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13話 助けたい

戦闘が始まると同時に全員が後方へ下がった、リュコの能力が()()()()()()()()()()からだ。


「ガァぁぁ・・・、グァァァァァァァ!!!!」


リュコが大きく地面を蹴ってこちらへ突っ込んでくる、攻撃は単調そうだが一撃貰えば大ダメージを受けそうな程に速い。


「ライトニングディザスター!!」


光と同じ速さの雷が、拡散しリュコへと飛んでいく。雷が当たった場所は大地が抉れる程の威力だったが、リュコは全て避けたのか無傷だ。


「次は私が行くよっ!!ワンダーソード!!!!!!!!!!!」


空が落ちて来たのかと勘違いするくらい巨大な剣が振り下ろされる。しかしリュコはそれを受け止めた。


「そんなバカな・・・! 速いだけじゃなくて力もあるのか・・・」


「おにい、私の力でリュコさんを止めるから、その間に全力を打ち込んで」


「ノワール・・・わかった、やってみよう」


「手を離さないでね。じゃあ、行くよ。タイムホッパー」


ノワールが時計を開くと時間が止まる、手を繋いで発動すると他者も停止した時の中で動けるようだ。

剣を受け止めたまま静止するリュコの前にいき、手を構える。ごめんなリュコ、今助けるから。


「フォトンレイ!!!!!!」


「タイムホッパー!!時よ動いて!!!」


最強レベルの聖魔法をリュコへと叩き込む、時の流れが戻ると同時の魔法攻撃は流石に避けられず、

リュコは遥か空中へと飛んで行った。


「きゃああああああ、助けてぇぇぇぇぇぇぇ!!!」


「お疲れ様アリス、さぁ、手を掴んで。」


「うぅ・・・ありがとう〜・・・」


ワンダーソードを打ち込んだはいいものの、剣がデカすぎて空中から落下するアリスをスピネルが回収していた。相変わらず攻撃に全特化してる技だ。


少しすると空から元の姿に戻ったリュコと、キラキラ光る赤いフードが落ちてきた。


「おにい、きっとあのフードがリュコのワンダーアーツなんだろうね。何がトリガーで発動したのかは分からないけど・・・」


突然の発動、今までにない凶暴性。僕達の知らない秘密が、ワンダーアーツにはあるのかもしれない。


「とりあえずリュコの無事を確認と・・・後この大地を元に戻さないと」


周辺を元に戻した後に、リュコを家に連れていく事にした。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「貴方様、申し訳ございませんでした。あのシスターを生かしていたせいで、リュコはああなってしまったのかもしれません・・・」


「仕方ないよ、誰も怪我してなくて本当に良かった。」


シスター・・・あのクズの末路は悲惨なものだったけど、自業自得だろう。

あの日を思い出して僕は爪が痛くなった。


「アリス、ノワール・・・。怖い物を見ちゃったね・・・大丈夫かい?」


「私は大丈夫だけど・・・アリス・・・」


精神的に成熟しているノワール、彼女はまだ少女のままのアリスの事を心配そうに見つめた。


「私は。」


「私は全然大丈夫だよ。いつまでも子供のままじゃ居られない、私は皆と旅する仲間なんだから。」


出会った時から、碧く綺麗に輝く瞳。幼い輪郭を残しながらも、その目は強い覚悟の意志が宿っていた。


「大人になったね、アリス。まだ出会って間もないのに・・・」


「えへへ・・・、もう子供扱いしないでよねっ。ぜひ大人の女性として扱って貰いましょうか」


大人に近づけて嬉しいのか、アリスは慣れない口調で喋り始めた。


「大人の女性・・・新しいライバル誕生・・・!? 先に強硬手段に出る必要があるかも・・・」


ノワールは物騒な事を呟いている・・・、過ちを犯す前に僕が止めなければ・・・!


「貴方様、リュコはいつ目覚めるでしょうか。私は彼女に謝らなければ自分を許せません。やはりあの時みたいに心の中に・・・」


「それはダメだ。戻って来れなくなったらどうする?一人で行くなんて危険だ」


「それなら二人で行ってきたらいいんじゃないっ? あっ・・・じゃないでしょうか・・?」


「それが出来たらスピネルもそうしてるんじゃないかな?」


「・・・・・・」


あれ?顔を真っ赤にして俯いちゃった・・・・・


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


リュコの心の中へ潜った僕とスピネルは、まずリュコの精神素体を探す事にした。

精神世界もまた森の中でリュコの家が目の前にある。その家から赤いフード被った女の子が飛び出してきた。


「それじゃあ行って来まーす!!!」


「行ってらっしゃい、気をつけてねぇ。」


幼い頃のリュコと思われる小さい子を送り出す声が・・・誰だろう・・・


「貴方様、ここはあの子の精神世界。起きる事象全てが彼女に影響が出ます、選択は慎重になさってくださいまし。」


「分かった、気をつけるよ。」


バレないようにこっそりと家の中を覗いてみると、年配の女性が編み物をしている。

リュコのおばあちゃん・・・だろうか、彼女の話には一度も出て来なかったが、昔は一緒に暮らしていたようだ。


僕達は家の声の謎がわかったので、次にリュコの後を追う事にした。するとリュコは尻餅をついて、何かに怯える様に後退りしている。目の前にはガリガリに痩せた狼が倒れていて、瀕死の様に見える。


「腹が減った・・・小娘・・・飯をくれぇ・・・」


「ひっ・・・だめよ!あなた達は人を喰らう化け物だって知ってるのよ!!そのまま飢え死になさい」


死にかけの狼は助けを求めたが、リュコは応じない。


「ひどいなぁ・・・慈悲ってもんがないのかい・・?許せないなぁ・・・憎いなぁ・・・」


そう恨み言を呟くと、狼は急に自分の爪で喉を掻っ切る。


「どうせ死ぬならお前を呪ってから死んでやる、さぁ受け取るがいい!!!!」


狼の目が光るとリュコが急に倒れる。狼の方は・・・息絶えたみたいだ。


一方リュコは何事もなかったかの様にすぐに起き上がった。


「あれ?何してたんだっけ・・・? まぁいいや、急いで学校に行かないと!」


「スピネル・・あれ・・・」


「記憶が奪われてますわね。呪いの副作用でしょうか、ともかく狼化の原因は特定できましたわね」


救助の為に来た精神世界でリュコの過去を追体験する事になった僕とスピネル。

この先に待つ物はなんだろう、リュコは救えるのだろうか・・・・。

いつも童話無双をお読み下さりありがとうございます。


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次回も面白い話が書ける様に頑張りますので、何卒よろしくお願い致します。

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