17話 狼に魅入られた少女と火倖の精霊の物語
リュコの一件が解決した僕達は火倖祭に参加することにした。夜まで時間が空いていたので街の人達に
手伝いをする事を伝えると喜んでくれた。
「ヘレ様、今年も上質な薪が用意出来てるから安心して下さい。グリムさんのお陰でいつもより燃えやすく
長続きして、しかも綺麗な火が着きます」
「それは嬉しいかしら、出来たらグリムが更に魔力をうんと込めてくれるともっと嬉しいかしら」
「分かった、ヘレちゃんにはだいぶお世話になったからお礼に沢山込めておくよ。」
「ちゃん?! 様をつけるかしら!様を!」
ノリが良い精霊様で良かった、この子が協力的じゃ無かったらここまで上手く行かなかっただろう。
本当に感謝している。
「精霊様、私達は実は外界から来た身でありまして、明日にはグリム様と一緒に元の世界に帰るのですが
良かったら一緒にいらっしゃいませんか?」
スピネルがヘレを勧誘している、確かに一緒に来てくれると心強い。
「残念だけどそれは無理かしら、だって私が居なくなったらこの街を守る者が居なくなるかしら。
代わりにそっちの赤い頭巾は行きたそうにしてるから、連れていくと良いかしら」
リュコの方を皆で見る。
「あ・・・あはは・・・お見通しですか。グリムさん、良かったら・・・ボクも一緒に着いて行っても良いですか?」
恥ずかしそうにしながら、そう言ってくれるリュコ。
「もちろん良いとも、でもいいのかい?もしかしたら危険な旅になるかもしれないよ?
「良いんです、ボクはずっとこの街でしか生きたことが無くて・・・色々な所に行ってみたいんです。
それに、もしかしたらボクと同じように苦しんでる子がいるなら助けてあげたい。」
だからお願いします、と自分の意志をしっかり伝えてくれるリュコに二つ返事で了承した。
「良かったかしら、リュコ、この街の代表して着いていくのだから恥ずかしく無い様にするかしら。
困ったら・・・そうね、私とおばあちゃんをお呼びなさいな」
そう言うと、リュコの頭巾に手を当てるヘレ。
「・・・これで私の魔力と繋がるようになったかしら、自由に火を操る事が出来るから上手く利用するかしら」
「わぁ・・・ありがとうございますヘレ様・・・。安心して下さい、きっと皆の役に立って成長して見せます」
「楽しみにしてるかしら、グリム、この娘を泣かせたら許さないかしら。手を出したら最後まで責任を持つ事、分かったかしら?もし泣かせたら・・・夜火に注意するかしら」
「もちろん、任せて欲しい。あと手を出す前提はおかしい事にツッコんでもいい?ヘレちゃん?」
「様をつけるかしら!!!!!!」
祭の手伝いをしながら、開始までの時を過ごした。
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「わぁっ!これ美味しいよ。ノワールちゃんも食べようよっ あっ!この鶏肉も美味しそう・・・」
「うぷっ・・・アリスちゃん食べ過ぎ・・・私はもう無理・・・」
「貴方様見て下さいこの宝石。街の近くの鉱石場で取れるそうですわ、これを指輪に加工してお揃いにしませんこと?」
「グリムさん!!ダメです!!きっとあれは着けると一生外れなくなる呪いが掛かってます。それよりこちらの頭巾をお揃いで被りませんかっ!きっと良く似合いますよ!」
「おにい、私は私自身をプレゼントします。どうぞ、まだ純潔なウサギさんです。お召し上がり下さい」
「あはは・・・どうしてこうなった」
「んまー!!!!薪が燃えて魔力が街に溢れて・・・これがマナかしら!?!?私は今マナの中にいるの
かしら!??!!?」
祭が始まると、街が昼とは違った様相になる。色々な家で薪が燃やされ、中央広場では宴で楽しむ人達の笑い声が聞こえてくる。
もう狼に怯える事の無くなり、真に平和を得られた街は末長く営みを続けていくのだろう。
赤く燃える、神聖な火と精霊と共に。
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