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え~っと 魔法石と砕いた魔核をスライム液に1週間漬け込む
って これだけでいいのか
「あつし様 今度は何を作っているの」
「イリス 魔防石だよ 外壁に使う素材」
「えっ 作れるの?」
「まあね 街や王都の外壁に使っている魔防石はC級みたいだけど これはF級なんだよ」
「えっ F級? 魔物に破壊されたりしないの?」
「どうだろうね 耐久力はC級の8分の1だって」
「それじゃあ」
「でもね 魔防石は修復機能と魔力等のエネルギーを溜める機能がついているからね ダメージを受けても魔力等のエネルギーを使って自動に修復するんだよ それも 魔力等のエネルギーが減れば 周囲の魔防石から魔力等のエネルギーを吸収するみたいだから丈夫そうだと思うよ」
「そうなのかな~ 外壁が壊されると中の人達は大変だよ 特に夜に壊されるとね」
「まあね だから それを考えて他の街の8倍にしようと思っているんだよ」
「8倍?」
「ああ 厚さを4倍に高さを2倍にね 街の外壁は10メートル前後だろ それを20メートルにするんだ 厚みが1.4メートルくらいだから 5.6メートル 6メートルくらいにね ダメージを受けて 修復のために魔力等を消費しても 周りの魔防石から魔力等が補充されるだろ 8分の1の耐久性でも8倍あるなら 同じくらいになるかもって 外壁の高さは2倍だから 見た目は他の街よりも強固に見えるしね」
「う~ん 上手くいくのかな~」
「沢山のゴーレムにも守ってもらうつもりだから 大丈夫だと思うんだけどね」
「そうよね あつし様が考えたなら大丈夫よね」
「はは 俺は抜けているからね イリスがダメだと思った時は言ってくれ 頼りにしてるからね」
「うん」
(え~っと 魔法石と魔核をスライム液に1週間漬け込む・・・)
外壁の作り方は単純だった
魔防石を積み上げ 魔力かエンを魔防石に送り込むと接している魔防石同士が結合する
それで外壁は出来上がりだ
魔物に攻撃されて 耐久値が下がった時は 魔力かエンを溜めておけば 自動で修復する機能がある
そのために大量の魔力かエンを溜めておく必要がある
街の外側を囲むのだから 物凄い量の魔防石を使う その全てに魔力かエンを溜めるのだから
莫大な魔力かエンが必要なのだ
魔力を補充するのは まあ 無理だろう
しかし エンなら可能である
エンとは魔物を倒した時に出る直径3cmの丸い玉のエネルギーで
量が変わっても大きさも重さも変わらない
好きな量に簡単に分けることも出来る
様々な物に使える便利なエネルギーなのだ
魔防石さえ 用意出来れば
後はエンを大量に集めるか ギルドで買うだけで外壁にエネルギーを簡単に補充することが出来るだろう
「あつし様 聞いてもいい」
「んっ 何でも聞いてよ」
「F級の魔法石は魔防石を作るのに使うって分かったけど F級の魔鋼石は何に使うの」
「ああ そうだね とりあえず 大量に集まるまでは秘密にする予定なんだけどね 武器を作るつもりなんだよ」
「へぇ~ 凄い って F級の武器を?何だか弱そう」
「まあね でも 役に立ちそうなんだよ 魔物にダメージを与えるためには 魔鋼石か魔法石を使う必要があるだろ それも それ以外の鉱石を使ってはダメだという制限があるよね」
「うん」
「で これが その武器だよ」
俺はF級の魔鋼石をイリスに渡した
「えっ 武器? ってこれは魔鋼石だよね」
「そうだよ 100%魔鋼石の武器だよ」
「えっ」
「はは それを投げるんだよ」
「えっ それだけ」
「うん それだけだよ」
「ふっふっ そんなの聞いたことないよ」
「まあね でも その魔鋼石に自分の名前を登録すると ほら F級の武器の出来上がり」
「えっ 私は鑑定出来ないよ」
「ああ そうだったね 武具鑑定が必要か 俺が鑑定すると これはF級の飛び道具 魔鋼玉 ってなってるんだよ」
「へぇ~ そうなの でも 役に立つの?」
「さあ 分からないけどね」
「えっ そうなの」
「まあね」
「ふっふっ」
「次が凄いんだよ 魔鋼石と魔法石を合わせるんだよ F級の魔鋼石なら F級の魔法石と合わせて武具を作ることが出来るんだ」
「えっ そうなの」
「うん まだ 作ったことないけどね」
「でも 聞いたことないよ」
「聖剣 魔剣って聞いたことないかな」
「うんん 聞いたことない あっ 絵本の中で勇者様が使ってる武器のこと?」
「え~っと そうなのかな どんな武器?」
「剣なのに 魔法が使えるんだって」
「おっ それそれ 魔法剣の方が分かりやすかったかな」
「魔法剣? ともいうのね それが作れるの?」
「俺には無理だけどね」
「あっ メンス君とハント君の武具職人の特殊能力だ」
「正解 俺が作り方を教えて メンスとハントに作ってもらうつもりなんだよ」
「へぇ~ 楽しみ 勇者様の剣かぁ~ ノルンちゃんも喜びそうね」
「だね ノルンの武器は 上位の等級で作らないとね」