。
花輪親行 三十五歳
鹿角郡花輪城主。阿保氏の宗家。
南部氏に一応従っているが、一方で安東との繋がりも持つ。




