プロローグ、転機は其処に
お読み頂きありがとうございます。
拙いですが宜しくお願いします
プロローグ
ヒュオオォォォ……
涼しげな風が真昼の街を駆け抜けて行く。
「…………。」
その風に当たるようにして彼、
『知間カツマ』は高く聳える塔の上から街を一覧していた。
「神も、ホントに遊びが好きだな……」
そうポツリと、誰が聞くわけでもなく彼は、その言葉を紡いだーーー
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…………二年前。
この世界に神が降臨した。
まだ年端もいかぬ様相をした神である。
神は、我々に力と呼べる固有能力『スキル』を授けてくれた。
その、授けられた能力は十人十色で、各々で異なった内容を含んでおり、力、知能、欲、チート…………その内容は本当にバラバラで、似たものはあれど誰一人として被ったものが居なかった。
ほら、君にも彼等の喜びようは目に見えるようだろう?
……しかし、神がもたらしたのはその恵みだけではなかった。
神は言った。
『僕を楽しませろ』と。
神は言った。
『奴等に勝てたらこのゲームは君達の勝ち』だと。
そしてその言葉通り、その日の内から、世界には
『奴等』が溢れかえり、世界はゲームとなった
それからたった数日後。
世界は人口の約五割を失い、やっと反撃に乗り出した。
ーーーーそう、『スキル』を使って…………
そして、事態は、今に至る。
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「ふぅ……」
ピロリ
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welcome!
[茅野夏目]<駆け出し>
体力3000/2900
バフ(攻撃力)デバフ(無し)
スキル『グロウステータス』
1,三分強化ーwait timeのこり50秒ー
2,集中大強化ーwait timeのこり0秒ー
3,複製の加護ーhelper知間カツマー
▼next
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俺『茅野夏目』は、敵の包囲網を潜り抜けステータスの確認を行っていた。
体力が掠り傷などにより少し削られていたが、これからの行動に問題はなさそうだ。
自身のスキルを解除しながらSサポート『自動治癒』で回復を待つ。
その目に映る光景は、ポリゴンが拡散したものであり、改変された世界の形を捕らえている。
何故、神はこの世界をゲームに作り替えたのか。
そうぼんやりと考えながら俺は自身のスキルを見直した。
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スキル説明
固有『グロウステータス』
強化系スキルに属する。
上限がなく、何処までも強化が可能だが、かなり成長率が低く、あまり期待される部類のものでは無い。
評価C-
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グロウステータス。それが自分の固有スキルだ。
正直、このスキルには何度も絶望させられた。
何度も、見捨てられた。
だが、
……………………忘れているかもしれないから言っておこう。
ここは、現実世界で、決して只の夢じゃない。これは奴等と人類の殺し合いだーーーー
この世界に最早モラルなんて、存在しない。
長く暖かい目で見ていただけると幸いです。
この物語のメインはやはり成り上がりシーンなので…………チラッ