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20話 和解

勝利に湧き躍る街をから離れ僕達は城へと移動する、ルナが今回の件でお礼がしたいそうだ。

席に着くと乾杯が行われ、運ばれてきた食事にありつく。


「グリムさんとお仲間の皆様、本日は敵国を撃退して下さり、誠にありがとうございます。

我々だけでしたら確実に負けていたと思います。何か欲しい物などがありましたらなんでもお申し付け下さいませ。ご用意できる物であればなんでもお渡し致します。」


「光栄です、ルナ王女。欲しい物は特にはありませんが、この国に自由に出入りしてもよろしいでしょうか?

我々は今、近くの高台に居住していて、買い出しが出来ると助かります。」


「それはもうもちろんです、この国に自由に出入りして構いません。お城にも遊びに来て頂けると嬉しいです。私自身、同年代の方が近くにおらずでして・・・その、皆様方とよければお友達みたいな関係になりたいんです・・・」


突然の告白に僕達はびっくりしたが、すぐに嬉しくなった。一国の女王から信頼を得られた事も嬉しいが

アリス達に初めて外での友達が出来る事が何より嬉しく感じた。


「お友達になってくれるの!?わーいっ、それじゃあよろしくねっルナちゃんっ!!」


アリスからの突然のちゃん付けに、周りの給仕さん達がビクッとする。


「私もアリスちゃんって呼んで良いかな・・・うふふ、よろしくねアリスちゃん」


ルナは心底嬉しそうにアリスへ笑顔で反応してくれたのでホッとした。


「改めてになるけど、ノワールです。よろしくお願いします。」


「ノワールちゃんも宜しくね。実はお願いがあって・・・耳・・・触っても良いかしら・・・?」


「構わない、でもあんまり強くしないでね。」


触られる度にヒョコヒョコする耳を楽しそうに触っている、ノワールは恥ずかしいのか顔を赤らめながら

黙って身を任せてる


「ボクも改めまして、リュコって言います。宜しくお願いします、王女様。」


「ルナで大丈夫ですよ、宜しくねリュコさん」


リュコも挨拶を済ませて残るは後一人


「・・・・・・・・」


スピネルはしかめっ面をしながらこちらを見ていた。彼女だけは最後までこの国と仲良くなる事に反対だった、それはあの事件に唯一関わっているというのも理由にあるだろう。でも、何回も彼女には伝えたがもう過去の出来事なのだ、どうか分かってほしいと思う。


「あの・・・スピネルさん。わた」


「わたくしは、まだ全てを許せた訳ではありません」


ルナの言葉を遮り、スピネルは言葉を続ける。アリス、ノワール、リュコはあの日の事を知らないので

スピネルが醸し出す雰囲気を怖がっていた。


「グリム様は私達を救ってくださった恩人です、そして今は貴方達も救われた。きっとこの後も色々な方々を助ける事でしょう、私達はそれに協力します。それで、ルナさんは協力してくださいますか?

彼の為に血を流す覚悟はありますか?」


「私は、その覚悟があります。彼の助けになる事をここに誓い、どんな窮地に達したとしても、私は私が傷つく事を・・・死ぬ事を恐れません」


この場が張り詰めた空気になる、スピネルの返答次第では友好的になったばかりのこの関係に少し亀裂が入るかも知れなかった。しかし


「・・・そうですか、じゃあ私達は今からお仲間ですわね。試すような真似してすみませんでした、これから宜しくお願い致しますね、ルナさん。」


スピネルはそう言うとルナに向かって握手を求めた、ルナもそれに応える。ようやく過去との決別をする事が出来た気がして僕はとても嬉しかった。


「グリムさんもぜひ私の事はルナとお呼びください。ルナちゃん・・・はちょっと恥ずかしいですけど

もうお友達ですもんね・・・そう呼んで下さっても大丈夫です」


「分かったよ、ルナ」


少し調子に乗って呼び捨てにしてみた、流石に怒るかと思ったが。


「あっ・・・はい・・・えへへ」


目線を逸らしてしまった・・・やはり距離が近すぎただろうか・・・


(初めて殿方に呼び捨てにされた・・・嬉しい・・・。ドキドキして目が見れない・・・)


「ありがとうスピネル、和解してくれて嬉しいよ。皆で力を合わせていこうね」


「そうですわねー皆仲良く頑張りましょうねー ダシに使われた気分ですわ〜」


なんだか機嫌を損ねてしまった気がする・・・何か悪い事したかなぁ


「ルナ、実はずっと気になっていた事があるんだけど聞いても良いかな?」


「どうぞ!なんでもお答え致します」


「どうして次女の君が国を牽引する事になったんだ?長女は何をしてるの?」


ルナが王女に任命と聞いた時から気にはなっていたのだが、中々調べるタイミングが得られなかった。

国民にも正式な発表をしておらず、失踪や死亡等、街には様々な憶測が広がっていた。


「実は・・・姉のソルは・・・いえ、直接見てもらった方が早いでしょう。お食事が済みましたらご案内いたします」


その後僕達は談笑しながら食事を済ませ、ルナの案内に従ってお城の最上階へと向かった。


「この先に姉のソルが居ます。それではお入り下さい」


扉を開けると大きな天蓋の付いたベッドがあり、誰かが寝ている気がする。

近づいて顔を確認するとルナそっくりの少女が眠っていた・・・

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