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ラダマカは商業が盛んな街
サクラ王国の中央に位置する 王都の次に大きな街だ
俺達はラダマカに着くとすぐにギルドに行き 屋敷を借りるために商人を紹介してもらう
俺は1ヶ月の家賃が金貨400枚の庭が広い屋敷を借りることにした
この街でも孤児達に捨てられている魔鋼石 魔法石を集めてもらうつもりだ
この街の10キロ~20キロほどの距離には 5つのダンジョンがあるそうだ 王都よりも捨てられる数が多いだろう
イリス アオ ラナ カイはすぐに回復薬作りの準備を始めた
俺は孤児院に行き魔物運びの護衛と魔物運びをお願いすることに
俺が詳しく説明する前に 孤児院の院長が出て来て
俺に頭を下げてお願いしてきた
「よろしくおねがいします」っと
院長は苦笑いをしながら
俺の噂を聞き 真似をしたのだと話をしてきた
8つの孤児院の院長が集まり 俺と同じようなことをしたのだが
上手く行かなかったと
院長同士で揉めて 1週間もたたずに解散したのだと 苦笑いをしながら話してくれた
その後 院長はズバリ聞いてきた
どれくらいの利益が出ていたのかと
俺は笑いながら 教えてあげた
利益はないと
プラスになったお金は次の日の昼食 おやつに全てを使っていたと話すと
院長は驚いた顔で
それでですかと
上手く行かなかった原因は 8人の院長の取り分
更に孤児達が要求した昼食とおやつ
院長達だけでなく 孤児達にも噂が入っていたのだと
毎日 沢山のオークの肉が食べれて 更に おやつまで出ていると
まあ 8人の院長が利益を求めれば揉めるのは分かる
しかし 魔物運びの孤児達から得られるお金を
護衛をしてくれる人数で割れば 赤字にならない報酬が簡単に決められるのだが
その数字よりも 報酬を少なくすれば 昼食のオークやおやつに当てられそうなのだが
自分達の取り分を多くしたのかな?
って思っていたのだが
・・・
翌日 意味が分かった
戦える孤児達が多かったのだ
もちろん 魔物運びをしてくれる孤児達も多いのだが
戦える孤児の割合は王都の時よりも圧倒的に多い
(う~ん たしかにこれだと 赤字になるよね)
もちろん報酬を半分の銅貨1枚にすれば黒字になるだろうが
それだと さすがに護衛をしてくれないだろう
赤字になりそうだが
・・・
(まあ とりあえずは様子をみるか)
って やはり 赤字に
金貨2枚の赤字に
これにはオーク8体を買取ったお金は含まれているが
孤児達が期待している おやつ代は含まれていない
プラスなら おやつが そこから買えるのだが
・・・
う~ん
魔物運びの利益を上げる必要があるのか
・・・
最初は戦える孤児の 護衛の人数を減らそうかと考えたのだが
この街の周辺は王都よりも魔物が多かった
安全に魔物運びをするためには これくらいの人数が必要なのだろう
お昼のオークを出さなければ 黒字になるが
それも無理だろう
おやつも要求されるようになりそうだし
・・・
俺が考えていると
おじさんが近づいてきて
「上手くいってますか」っと声をかけてきた
「まあ まあまあですかね」っと俺が言うと
おじさんは にっこりと笑顔で
「私は孤児院の院長をしているんですよ よかったら 代わりに私がしてもいいですか」っと言ってきた
俺は即答で
「じゃあ お願いします」っと言うと院長は驚きの顔を そして すぐに
「その今日の利益はどれくらいですか」っと
俺は正直に
「金貨2枚の赤字ですよ これからは おやつ代も必要になるので 更に赤字になりそうですね」っというと
院長は苦笑いをして
「わ 私には難しそうですね ははは では これからも よろしくお願いします」っと頭を下げ そそくさと立ち去っていった
・・・
それから 他の孤児院の院長が3人やってきて 同じような会話をすることになったのだが
5人目にやって来た 孤児院の院長は 赤字だということを信じていなかったようで
明日から俺の代わりをしてくれることになった
孤児達には俺と同じ条件で報酬も昼食のオークの肉も出すと言っていたが
・・・
う~ん まあ やってくれるなら いいか
・・・
俺は力が弱く 魔物運びが出来ない孤児達に 魔鋼石 魔法石 苦草集めをお願いした
翌日 もちろん 院長がやって来て 頭を下げてきた
金貨2枚の赤字になってしまったと
明日から俺に代わってほしいと
もちろん 了承した
俺も魔鋼石 魔法石 苦草を集めるためには 戦える孤児達がいた方がいいからね
毎日 おやつ代を含めて 金貨12枚の赤字になるのだが
この街に着いて3日目からは 回復薬の販売が再開されたので金貨200枚の黒字が
魔物運びの赤字と一緒にしても 1日金貨188枚の黒字になる
イリス達のおかげで順調に稼げているので
俺は目的の奴隷市場に