豊穣祭二日目
え?深夜投稿ってアウト?
6/11 すんごく加筆。
二日目。昨日巡ったのは露店ばかり。とはいえ他に何か巡るところはあるのか…?
さて。日課の鍛錬。いつも通りだ。
剣を振りながら考える。なぜ魔女は都合よく現れたんだろう…気配も感じなかった。突然出てきた。
怖っ! まあ魔女だし何か特殊な魔術で出てきたんだろうけど…あの引き籠りが……外に?祭りの日に?火急の用事か?
鍛錬が問題なく終わり、リビングへ。
「おはよ~元気~?」
「元気ですよーー」
「今日の朝は売っていた『ほっとどっぐ』を作ってみました~」
ほっとどっぐてなにさ。あ、いや、見たらわかる。コッペパンにソーセージ挟んで赤いよくわからんものをかけたもの。
美味しいか。美味しい。なんというか。ソーセージとパンの味と食感、そして赤いのの酸味?が混ぜ合わさって美味い。
「製作者の話。『なんで四角いパンがプルパン、細長いのコッペパン。名前がおかしい。というかスクランブル[エッグ]なのになんでパンがブレッドじゃないんだよ。』とのことです」
なんですかいそれ。
「興味ありますかな?」
「今更ツッコミ入れるけど話し方が変」
あ、まあ興味あります。
「その顔はっ! 奇怪なものを見る顔っ!」
興味がある顔です。
「性格崩壊してないか? つまりそこに行きたいと」
「その通りだよ『わとそん君』」
「誰だそいつ。多分なんか使い方が違うような…」
ミリナの頭が死んでいる…だめだコイツ。
「というわけで早速行こうかヤッくん」
「何がというわけだかわからんが了解」
祭りはいいのか。
中央通りの中心部に近いところにその店はあった。……『フランクフルト』『ヤキソバ』『ホットドッグ』なるものを売っているとか。
「ん? 昨日の人か、どうした?」
そういってぼや少年が出てきた。
「ん? この間の門番さんか、何か食うか?」
「いやさっき食ったばっかりだからいい」
「そうか、残念。さて、何か用かい?」
「ヤキソバの作り方を教えてほしいです」
「このタイミングで!? んー祭りが終わってからでいいかな。依頼も祭り終了から依頼人が満足するまでだから時間は取れる」
「なら豊穣祭の後でお願いします」
「ん、宿泊してるところは領主の館横の宿だ。祭りが終わったら来てくれ」
「わかりました~」
この娘、恐れを知らない。常識も。
さて。
先ほどのことでご機嫌のミリナさんはるんるんと大通りを歩いている。いやしかし、二日目何をするのか。
「えー次は14番街に行きます」
「はいはい。そこでは何を?」
「遊びます」
「遊ぶ?」
「遊ぶ。まあ行こっか」
連れられて14番街へ向かう。
「センパーイどこ行くんですー?」
その途中エイフィスと会った。なかなかおしゃれな服だ。
「おうエイフィス。14番街で遊ぶ、そうだ」
「あーあそこ豊穣祭で店出してますからねー。それじゃー」
「それじゃー」
「エイフィス君なにしてたんだろうね」
「んー、さあ?」
14番街。遊ぶ、ってのも理解できるほどいろいろある。
手近にあった、『クックチー』というものからやってみる。
料金を払い、説明を聞く。
まず、矢を5本手で投げて、チーとかいうハリボテひよこに矢を当てる、というもの。
奥に居たり、障害物が間にあると得点が高い。当たり所は関係ない。
注意する点は、考えたところ斜めのひよこに注意すること、奥にいて、障害物が無いものを優先して狙うこと。だと思う。
一本目、奥に居る涙目チーに向かって矢を振りかぶって投げてみる。
外れた。案外飛ばないし、手だからブレる。
投げナイフは得意じゃないし、やってみてわかったが矢って投げにくい。そもそも手で投げるもんじゃないが。
「惜しいね~ヤッくん」
ミリナは大体三つ奥ほどのおこおこチーとやらの目に矢を命中させていた。
何か悔しい。
二本目。今度は投げ方を変えてみることにした。下から手首を使って飛ばしてみた。
何とか涙目チーの、足?の方に当たった。
「おおー何その投げ方」
ミリナは堅実に同じ列のぷんすかチーに当てていた。目に。
三本目、やはり一番奥の、うるるんチーとやらに狙いを定めて同じく手首で投げる。
けっこう勢いよくいったので、普通に腹のほうに刺さった。
「その投げ方いいのかな?」
まあよくわからん門番長がやってた投げ方なんで。
ミリナは余裕があるのか、1つ奥の、げらげらチーに命中させていた。何気に上手い。目に当てるのが。
四本目。一番奥に残ったのは斜めのチーだ。その手前はミリナが命中させていたものを除くと二つ正面を向いていた。
選択を迫られる。……さて、ここはあえて斜め号泣チーを狙う。というかそれをするべきだろう。挑戦するべきだろう。
斜めというのは難しい。斜めといってもチーの顔があまり見えないし、斜め投げは禁止。ヤレット…投げる!
えーはい。外れ?かな。手と顔の間に矢が挟まった。
「…すごい当たりようだね」
「すんごいところに当たったもんだな。当たりでいいぞ」
おお、アレでいいのか店主のおっちゃん。
ミリナはげらげらチーの横のアヒャヒャヒャチーに命中させていた。その中でも目に。
最後の五本目。どうやらミリナも斜めチーらしい。奥の。ヴァーチー。ヴァーって何。息を吐いてすっと投げる。
どちらとも外した。斜めの中の最強か。
「お嬢ちゃんは1260点、兄ちゃんは1380点だ」
「負けちゃったかー」
「矢とはいえ負けたらなあ…でも上手かったぞ?」
「私もびっくりだよ」
次に、糸吊りというものがある。
どういうものかというと、糸に魔術で物とくっつくっというのがかかっていて、それで物を吊って決まった位置まで動かせるか、というものだ。
…さて。やってみる。
糸を一本選ぶ。糸なので細い。あまり物を吊ると糸が切れそうだ。鉄球、ペン、石、短剣、など。
この中なら短剣だろう。
糸の両端を持ち、柄に付ける。そろーりと動かしていく。ほんのちょつとずつ、短剣が下に行き、あと少し、というところで糸から短剣が離れた。
うーん、短剣は駄目かー
ミリナはまだ真剣に、カップを吊っていた。…あっ千切れた。
次に玉を転がして入れる遊びだ。
この遊びはボールをいくつか空いてる穴を避けながら一番奥に入れる、というものだ。
フィールドはいろいろな種類のものがあったが、俺はとりあえずシンプルなものを選んでおいた。
縦に広い四角いコース。両側の壁は跳ね返りやすくなっていて、穴は、真ん中両側に二つ、奥にバラバラに四つ程。……案外難しいんじゃないかと。
第一投、投げまーす。
角度は / \ / ・
穴に落ちました。ああうん、単純な方が難しいよね、複雑なものは考えれば解けるけどただ単純に穴の置いてある場所が酷い方が難しいか。
第二投ー投げるっ
\ / \ / O
あっさりと入った。途中穴に入りかけてはらはらしたけど入った。
別のステージ。
どことなく戦場をイメージする。塔と穴が多数ある、なんとも言い難い光景だった。
上級者向けだろこれは……
投げまーす
玉は右に弧を描くように塔に当たる。塔は玉を跳ね返すらしく、そのまま左へ弧を描くようにして曲がる。そして穴に落ちた。
さあもう一投。
塔の左から同じように弧を描いて曲げて、右の壁で跳ね返り、塔の後ろへ。そのまま後ろに玉が跳ね返り奥に行った。
「お客さんなかなかやるねえ」
褒められた。ミリナの様子はよくわからないが、悔しがっているのは見えた。
紙を水が出るもので濡らす遊び。
筒の魔導具で相手より多く紙を濡らす。(紙には丸が描かれていてその部分をすべて濡らす。)
対人戦。俺とミリナの勝負。妨害は水と風なら良し。殺傷力の極めて低いもののみだが。当たり前。
「勝ってみせるよー!」
「…おう」
負けられない。男として。
試合開始。まず近い三つを制圧。そして妨害開始。
まず魔術の風で紙を上に上げてミリナの位置特定。そして水をかける。
「きゃっ! つ、つめたっ」
冷やしましたので。
その間に筒を使い上げた紙を狙う。天井に張り付いているから狙いにくいが当てていく。
ミリナの妨害。横から水。単純なので避けて水をかけてやる。
すんごい睨まれた。で、筒と魔術で目を狙ってきた。
咄嗟に顔を隠すことで目は無事だ。
その後は出会いがしらに魔術のぶつけ合い、時に紙ごと水を飛ばして来たりした。
終了間際、ミリナを遠くから発見。右の筒で紙を撃ちながら魔術で水を勢いよく飛ばす。コツは水を風で飛ばすこと。
試合終了。 俺、37枚。ミリナ、35枚。
僅差だが勝利した。
ミリナからは服を乾かしながらジト目で睨まれ、文句を言われた。
「少しは女の子に水をかけるということに躊躇いをもってほしいなー………」
魚掴み。一回1500ベルン。
これは濡れる。凄い濡れる。海からとってきた新鮮な魚を手づかみで捕る。遊びか?これ。
俺は近くにいたアジを捕ったが…
「きゃあー! ちょ、あ、暴れないでー!!」
とても苦労しながら捕っていた。言うまでもなく服がさっきより濡れて色っぽかった。
「それじゃ、また明日」
「ああ、また明日」
家に戻り、風呂で疲れも洗い流し、目を閉じるとすぐに夢の中に落ちた。
感想、気になる点、酷評でもなんでもこいやぁの覚悟でお待ちしております。
祭りでデートだがミリナはヒロインではない。断言しよう。
例えば~のところはもしかしたら後で詳しく加筆するかもしれません。
ヒロイン?未だになんのフラグ…一本あるか、ですが豊穣祭後にでるかと。
ヒロインに祭りで親密に、というのではないですね。ストーリーものなのか微妙ですし、世界観が微妙で戦闘も多くなるでしょうが、もしよければ見ていってください。