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少年達がゾンビ世界で強く生きる  作者: 煮込みトマト
8/8

塩おにぎり ~ゾンビの返り血つき~

エグい表現があります。

それでも大丈夫な方はご覧下さい。

 2019年9月21日


 みんな自分の使う武器を選んだ。

 

 涼太がコレクションにしている武器をとりあえず押し入れから出して床に並べた。


 かなりの種類だ。ナタ、果物ナイフ、ノコギリ、バール、サバイバルナイフ、スコップ、カマ、万能ナイフ、かなり高そうな包丁(二万円したらしい)・・・などなど。

 

 俺達は手に持ってみたり軽く振ってみたり悩んでからどの武器を使うか決めた。


 「これかなー」と、俺は刃渡り二十センチ程度のサバイバルナイフを


 「野球部だし」と、拓也はバットを


 「まあこれでいいか」と、洋介はナタを手に取った。


 涼太は何を持っていくか悩んでいる間に家を漁る事にした。


 レッツ火事場泥棒。


 俺達は涼太の家を探索して回っているがなんということもない。


 ただの普通の家だ。


 やばいのは涼太だけだった。


 よかったよかった。・・・よかったのか?


 涼太はやっと決めたらしい。


 「ゾンビ世界といえばこれだよなー」


 そう言いながら涼太はバールを振り回してご満悦だ。


 ブォン!!と、涼太が振り回すバールが俺の頭を掠める。


 (危なっ、部屋の中で振り回すなよ!)


 涼太を軽く睨みながら文句を言った。


 「部屋の中でバールを振り回すなよ。危ないだろ。」


 それで反省すると思ったが違った。涼太はバールを振り回しながら


 「次から気ぃ付けるー」


 ・・・だそうだ。絶対しないやつだろそれ。


 気を取り直して探索を再開しよう。そう思い俺達は必要そうな物をリュックに詰め込んでいった。


 一時間後


 めぼしい物は取った(盗った)ので次の家に向かおう。


 涼太達を見ると本を読んでいた。


 拓也と洋介が読んでいるのはサバイバル関連の本だ。確かにこんな世界になったのだから読んで損はないだろう。


 問題は涼太だ。・・・うん知ってた。普通の小説だと思っていた時期が俺にもありました。


 そうだった。涼太なんだこいつは。こいつは腐っても涼太なのだ。


 表紙と中身は全くの別だった。カモフラージュのためか表紙を変えている。


 というかその表紙学校でこいつが読んでたやつじゃないか?まさか学校で読んでたのか?


 ・・・へぇ、ウサギってそうやって解剖するんだな。ってそうじゃなくて。


 まあ、涼太が何の本を読んでいたかは、忘れてしまおう。そうしよう。


 「そろそろ次いくぞー」


 と、声を掛けるとみんな荷物を持って立ち上がる。・・・涼太よ。いつになったらバールを振り回すのを止めるんだ。


 次に向かうの家は拓也の家だ。俺達は周囲を警戒しながら進み始めた。


 住宅街は静まりかえっており俺達の足音と風の音だけが聞こえてくる。


 騒がしいのは嫌いだが静か過ぎるのもなんだか不安になり落ち着かなくなってくる。


 ほかの三人もそう考えていたのだろうか分からないが、「「「「なあ」」」」と四人の声がかぶった。


 四人とも立ち止まり笑い出した。ひとしきり笑ってから満足したのか涼太が口の開いた。


 「腹減ったから昼飯食おうぜ」


 腕時計を見るともう一時を過ぎていた。たしかに腹が減ってきたので、昼飯にしようと思い「そうだな」と返す。


 みんな賛成のようなので昼飯を食べるために少し進路を変えて公園に向かった。


 公園も静まりかえっておりゾンビはいなかった。俺達はベンチに腰を下ろした。


 三人におにぎりを手渡し自分もおにぎりを食べ始める。しばらくおにぎりを四人揃って無言で食べていると人影がトイレのわきから出てきた。


 拓也が声を掛けようとして立ち上がり口を開いた所で固まる。トイレ脇から出てきた人影それは・・・ゾンビだった。


 しかも学校の先生。正確には教育主任の三上先生だ。


 ちなみに涼太は三上先生に授業中に例の本を読み没収され放課後居残りさせられて、怒鳴られて、反省文書かされて、親呼ばれてという過去がある。


 今思えば涼太は反省して普通の本を読み始めたのではなく表紙だけ変えてカモフラージュしただけだったんだな・・・。


 その涼太はというとおにぎり片手にバットを三上先生のゾンビに振り下ろした。


 ベキッゴチャッと嫌な音を立てて三上先生のゾンビ改め三上ゾンビの頭は潰れた。


 三上ゾンビが動かなくなっても涼太はバットを振り下ろし続けた。嬉々として。


 俺達が今まで見た中で一番の笑顔だ。


 「ナイスボート・・おえっ」


 そう言って拓也は草むらに色々リバースした。あー勿体ない・・・あ、洋介も吐いてる。


 ・・・拓也もス●デイのネタ知ってたんだ以外だな。


 え?俺は何してるのかって?


 そんなのもちろん草むらにリバースしているに決まっているじゃないですかヤダー。


 しばらくして涼太は我に返り動きを止めて草むらにリバースしている俺達と三上ゾンビを交互に見て言った。


 「あ、俺のおにぎり血まみれじゃん!」


 「「「そこかよ!」」」


 「なあ、何故かおにぎり血まみれになったから次の頂戴。」


 「もうねぇよ!」


 たしかに血まみれで食えそうにないがそうしたのは涼太自身なんだが。


 と俺達三人は振り返り涼太に文句を言おうとすると涼太の足元の三上ゾンビが目に入り再び草むらにリバースした。


 ナイスボート。

涼太はどんどんサイコパスの道を爆走してますね。

これからどうなってしまうのでしょう。(決めてない)

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