２
（ここかな？）
俺は王都の人達に場所を教えてもらいながら 何とかギルドに辿り着くことが出来た
ギルドは立派な大きな建物で
沢山の人が出入りしている
冒険者だけでなく 商人や小さな子供達まで
みすぼらしい格好の子供が多いが 孤児だろうか？
中にも沢山の人がいたが
受付のカウンターは１０箇所もあるので すぐに俺の順番が回ってきた
可愛い女の子がよかったのだが
髭面のおじさんに当たってしまったよ
俺が冒険者登録をお願いすると
入街税を払った時に渡された紙を出してくれと
（入街税？何だそれは？）
意味が分からないので聞き返す
この国の国民以外が王都や街に入るためには 門で入街税を払うのだと
この王都も他の街も高さ１０メートル程の外壁に囲まれて見張りも沢山いるので 不法侵入は絶対に出来ないそうだ
必ず渡されたはずだと言われたのだが
・・・
俺の持ち物は布袋のみ
俺は布袋の中を見ると
底の方に 金貨の下に紙が入っていた
俺が取り出すと 俺が見る前に おじさんが俺の手から紙を取り
あるじゃないかと紙を見る
おじさんの顔が驚いた顔になり いきなり大きな声で
「えっ 英雄様」
ギルド内の全員に聞こえるほどの声
周りの人達は俺に注目
ざわざわと話ながら俺に注目する
しかし おじさんは残念そうな顔になり
「あっ Ｆランクなのか 外れなのか」
（えっ ここでも ずばり言われるんだ）
周りからはクスクスと笑い声が
おじさんは 悪い悪いっと言ってから 教えてくれた
異世界人を召喚するには 大金貨２０万枚もするS級神結晶が必要なんだと
戦闘適性Ｂランク以上の英雄がいる国の評価は大きく上がるのだと
Ｃランク Ｄランクでも この世界の人より強くなるそうなのだが
Ｅランクだと この世界の人と同じくらい
そして Ｆランクだと
・・・
（はぁ～ 俺の戦闘適性って この世界の人達より低いのか）
・・・
落ち込んでいる俺に おじさんは で 知りたいことは っと聞いてきた
（え～っと）
「一般の人の収入はどれくらいですか その 金貨３０枚だと どれくらい生活出来ますか？」
「そうだな １ヶ月で金貨１０枚くらいかな ３０枚だと３ヶ月は生活出きるだろうな まあ 生活レベルで大きく変わるけどな」
（３ヶ月 やはり 仕事を探さないと厳しいのか）
「どんな仕事がありますか」
「ははは レベル１で戦闘適性Ｆなら 荷物運びくらいだな 冒険者や商人の荷物を運ぶだけだ 誰にでも出来る まあ ほら あの子供達を見ろ」
おじさんの目線の先には ギルドに出入りしている子供達がいる
おぞましい物を運んでいるが
「あれは オークという魔物だ 冒険者が倒して放棄した魔物を運んで売りに来ているんだ 魔物運びも誰にでも出来るが危険な仕事だ 王都の外は魔物で溢れているからな」
（うっ あんな気持ち悪い物を運ぶのか 俺には無理だな）
とりあえず 荷物運びの内容を聞くと
だいたい １日 １２時間働いて 銀貨１枚になると
銀貨の価値を聞くと金貨の１０分の１なのだと
毎日１２時間働いても 一ヶ月で金貨３枚
一般の人の平均の３分の１未満の生活しか出来ないということになる
俺は おじさんにお礼を言ってから ギルドを後にした
お金の価値は
金貨＝大銀貨２枚＝銀貨１０枚＝大銅貨２０枚＝銅貨１００枚＝小銅貨１０００枚
大金貨＝金貨５枚
だそうだ
金貨を１万円と考えると
大金貨は５万円
大銀貨は５千円
銀貨は千円
大銅貨は５百円
銅貨は百円
小銅貨は１０円になるのかな？
１日 １２時間働いて 千円の荷物運び
８００円の大部屋に汗臭い男達と寝泊りをして ２００円で食事
（う～ん 無理だね 無理過ぎる）
とりあえず 金貨３０枚あるから しばらくは 過ごせるだろう
異世界人の俺は戦闘適性Ｆランクでも 一応は英雄として扱われる 英雄は税金や冒険者が始めての街や王都で支払う入街税等も一切払わなくていいと言われた
・・・
俺は魔物に興味があったので 王都の門に向かうことにした
門の外を見ると 戦っている冒険者達が沢山見える
王都の側だというのに沢山の魔物が見える
ほとんどが 青くて丸い魔物と戦っていた
鑑定してみると スライム 倒すと 経験値１ エネルギー １０エンを落とす 稀に宝箱を落とす
（おっ あれがスライムなのか まあ ゲームやアニメで見たスライムと同じだね）
戦っている冒険者達の周りには 小さな子供達が待機している
冒険者が倒して 魔物を放棄すると すぐに駆け寄り スライムを運び始める
スライムに追われている子供が何人もいる
泣きながら逃げている子供がいるのに誰も助けない
確かに危険な仕事だね
普通の荷物運びか 危険な魔物運びか
魔物運びの方が金になるのかな？稼がないといけないからな～
考えていると 声が
「「魔物運びでの稼ぎ方について」」
おっ そうか マニュアルか
まるで ゲーム初心者のための説明書みたいだね
