4
4話目!!です!
クリスティーナがここが氷魔法使いが多いだけの世界でないと気づいたのは、10歳の時だ。4つ年上の兄リアーノの婚約者が決まり、家族全体での顔合わせがあった。クリスティーナより遅かったのは、兄はそれはもう人気が高く、申し込みが多かったために、慎重になっていたのだ。ひとつしたの伯爵家で、魔力もかなり高く年も近く、優秀であるため兄の婚約者としてぴったりだったので決まった。
キリリとした目と髪が金髪のハニーブロンドであるためきつい印象をうけるが、顔立ちは美しく所作や体つきはとても素敵だった。
「クルューナー伯爵家、長女のロザンヌ・クルューナーと申します。この度はお会いできて光栄ですわ」
淑女の鏡のような所作を披露されて私達は、見惚れてしまった。
「ティーナ」
「はっ、、えっ、、私くしクリスティーナ・アレイスターです。よ、よろしくお願い致します。」
兄に呼ばれ、急いで挨拶を返すことになった。
「ふふ、、クリスティーナ様?私も、ティーナ様とお呼びしてもよろしいですか?これから仲良くしたいと思っていますから。私のこともぜひローザとお呼びください」
「喜んで!ローザ様!」
「ええ、嬉しいわティーナ様!」
私はローザ様と仲良くなりたいと思い、この人が兄の婚約者でよかったと思うのだった。
その後も兄たちは仲は悪くないらしく手紙のやり取りもあるらしい。私もローザ様とは手紙を交換して、いろんな話をした。
そして1年がたち兄らが学園に入学してから事件が起きた。
「最近、ローザ様からのお手紙が届かないわ。」
「学園が忙しいんじゃないのかな?」
ルークがそう返す。私たちは婚約してから、関係のために定期的に会うことが許されている。最初はルークを連れていろんなところを歩いたが今は、庭で紅茶をして話をすることが日常になっている。
出会いから5年がたち私達2人は親しくなった。友情、、は築けていると思っている。
「でも、約束してくれたのよ。忙しくても手紙は送るって、しかも、お兄様もこの前の休日に帰ってこなかったわ。」
1年で感じたのはローザ様が約束は破らない人であること外見とは違って、可愛いものが好きで、誠実で朗らかであるが、自分の意思を持っている人だと。
「なんだが、嫌な感じだわ。」
その嫌な予感はすぐにわかった。
「お兄様が、学園に通っている他の女性と仲良くなっていると、、?」
私は口に運ぼうとしたクッキーを取り落とす。
「うん、少し前にティアが気になっていたみたいだから、少し調べてみたんだ。」
ルークはそのクッキーを素早く手を伸ばし、掴みそのまま自分の口に運ぶ。
「なんで、、?ローザ様は?どういうことかしら?なぜ?」
「令嬢は、その子を苛めている主犯格として学園中で噂されている。まぁ、その話はなんだかきな臭いけどね。」
私はどうしても信じられずルークに詰め寄る。
「そんなわけないわ!ローザ様はそんなことしない。」
「ティアが言うなら、信じるよ。でも、今学園にいるものはではなぜかその子の話が行動が通るんだ。」
私はそのお兄様と仲良くしているという子が気になった。
「そもそも、その子は何者です。学院に行けたということは、魔力を持っていたということ?貴族が多い魔法学院では珍しいのはわかるけれど、お兄様はなぜ。」
ルークは紅茶を飲むと
「そうだね、その子は珍しく魔力を持っていたそしてそれが膨大で、そして純粋な光属性だったんだよ。あの治療ができる力はどこにあるわけでもないからね。そして外見も髪も目も輝くような白銀で。名をソフィーと言うらしい。
その子が入学してから、身分差別はないと言っても、分別は必要だからね。婚約者がいる男性と親しく話したり、男性2人でいるところを見てね。それが、かなり高位貴族。そして君の兄もいた。」
クリスティーナは信じられないといった様子で呟く。
「どうして、、?お兄様とローザ様は仲良くしていたはずよ、、?なんで、そんな、現れただけで。、、光属性、ソフィー、庶民。。珍しく、、?まさか、、?」
震える声が出た。
「ここは、乙女ゲームの世界なの?しかも学園で行うようなゲームの世界なの?だから、あんなに氷属性や、美形、キャラがたってたの、、?」
私は、転生したということをもう忘れていたのだ。もうすでに過去のことで、前世の記憶を持っているだけだと。
「そんな、、でも、、まだ、まだあるはず、結果を変えることはできるはず、だって良くあるじゃない。ゲームみたいにうまくいかないのよ。そんな小説いっぱいあるじゃない。大丈夫よ。絶対」
クリスティーナは心を決めルークに目線を合わせる。
「ルーク!知ってる情報全部ちょうだい。そして私に協力して欲しい。お兄様のためにも、ローザ様のためにも。」
「ティアのためならなんだってするよ。」
ルークは誰でも見惚れるような笑顔で頷いた。